オベロン会ブログ

英米文学の研究会、オベロン会の専用ブログです。

2009年3月28日のオベロン会報告

2009-04-01 | のどぐろ
この日は、千葉康樹さんの
Edward Gibbon, The History of the Decline and Fall of the Roman Empire
についての精力的な発表でした。

ギボンは、1737年生まれで、1773年から『ローマ帝国衰亡史』の執筆を始め、
1776年に第一巻を刊行した後、1788年に最終刊の第六巻までを出しました。
今でこそあまり読む人はいませんが、これは当時かなり読まれたものでした。
現在、Penguin Classicsで三巻、三千頁あまりになる大著なので、
やはり読むとなると一大決心がいります。にもかかわらず、
千葉さんは、楽しげに原文やら訳文やらを読みまくり、それだけでなく、
塩野七生さんのローマ関係の書物も全巻読破されての上でのお話をなされ、
聴く者の耳を圧倒しまくっておりました。いやはや、凄い読書力!

ギボン評価をさらりと見た後、
いよいよ本筋の読みは、ギボンの文体の面白さでした。
とりわけ、ProcopiusのThe Secret Historyなどに関連して、
BelisariusとAntoninaの関係に関する文章などでは、
どうしたことか、かなり熱が入って大いに笑わせてくれました。
とにかく、どこをとっても、千葉さんの読みにかかると、
じつに興味深い話となります。いつもながら感心します。

こんなに優れていて、楽しくもあるようなお話なら、
もっと多くの方々に聴いてほしいナ、と思いました。

会が終わると、残念ながら、いつものレストランが満員だったので、
外へ出て、いつものそば屋へ直行。おいしいお酒で話が弾みました。
その後、コーヒーを飲みながら、さらに雑談は花を咲かせ続けました。

その後は、小生と千葉さんの二人だけとなりましたが、帰り際に、
たまたまある店の窓から店内のテレビ画面が見え、
ちょうどサッカーのバーレーン戦をやっていたので入ることにして、
またまたギネスなどのビールを楽しみました。
日本チームが勝ったこともあり、この夜は、
帰宅後も、心がとてもぬくくなっていました。有り難いことです。


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