野田に「大連立」けしかけたNHK看板キャスター（ＣＩＡ大越健介）

野田に「大連立」けしかけたNHK看板キャスター（ＣＩＡ大越健介）

(日刊ゲンダイ)

民主党増税慎重派激怒

先週17日、NHKの看板番組「ニュースウオッチ9」に野田首相が出演したが、その際の

大越健介キャスターの質問の仕方に、民主党の消費増税慎重派が怒っている。

というのも、大越キャスターは野田に、自民党との「大連立」をけしかけるような

口ぶりだったのだ。


当日は、衆院特別委員会の審議が始まったばかりで、議論はまったく煮詰まってもいない。

ところが大越キャスターは、「総理の決意は分かるが、どうやって法案を成立させるのか」

「自民党の賛成がなければ、衆参を通すことはできない」と自民党との合意が

当然のことのように結論を急がせた。

そして、隣の女性キャスターが、民主党が打ち出している「最低保障年金」「年金一元化」の

撤回などを自民党が求めている、と書かれたフリップを見せると、大越キャスターは野田に

「この厳しい要求をのめますか」と問いかけたのだ。


揚げ句の果てには、「総理と谷垣総裁はケミストリー(相性)が合うと言っていました。

僕もそう思う」「1対1で人のいないところで会われたらどうか。

心の中で本当に話をすることは重要。

少なくとも私はうるさいことは言わない」「国難が続いているいま、大連立をしても

おかしくない」と、まるで野田の背中を押しているかのようだった。


昨年の首相就任以降、野田がNHKのこの番組に出演するのは3回目。

「気心が知れて、首相が答えたいことを質問するよう、

事前に打ち合わせているんじゃないか」(民主党関係者)という疑念すら湧く。

番組で大越キャスターはしきりに「政治取材が長いので」と言っていたが、

永田町にどっぷりつかりすぎて、

55年体制の談合政治がベストとでも思っているのだろうか。

政治評論家の森田実氏はこう言う。

「マスコミはこぞって消費増税に乗っかっていますが、国民の大半は増税に反対です。

民放ならまだしも、国民からの受信料に支えられているNHKのキャスターが

そういう発言をするとは、不見識です」

国民ではなく政府を向いてミスリードする公共放送なんていらない。