チェリビダッケの小箱

音の出るパンケーキ

Bruckner:Sym No.7&R.Strauss:Tod und Verklaerung

2008-01-11 23:04:46 | METEOR
・Bruckner:Symphony No.7 in E major
Munich Phil/1985
・R.Strauss:Tod und Verklaerung, op.24
Stuttgart RO/1982.11

レーベル:METEOR(MCD 039/040)


演奏評価:
・Bruckner
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・R.Strauss
☆☆☆☆☆☆☆☆

録音評価:
・Bruckner
☆☆☆☆☆☆☆☆
・R.Strauss
☆☆☆☆☆☆☆


ブルックナーは神がかった完璧な演奏。

最晩年のEMI盤は幽玄の世界ですが、このMETEOR盤はそれに加えて音に推進力と多彩な色が感じられます。

ブル5の来日サントリー(Altus盤)の記事でも書きましたが、私は80年代後半のチェリビダッケの演奏を高く評価しています。

最晩年の諦観的・神秘的で静謐さと透明感を湛えた響きと、壮年期の重厚で推進力・爆発力と色彩感あふれる音色をもったチェリが、うまい具合に同居している時期なんではないかと思います。

一楽章の冒頭から神がかった演奏で、ものすごく巨大で濃密な音楽なのに、強奏部でも決して音が濁ることはありません。

二楽章は絶美。
もはやこの世のものとは思えない音楽が展開されています。


AUDIOR盤(AUD 7009/7010)もいい演奏ですが、音質という点でMETEOR盤に及びません。
やはりブル7はMETEORの透明で空間的な響きで聴きたいと個人的には思います。


1992年のベルリンフィルとのブル7は長大でものすごい演奏ですが、チェリの音楽の完成度という点ではやはりミュンヘンとの演奏に見劣りがします。

クライマックスでの音量や音圧はさすがベルリンフィルと思わせるものがありますが、
楽器間のバランスが崩れ音色も統一されていない感があり、音が濁ってしまっています。

そんなわけで、まだ未聴盤も多々ありますが、このMETEOR盤が私の一押。



リヒャルトは82年ですので、Stuttgart ROとのコンビの集大成的な演奏です。
CeLISTでは日付が不明になっていますが、聴いたところグラムフォン盤と同一演奏のようです。

演奏も秀逸です。

演奏スタイルは、私が所有しているStuttgartのGALILEO盤(GL 7)とミュンヘンのALTUS盤(ALT 141/142)の中間くらいで、
冒頭(ティンパニ一閃の前まで)などはどちらかというとミュンヘン時代のスタイルに近いように感じます。

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