カフェウィステリアのワイドショー的アメリカ事

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米脱走兵、40年ぶりに家族と再会

2005年06月15日 | ワイドショー的アメリカごと
脱走兵のチャールズジェンキンス65歳はノースカロライナ州に住む91歳の母と再開した。ジェンキンスは「とても幸せだ」と姉の家で再会した後家の外に待ち構えていた50人近い報道陣に微笑みかけた。

彼の故郷であるリッチスクエアでは、当時25歳のジェンキンス陸曹は誘拐または連行されたと信じられていたが、本人は日本のアメリカ基地において脱走の事実を認め25日間服役した。彼はベトナム前線へ送られるのを恐れて北朝鮮へ逃げたと言い、それは間違っていたとしている。脱走の事実が明らかになって、彼の帰省を差し止めようという動きがあると言われたが、実際には事はすんなりとすすんだ。国旗制定記念日にちなんで街の中央には愛国心を象徴する星条旗がたくさんはためいてはいたが。

住人たちは事前にはジェンキンスの到着を知らされておらず、TVクルーをみてはじめて気がついたようだ。「過ぎ去ったことは過ぎ去ったことだ。罪を認めたのだからもういいだろう」と言う者もいたが、第二次大戦の元軍人という70歳の老人は、「入国を認めるべきではない。彼にアメリカの地を踏む権利はないだろう。自ら放棄したのだから。」と言い放った。

ベテランと呼ばれる退役軍人は、アメリカでは大きな影響力を持つ塊である。国のために戦った戦地経験者は、愛国心にあふれる誇り高きおじいちゃん達なのである。第二次大戦経験者が多く生存しており、リアルタイムでイラクで軍事行動を続けるアメリカにとって、ベトナム戦争で北爆が本格化した頃の南北朝鮮休戦ラインからの脱走は過去のものでもなんでもないのだろう。なんといっても事件の決着のためには50年前の墓でもあばく国である。こう考えれば、一連のジェンキンス氏をめぐる対応はアメリカとしては、日本との外交関係上、多いに原則を曲げ政治的に妥協したといえるでしょう。