四阿山/山スキー

2009年1月3日　四阿山

この年末年始は冬型の気圧配置が続いて、僕のレベルで単独で山に入るのは躊躇されました。
日本海側の山は年末からの積雪で雪崩が怖いので、雪が少なくて傾斜も緩い根子岳、四阿山あたりに行ってみることにしました。

1月2日。快晴の神奈川を出発。富士五湖めぐりをしながら山梨から野辺山経由で上田の近くまで。温泉に浸かってから車中泊とした。
明日は天気が悪ければ麓の街めぐり。別所温泉にでも浸かって帰るつもり。

1月3日。上田盆地の上空は晴れ。しかし四阿山も根子岳も風に流れる雲の中。
厚い雲の中は荒れていそうだし、登ったところで展望もない。
ひとまず根子岳の登山口となる峰の原スキー場へ行ってみるが、やはり行く先はガスの中。
1時間ほど車の中でゴロンとしていたが、回復の兆しもないので諦めてUターンする。

時間もまだ早いので四阿山の登山口あずまや高原ホテルに回ってみると…少しずつ雲が上がっている気配。
相変わらず雲の流れは速いが、こちらは一昨年に登ってコースも概ね分かるので、行けるところまでちょっと行ってみることにした。

9時27分。四阿山登山口スタート。
牧場までの笹道はギリギリ雪に埋まっていて、登山口からずっとシールで歩くことができる。
30分弱で牧場に到着する。


牧場に出たところで目の前に四阿山。朝よりも、かなり雲が上がってきた。
山頂は雲の中右手。


振り返ると北アルプス南部が見えていた。
写真に写るのは槍穂高連峰。

牧場の雪は僅か。草が見えているけどシールで歩くことに問題はない。
北側から吹き付ける冷たい風に頬がピリピリと痛い。
ふと、水を持ってくるのを忘れたことに気が付く。アターッ！
上は新雪が積もっているだろうから、雪でも舐めて凌げばいいか…
今日はなるべく汗はかかないように喉を乾かさないようにゆっくり登ろう…
10時27分。樹林帯に入ると風は弱まった。


10時44分。浅間山の雲も次第に切れてきた感じ。いいね。

標高1900mあたりまでは、樹林の中を黙々と上がるだけ。
そこから上部は潅木帯になって、雪は飛ばされてカリカリアイス。
早めにクトーを装着して登って行くと、単独行の方がアイゼンを装着していた。

そのままクトーで上がってゆくとさらに3名の先行者。
9合目で追いついたところで先を行かせていただく。
ここから四阿山までは稜線づたい。先には登山者はいないようで、ラッセルが始まった。
四阿山頂への鞍部でルートを外してしまって少し手こずる。
もとの稜線に戻って進んだ先に山頂が見えていた。


山頂への最後の登り。ラッセル楽しぃ。


12時30分。山頂に到着。
山頂は意外にも風が穏やか。
静かな祠の前に座り、今日の登頂のお礼と一年の安全をお祈りする。

ずっとラッセルしていただいた3名は愛知県の方。
登山2名と山スキー1名のチーム。
餡子餅やチョコレートをごちそうしていただきました。

12時56分。滑走開始。
シールの糊は塗り直し後初山行だったのでトラブルを心配していたけど、いい塩梅。


2009年最初のシュプール。

滑り出しの数秒間だけパウダー体感。
あとはカリカリアイスと笹薮の上の寡雪を下ってゆくだけ。
滑りは正直…楽しくない。


牧場に下ってくると、イノシシの群れがいた。
映画「ダンス・ウィズ・ウルブス」のバッファーローの群れのシーンを思い出したりして。

牧場下から登山口までは笹道の下りを無理やりスキーで滑って下りた。
かなりガリガリやってしまって、もう板の滑走面はガタガタです。

13時45分。登山口に無事下山。
展望はあまり効かず、雪も少ないコンディションでしたが、正月から山スキー気分を味わえて、まずまずの滑り初めでした。

その後…
翌日の天気が回復傾向なので御嶽でも行こうかと19号を木曽福島まで。
ところが、どうも少々お疲れ気味のようで、3,000mの高峰に上がる気力を失っていた。
心の底にドカッと居座って振り払うことが出来ない不安感を抱えたまま山に向いたくもない。
未練は大きいが、今回は「やり残し」のまま木曽路を去ることにした。
そこからさらに下道ドライブ。四日市で撃沈して家に着いた時は出発から10時間経過していた。
やっぱ下道はツライです。


GPSの軌跡を地図(※)に落としていて気付いたのですが、四阿山って火山だったんですね。きれいなカルデラ。

※地図はカシミール３Dで国土地理院「ウオッちず25000分の1」を利用して作成。