グリン先生の鍼灸ワールド

広島の鍼灸院
『グリンSHIATSUマッサージ』の院長ブログ。

縄文生活?

2012-03-30 | 東洋医学


 寒い寒いといわれながらも、春は着実にやって来ています。
今日は(30日)、旧暦の三月(弥生)九日。

寒さの割には開花予報は広島地方では例年と変わらず、三月末といわれています。

西行法師が「花の下にて春死なむ」と歌ったのは如月(きさらぎ)の頃にですから、旧暦だと二月が花見になることもあるのでしょうか?

 さて最近では、タイトル通り縄文生活を楽しんでおります。

とっぱじめは、先週末の潮回りがいいことに気づいたこと。いそいそと太田川河口にくりだし、数は少なかったものの結構なサイズのアサリを掘り出しいい気分で帰りかけたとき、ふと磯に黒い皮のようなものがべったりと張り付いているのに気づきました。

なんかなーと思いよく見ると<ごはんですよ>みたいに見えたので、とりあえず持ち帰り醤油とみりんで煮てみました。それが写真中央の海苔佃煮で、まさしく味はあの通りで、しかもずっと美味しい。夕方のニュースで広島湾の海苔の収穫を取り上げていたので、今まさに旬なのでしょうね。

 あと先日毎日やっている近所の山歩きで、ふと枯れ枝の先になんかキノコのようなものが・・と思いよく見るとこれが立派なキクラゲでした。これも持ち帰り中華の材料として重宝しています(なんせ乾物は保存がきくので・・)。

それから、先日治療にお邪魔した出雲のお宅でいただいたふき味噌。

 季節の旬をいっぱいいただき、冬の身体から春の身体に変身中です。

*写真は左から、ふき味噌、海苔佃煮、キクラゲ。

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痛い鍼、熱いお灸

2012-03-23 | 東洋医学


 痛くないハリ、熱くないお灸などというキャッチフレーズをよく聞きます。
 そういうものもあるのかな・・とお思いの方もおられるでしょうが、刺す以上は切皮(皮1枚分)であろうがいくらかの痛みはあると考えるのが普通で、ここはまあ<あまり痛くないハリ>と解釈すべきでしょう。しかしながら治療院(あるいは鍼灸師)によっては、考え方により立たないくらいの鍼をされる所もあるので、あたらずといえども遠からずといったところでしょうか?

 ひるがえって本院では、浅い鍼も深い鍼も使います。私は小学生の患者さんにも必要と考えればそこそこの深さの鍼を打ちますが、こういったことを考えるきっかけとなったエピソードを紹介したいと思います。

 5年前くらいになりますが、ベトナム中部の高原都市ダラットの近くの少数民族の村に滞在していたとき、ひょんなことから治療を頼まれ(道具はいつも持ち歩いているので)鍼の施術をしたのですが、そこの村人達は鍼などこれまで見たことも聞いたことも無かったにもかかわらず、治療を心と身体で受け入れ(私はそう感じました)、しかもそれがとてもよく効いたのです。その時、言葉ではうまく説明できないのですが、鍼というものは人間誰にも受け入れてもらえるようにできているし、自然の理にかなった生活をしてる人ほどよく効くと確信したのです。
 これを読んでなんのこっちゃと考える人もいるかと思いますが、私にとっては大変印象に残る出来事でした。

 余談になりますが、治療のために毎日せっせと通ってくる私に、患者とは何の関係も無い村の人達がごちそうしてくれた鶏のから揚げは、これまでの人生で間違いなくダントツに*美味しかったことを報告しておきます。

 *先日、島根食の杜のある会合で出会った木次乳業の創業者の方にその話をしたところ、あのあたりこそが鶏の原種の発祥の地で、それで美味しかったのではないかと言われてました(そういえば日本の鶏よりずっと小さく、シャモのような姿形でした)。しかしながらもうひとつの原因は新鮮なこと、だって先ほどまでコッコ、コッコとそのあたりを走り回っていたのですから・・。

**写真は少数民族の村での機織りの風景。

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心ある方々に・・本物のマッサージとは?(5)

2012-03-16 | マッサージ


 今年も特別支援学校(以前の盲学校)の生徒さん達が、臨床実習に来られました。
 専攻科保健理療科(三年間)の2年生の3名が、治療院経営の実際やマッサージの実技を学んでゆかれました。


 彼らは非常によく鍛えられていて、臨床の場に出てすぐに即戦力として通用するようにという教員の方々の思いが伝わるようだと以前にも書いたことがありますが、それにプラスして今年の生徒さんは非常に積極的で、意欲満々という姿勢がみてとれました。

 彼らの未来は明るいと信じたいところですが、実はいくつかの懸念もあります。ひとつは、*国がマッサージ療法の診療報酬を30年間据え置いているということ。脳卒中の後遺症などの機能回復を行う理学療法士のそれと比べても5~7倍の差があるといわれ、病院におけるマッサージ師の雇用が激減している大きな理由と考えられています。

 もうひとつは違法(無免許)マッサージの横行です。これについても何度か触れてきましたが、<ほぐし>・<整体>・<リラクゼーション>・<タイ式>・<エステ>(特にオイルマッサージ系に多い)等の名を騙った事実上のマッサージが、ここ何年か急速に増加しており、本来の彼らの職場を脅かしているという実態があります。

 按摩・マッサージ・指圧の国家試験は、目の見える人間にとっても決してたやすいものではありませんが、目に障碍を持つ彼らが点字やレコーダーを使ってそれに挑むことは、怠け者の私などには想像もつかないことです。まして、せっかく苦労して手に入れた資格がこのようなことで妨げられようとは・・。

 私はこの10年間で何度もアジアに出かけ(おそらく20回くらい)、10日間くらいの旅行中ほぼ毎日のようにマッサージを受けてきましたが、その中で一番をあげるとすれば目に障碍を持つタイ女性で、二番目も同じくタイの男性です。しかも障碍を持った人達から受けたのは、全体の一割にも満たない回数(絶対数が少ないので)でしかありません。

 本気の度合いが違うといえばよいか、職業の選択肢がほぼそれしかない彼らの技術は、そうでない人と比べてワンランク違うといえば言い過ぎでしょうか?

 最後にわたしの拙い文章を読んでくださっている方々にお願いがあります。もしマッサージを受ける機会があったら、ぜひ一度彼らのマッサージを受けてみてください。マッサージはムードや雰囲気で決まるものではなく、やはり技術であるということがお分かりいただけると思いますので・・。

*筑波技術大学准教授 藤井亮輔氏の朝日新聞への投稿を参考にしました。

写真は中三人が生徒さん、両脇は指導教員の方。

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陰暦とひな祭り

2012-03-09 | 東洋医学
 


 今さらひな祭りとは・・と思われるかも知れませんが、陰暦(旧暦)では3月24日になります。むしろこの方が自然で、この頃になると桃の花もそろそろ咲き始め、桃の節句で無理がない季節となります。

 例年であれば<梅の節句>くらいにはなるのですが、今年は寒波が長引いたため、私の家の近所で例年ひな祭り前後に毎年やっている<梅祭り>では、花が咲いてなくてさっぱりだったようにも聞きました。

 しかしながら今年は去年に比べると本当は春の訪れは早いようで、(ちなみに昨年の桃の節句は4月5日でした)外気はまだまだ寒くとも、何日か前頃からは確かに春の息吹を感じるようになりました。こういう季節のうつろいを感じることは、我々東洋医学にたずさわる者にとって大変重要なことであり、黄帝内経にも、いやしくも医療者たる者は、風が変わったことを敏感に気づく様でなければ話にならないといったような記述があります。

 知人で、治療にもよく来ていただいてる県東部の造り酒屋で杜氏をやっておられるIさんは(有名な方です)、江戸時代の古式醸造法を実践しておられる研究熱心な方ですが、やはりできるだけ陰暦のスケジュールで仕事を進めるようにしていると言っておられました。

 なお、冬の身体を目覚めさせるには、ふきのとうなど芽吹いたばかりの苦い山野草を食べると良いようです。



*私がよく利用する旧暦のサイト。

 http://www.ajnet.ne.jp/dairy/

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NHK 夜なのに朝イチ<漢方スペシャル> 

2012-03-02 | 東洋医学
 

いつも西洋医学一辺倒のNHKが(腰痛、肩こりや、五十肩でさえも、鍼灸指圧に言及されることは殆どありません)珍しく*漢方を取り上げるというので、興味を覚え見てみました。
・・
 内容は大学所属の医師が(まあ予想通りですが・・)漢方薬を用いて治療をするというもの。最初に脈診や舌診・腹診を行い(証を立て)、しかる後に証にあった漢方薬を見立ててゆくという定石通りの方法ですが、なぜかゲスト達は大層に感心しておられるようでした。なおここで紹介された慶応大の女医の診察予約は、数ヶ月先までいっぱいとのことがNHKのHPに出ておりました。

 しかしながらここで紹介されているような治療方法は、われわれ鍼灸師(あるいは薬剤師のなかにも漢方に習熟された方はおられます)などが普段やっていることとなんら違いはありません。治療法がただ、鍼灸か薬かの違いだけです。まあ、そうでなければ病院に行って、薬でもなかなか治らないような病気が、身体を少し鍼でチクチクするだけで治るはずもありませんが・・。

 それでも鍼灸じゃなくどうしても漢方薬がいいと思う人は、鍼灸師のところに行って立ててもらった証で薬を探すといったような手も無くはないでしょうが・・。

 もう一人紹介された島根大の先生は、**抑肝散でアルツハイマー特有の症状を抑える治療をしておられる方で、「漢方なんて効かないと思っていた」と正直に話してました。
効かない医学が二千年も続く訳は無いという風には考えられなかったのかちょっと不思議に思いましたが、それはともかく、この方のやり方は実証主義的というか経験主義的というか、効くかどうか一つ一つ試している途中という感じがしました。

 そんな手間なことをしなくても、漢方医学は民間療法なんかじゃなくれっきとした体系を持つもう一つの医学なので、そこのところを勉強されたらだいぶ手間が省けると考えるのは余計なお世話なのでしょうか?

 まあここに日本の漢方医学の限界があるようで、***日本には漢方医学のうち湯液(漢方薬学)を専門に教える機関(大学など)はありません(鍼灸はあります)。多くの場合関心を持った医師(あるいは薬剤師)が片手間で(言い方は悪いですが本当です)やっているにすぎません。
 
*漢方医学って何?
wikipediaの解説が大変よく出来ていると思います。
 
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%A2%E6%96%B9%E5%8C%BB%E5%AD%A6

**抑肝散
 小児のかんの虫にもよく効くそうです。

***
ちなみに少なくとも中国、台湾、韓国にはあります(ベトナムにもあるらしい)。

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