写真は20年以上も前のものとなりました

つれづれなるまゝに日ぐらしPCに向かひて心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつづっていきます

今は昔・・・

2016年04月30日 | 随想

今は昔竹取の翁といふもの有りけり」・・・・日本最古の物語文学「竹取物語」の書き出し部分である。「今は昔」とは、「今ではもう昔のことだが・・・ 」といった意味である。竹取物語は時の権力者をコケにしている部分があり、誰のことだか当時の人たちにはすぐにわかった(「5人の貴公子のモデル」)らしいので、「いやいや、これは『ムカシのお話』でして・・・」ということにしてある訳である。そうすることで千年以上もの間、生き存えてきたのだった。

なよたけ」・・・細くしなやかな若竹、「かくやひめ」・・・周囲をあかあかと照らし出す姫

 

今は昔、金沢市は神谷内(〒920-0801)に神谷某といふ者ありけり・・・・。この男、出会った時には交通違反を繰り返して免許を取り上げられていたそうだが、なにしろ公道で時速100km超走行もしばしばだったそうな・・・。あるとき、やはり100km/hで一般道を走っていたときのこと、ふと、「このスピードでギアを1速に落としたら、どれくらいのGが体験できるかな?」などという不届きな妄想に襲われたそうで・・・。

 

ときは70年代前半。MT車しか無かった時代である。減速の場合の鉄則どおりにダブル・クラッチを踏んで、回転数を上げ・・・・。大きな「Gフォース」を期待して両手でしっかりとハンドルを握って構えていたのだが・・・・・、クラッチをつなげたとたん、「バツ~ンっ!!」という大きな、イヤ~な音がしただけでスピードは全く落ちなかったとのこと・・・。「んぬ~っ? どぅした?」という思いで、ギアをガチャガチャ操作してみると、走行中にもかかわらずバックギアにもストストに入ったりして・・・・ギア・ボックスを破壊してしまっていたようなのだった・・・。結果的には、ギアが破損することで重大な事故にはならなかった訳だが、会社へは「ギアの入り具合が悪くなったのでアッセンブリー交換に出しました。」と報告して済んだ由。まぁ、そんな時代のお話です。こんなことしてりゃぁ、運転免許証いくつあっても足りやぁしないはずだ。

アベック連れで歩いている風景なんてのは、昨今は珍しくも何ともない風景だが、当時は45cmは必ず隙間をあけて歩くという奥ゆかしさが存在していたようで(45cmルール、とか・・・)、そういう珍しいアベック姿を見かけた場合には、その横をクルマで通り過ぎるときにエンジンスイッチを操作してアフターファイヤーを故意に起こさせて、「ばぁーン」という爆発音を鳴らすというイヤがらせをしたりして・・・バックミラーを見ると、驚いた二人が抱きついたりしている姿を見て逆に惨めな思いになってみたり・・・、まぁ、今のコンピュータ制御のエンジンではとてもできないことなのだが、北陸路を縦横無尽に仕事で駆け回っていた頃のことで、仕事に関しては、彼はとても優秀な技術屋で引っ張りだこだったし、その他にもいろいろとエピソードが多々あったりするのだが、まぁ、全て「今は昔」のお話です。

・・・ったく、若い時分というのは・・・。


バックギアといえば、最近、「お年寄り」の間で絶賛流行中なのが、「ブレーキとアクセルの踏み間違いなんだとか。統計的にはAT車にしか乗らない20代が最も多いらしいのだが、「お年寄り」は高速道路の逆走も多いし、「踏み間違い」はお年寄りの専売特許ではないにしろマスコミのほうから「まぁたかよぉ!」といった調子で面白おかしく採り上げてくれるので、目立つようにはなっているようである。

ただし、「事件」になるのは、十把一絡げに「ブレーキとアクセルとの踏み間違い」ということではないことに注意しなければならない。

「事件」になるのは「ブレーキを踏もうとして慌ててアクセルを踏んだ」ことによって起きた衝突事件とか突っ込み事件であり、「アクセルを踏もうとして間違えてブレーキを踏んだ」という話ではない。一般道や高速道路で それをやられたときにゃぁ後続車の追突事故になりかねないのだが、高速道路では「逆走」というのが「お年寄り」の定番となっている。

JAFの「クルマ何でも質問箱」というコーナーの「ペダルの踏み間違いを防止するには?」では、その答えが「決定的な防止策といったものは未だにないというのが現状です。」・・・明快である。論語の「知らざるを知らずと為す是知るなり」(知らない事は知らないと自覚すること、これが本当の知るということである。)を見た心境である。

 

さて、そこで提案なのだが、「お年寄り」には「MT車限定免許AT限定免許の逆)」なるものを差し上げたら如何だろうか?

マニュアル車ではアクセルとブレーキを間違えるなんてことは、まずあり得ないし、何しろマニュアル車だと両手両足を別々の動きで駆使しなければならない、という知能体操をやり続けているようなものなので、それだけでボケ防止にもなり得るはずである。AT限定免許というのは平成3年(1991年)から始まったそうなので、今の「お年寄り」のほとんどはMT車も運転できるはずである。

足が思うように動かなくなったり、咄嗟の動きが鈍くなったりというような関係でMT車の運転が無理になってきた場合には、あっさりと免許を返上してしまっては生活が成り行かなくなることもあり得るので、その場合には「手動運転補助装置」などの障害者運転補助装置のついた車輌に乗り換えるとかして、何が何でも足の確保を、ひいては自身のサバイバル(生き残り)を図るべきだろう。

ボケてから運転されるとはた迷惑になるが、ボケ防止に運転をして常に状況判断をし続ける、というのは精神的には良い方法かもしれない。それで医療費が少なくなるのなら、「田舎のベンツ」軽トラのMT車などは、ひょっとしたら日本の救世主となるかもしれない。

 

高齢者のブレーキとアクセルの踏み間違いについては何とか対応策もありそうなのだが、「アクセルとブレーキ」という話題になると、どうしても「アベノミクスと消費増税」が連想されてきてしまう。新聞のコラムみたいに論評の最後に皮肉めいたことを書き綴るようなみっともないことは避けたいのだが、どうも流れからすると、そうなりそうである。

このブログで何度も、例えば「失速」のところとか、「選挙雑感」の後半とかでも書いていたのだが、「アベノミクスの足を引っ張っているのは消費税であり、金融政策・財政政策、成長戦略という「3本の矢」はいずれも効果を挙げていた」のであり、これはアクセルを有効に踏み込んだ成果であった。・・のだが、消費税増税という急ブレーキをかけてしまったがために、せっかくのアクセルも効いてはいるものの成果が見えなくなってしまった。言わば、アクセルを踏みながら、力いっぱいブレーキも踏んでしまったようなもので、耐えきれずにタイヤがバーストしてしまった、というのが今の日本の状態だろう。にもかかわらず、燃料バカ食いさせ続けているものだから車体はどんどん破損しながらも引きずりながら前へ前へと進み続けている・・・高齢者の踏み間違えの方が余程マシに見えてくる。

 

面白いのは、2010年6月20日(日)付の公明新聞で「一刀両断 菅首相の「消費税10%」発言」という記事。「ブレーキとアクセルの踏み間違え」、「入院・治療に専念すべき人に「毎日1万歩、歩いた方がいい」と言うようなもの」と、ナンミョーにすれば珍しく本筋論を展開しているなぁ、と思っていた矢先、2013年2月14日(木)付の記事では「消費税の軽減税率 10%時に確実に導入を」だものなあ。さすが金魚の何とかみたいな与党魂でござんすよ。

 

 

そんなこんなの裏舞台

 財務省“最強世代”の研究】(上)

 財務省“最強世代”の研究】(下)

・・・・官僚の都合でモノゴトが決まっていくような論調で不愉快になる記事です。戦国時代の出世物語と同じような目線でしかモノゴトを見られない、って悲しいもんですね。

 

 

古いクルマに乗ることは「罪」なのか? 

自動車税のグリーン化

古い車の自動車重量税は平成28年4月以降さらにアップ

・・・先進国は古いクルマに優しいものなんだとか・・・。