させられました。。。
アコンカグア登山者はメディカルチェックを受けることを義務付けられていて、ベースキャンプにいる医者の診断をうけて下山を言い渡され、ヘリで登山口まで下ろされ数日前にメンドーサに帰ってきました。
標高4300mのベースキャンプで体調を崩してしまって、2日間耐えたのですが血中の酸素量も少なく医師から登山ストップを言い渡されました。
アコンカグア登山では、医師がストップをかける場合は珍しくなく、僕らが登山を始める前に下山させられた人に何人も会っていて、「残念ですね」とは言いつつも、自分が同じ境遇にならないといいなぁなんて思ってたんですが、まさに同じ状況になっちゃいました。
症状は風邪のようなもんだったんですけど、夕方になると激しい悪寒が襲ってきて、その後に発熱。
体温計は持ってなかったので、何度まで上がったかはわかりませんが、けっこう高熱でした。
性質の悪い風邪だとは思うんですが、あまりにもマラリアに症状が似てるので、ひょっとしたら僕の肝臓の中のマラリア原虫が活動してたのかもしれません。
下山後たまたま元S大学山岳部のGさんと会ったのでこの話をしたところ、標高の高いところではマラリアになりやすいとのこと。
標高4000mオーバーでマラリア、、、考えただけでもぞっとします。
ひどくならなくてよかった。ほっ。
4000m以上のところは今までに何度か経験があるだけに、甘くみてて症状が悪化したというところもあるかもしれません。
下山後もなかなか回復せず死んでました。。。
今シーズンのアコンカグアの天候は大荒れの様子。
1月の上旬までは天気も落ち着いていて問題なく、登頂者もかなりいたらしいのですが、1月の中旬から荒れ始め、3週間ほどは登頂者はまったくいなかったようです。
2月上旬に3日ほど晴天が続いたので、数人が登頂に成功したようですが、その後天気はまた荒れだしてます。
僕が下山させられた日の登山口には遺体を収容した袋があり、その傍らには泣き崩れる家族の姿がありました。
遠かったのではっきりとは見えませんでしたが、顔は凍傷のため黒く変色してしまったようでした
それもそのはず、1月下旬から2月はじめの天候は最悪でアコンカグアの上部の天気は大嵐、大雪だったようです。
僕らが入山した2月1日の山頂の夕方の気温はマイナス40度!
最終キャンプと考えてた5900m地点の夜の気温はマイナス35度以下!!
亡くなった人はおそらく天候の回復を待てずにチャレンジしたんでしょう。
今回の僕たちの装備はマイナス20~25度くらいまでを考えてたので、そんな気温のとこにいけばきっと凍傷にかかってたでしょうね。。。
夏にこんなに荒れることは今までなかった、とアコンカグアで働いてるガイドが言うほどの気候で、この悪天候の原因はどうやら日本の暖冬と同じエルニーニョ現象にあるようです。
メカニズムについては僕はよくわかりませんが、日本ではきっと、暖冬だ!エルニーニョだ!と騒いでるでしょうから、日本で冬を越してる人はエルニーニョ現象について詳しく知ってることでしょう。
異常気象は世界的規模で起こってますね。
地球の悲鳴を聞いているような気分です。
相棒Hは僕が下りてからもしばらく山にいましたが天候が回復しないし、僕がいなくなってテンションが下がってしまったようで、しばらくしたら無事下りてきました。
僕が最初誘っただけに、Hにはちょっと悪いことしたなぁと思ってます。
すまんHよ。。。
今回は「アコンカグアからよばれてない」というふうに理解しあきらめました。。。
学んだことも多いので、次回(あるのか??)に生かしたいです。
ううう、、、不完全燃焼。。。。。
アコンカグア