生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

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「嫌われる勇気」より~トラウマなんて存在しない!?

2017-03-26 | 心理・占い

日常会話で最もよく使われる心理学用語は何だろう?
おそらく「トラウマ」ではないだろうかウマ

ところが、
「トラウマなんてモノは存在しない手(パー)
トラウマの存在自体を否定した過激な本がある。

今、大ベストセラーになってるぴかぴか(新しい)嫌われる勇気ぴかぴか(新しい)だ。

「嫌われる勇気」では、アドラー心理学を著者流にアレンジを加え、
非常にわかりやすく語られる。

これまで日本で主流だったのは、フロイトやユングの心理学。
たとえば「非行に走ってしまった」という事例では、
「家庭環境に恵まれなかった」などの原因があって
非行に走ったと考える(原因論)。

一方、アドラーの心理学では、
「家族や先生に注目されたい」、「社会に復讐したい」
という目的があり、
その目的を達成するために非行に走っている、と考えるのだ(目的論)。

過去なんて、なんの関係もない、
『今この瞬間の自分だけが、生き方を決める』という価値観だ。
ある意味、非常に厳しいといえる。

無意味に厳しいのは好きでないが、この厳しさは嫌いじゃない目がハート



それから「課題の分離」という考え方も、最高によい!指でOK
「課題」は誰の課題か?
それは、その課題によってもたらされる結末を
最終的に引き受けるのは誰か? と考えるのだ。

たとえば「宿題をやる」という課題。
宿題をやるかやらないか、
選択の結果を最終的に引き受けるのは、子どもである。
よって、これは子どもの課題。

アドラー心理学では、他人の課題に土足で踏み込むことを戒めている。
「宿題をやること」は、子どもの課題だから、
大人がどうこうできるものでは決してない。

もちろん放任しろというわけではない。
子どもに本人の課題であることを伝え、本人が課題を取り組もうとしたとき
いつでも援助の用意があることを伝える。

いわば、「馬を水辺に連れていくことはできるが、
水を飲むか飲まないかは、馬自身が決めること」だというのだ。


この考え方にも、甚く共感した。
私も生徒には過剰な干渉・束縛をしないよう、細心の注意を払っている。

全力で援助はするし、いつでも相談に乗る。
でも、最後の答えを出すのは「あなた」しかいないのだと……。

子どもや部下へのストーカー的な束縛・干渉をなくさない限り、
社会に「自由」はありえない。


その他にも、
・「他人の人生」ではなく「自分の人生」を生きよう
・本能や欲望の奴隷になってはいけない。
・他者からの目線を気にする生き方も、きわめて「自己中心的」だ
・「縦の人間関係」を排除し、「横の人間関係」を広げよう。
・他者を仲間とみなすか、敵とみなすかはあなた次第
・対人関係のカードは、常に「私」が握っている


印象に残ったところだけをつまみ食いして書いてみたが、
ぜひお勧めしたい一冊である本

アドラー心理学的アプローチは「劇薬」なので、
効く人にはズシッと効くはずです。

コメント
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