チェリビダッケの小箱

音の出るパンケーキ

Wagner:Tristan und Isolde&Debussy:La Mer

2008-01-22 19:14:07 | METEOR
・Wagner:Tristan und Isolde; Prelude und Liebestod
Munich Phil/1983.12.06
・Debussy:La Mer
Munich Phil/1991.09.27

レーベル:METEOR(MCD 033)

演奏評価
・Wagner
☆☆☆☆☆☆☆☆
・Debussy
☆☆☆☆☆☆☆☆☆

録音評価
・Wagner
☆☆☆☆☆☆☆
・Debussy
☆☆☆☆☆☆☆☆


METEORから出ている、ミュンヘンとのトリスタンと海。

トリスタンは慣習的な演奏からは隔絶された、チェリ独自の美的世界が展開されています。

前奏曲から、濃密にして巨大かつ透明な弦楽器の響きには圧倒されます。
「愛の死」も美しく、音楽がまさにそれ自身の力学によって生成していきます。

それだけに、クライマックス前のクレッシェンドでテンポが急激に上がる点が、やや構成美を損ねるように感じます。
また、クライマックス部でやや響きが薄く、高弦の刻みがチリチリするのも気になります。

この点は、EMIの同一演奏の方が僅かながら響きに厚みがあっていいですね。
METEOR盤の方が柔らかで美しい響きではあるのですが。

とまぁミソは付けましたが、チェリのワーグナーの中では断然お薦めの演奏です。


ドビュッシーの海は超名演。
磨きに磨き抜かれたミュンヘンフィルの音色が冴え渡ります。

フランスのオケのような艶やかさとはまた違った美しさ。
音の美しさだけでなく各楽器の演奏精度がものすごく高く、完璧なアンサンブルを聴かせてくれます。
マエストロの気合いも十分。
そして何といってもティンパニーが素晴らしい。
おそらくザードロでしょうが、要所要所で圧倒的な存在感を示しています。

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