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少しくらい独裁的でなければ変革はできない

2009年10月15日 07時30分26秒 | Weblog
少しくらい独裁的でなければ変革はできない

タブーを破り、前原誠司国交相が、羽田のハブ空港化をあっさり口にしたのをテレビで見た国交省官僚が、うなったそうである。

「政権交代とはこういうものか」

前原は静かなる革命と言い、菅直人は明治維新以来の改革と位置づける。

明治維新は、大名がカネを出し、武士が起こした革命だが、その結果、大名の領地は取り上げられ、武士は全員、失業した。理不尽なことである。

しかし、武士の心を武士が顧みない荒療治で、日本は封建制から脱却し、国民国家となった。江戸期には、日本国の国民という意識はほとんど誰の頭にも存在しなかったはずだ。

明治維新、日露戦争後の軍国化、敗戦後の否応なしの改革を経て、幸運と勤勉によって日本人は繁栄のときを過ごしてきた。

そして今、明治維新以降三度目の大きな転換期を迎えている。国民は民主党に政権を与え、チェンジを選択した。

「どうして事前に話し合わないんだ」。新政権の打ち出す矢継ぎ早の転換策に、地元利害関係者は怒りの声を上げる。

成田空港をかかえる森田千葉県知事は激しい口調で前原を罵った。

「冗談じゃない。一度もこちらの話を聞かないであんな重い発言をするなんて、民主党らしくない」

しかし、話し合いをして、どうなるだろうか。平行線のまま時は過ぎ行く。いつまで経っても、国家的視点で航空行政は進められず、今までどおり足して二で割り、利害関係者だけが納得して、結果的には国民は置き去りにされる。

国のかたちを変えるということは、既得権に安住し依存してきた人々にとって、しばしば冷酷な仕打ちとなる。

成田闘争の歴史はある年齢以上の日本人なら知っていよう。住民や地方自治体関係者の苦労も並大抵ではなかっただろう。

その心を理解することは大切であり、国もなんらかの配慮があってしかるべきだと思う。

ただ、「国際線は成田、国内線は羽田」という原則は、羽田の新滑走路と国際線ターミナルビル建設によって、事実上、崩れている。

この計画は将来、羽田をハブ空港化するという国策のもとに練られたはずだ。その本音を、国交省官僚や従来の大臣たちは成田に気を使って包み隠してきただけだろう。

拡張余地がなく、使用時間の制限もある成田がハブ空港になれるわけもなく、昨日のブログでもふれたように関西空港も、大阪、神戸との関西三空港問題が重くのしかかる。

橋下知事も、森田知事も、地元の空港を繁栄させるのが仕事であり、前原発言への不快感を示すのはあたりまえだが、「羽田のハブ化」が、日本の空の利益を拡充するために最も現実的な方法であることはよく分かっているはずだ。

変革を期待される鳩山政権の、スピーディーな政策実行の手だてはやはり、多少独裁的ではあっても、宣言して突破するしかない。

これまでの政権のように官僚が根回しをして、あるていど利害関係者の了解を取りつけたうえで、大臣が乗り出し手打ちをするというのでは、なにごとも中途半端な改革に終わってしまう。

われわれ国民は、新政権に国の変革を期待するのなら、そのあたりをよく心得たうえで、メディアの報道と接する必要があるだろう。



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