日本は、火山国であり地震国であり津波も来襲し、イタリアに比べると自然災害の大きさと、その災害の対策のために多くの財政支出があります。
そもそもこんなに大きな自然災害を抱える日本で、原発による発電を是とし、推進に向けて国家も企業も汗を流してきたのは、何故なんでしょう?
しかも福島第一の事故によって日本政府の隠蔽体質も世界的に暴露されてしまいました。
事故とその影響を小さく見せよう小さく見せようとする政府
事故から1年経過した今でさえ、基本的な姿勢は変わらないままですね。
ヨーロッパの主要国では、日本政府の隠蔽体質を指摘するニュースも多く、日本での報道とこちらの報道を見比べると、どちらが本当なんだろ?という疑問も生まれていましたが、事故から日数が経過して、事実関係が明らかになってくると、報道の信憑性は、日本よりも海外に軍配が上がりそうです。
さて、原発事故以降耳にすることが多くなった「自然再生エネルギー」を利用した発電
太陽光、波力、水力、風力、地熱等々が各方面で積極的に検討されています。
そんな世情を反映して環境省は、これまで認めてこなかった国立公園内での地熱利用のための掘削(垂直に穴を掘る)を認める方針を打ち出しました。
同省は全国の国立・国定公園内の6カ所でしか地熱開発を認めなかった昭和49年の通知を破棄し、新たな方針では、公園内で地熱開発する場合、開発業者が地元自治体や地域住民などと合意し、長期のモニタリングや情報開示などを条件に個別に検討した上で、垂直掘りを容認することになるそうです。
平成22年度の環境省による調査では、地熱の埋蔵量は原発20基分に当たる約2400万キロワットと見積もっていて、アメリカ、インドネシアに次ぐ世界第3位の地熱資源を持ち、その約8割は国立・国定公園下に眠っているといわれています。
ちょっとだけ国定公園についておさらい
国定公園(こくていこうえん)とは、日本において国立公園に準じる景勝地として自然公園法に基づいて環境大臣が指定した公園。
国立公園が国の直接管理なのに対し、国定公園は都道府県が管理する。
そして、国定公園は、同法によって第1種から第3種までの区別があり、今回は、この第3種特別地域に関しての規制緩和ということになります。
世界的な地熱利用を火山数から見てみましょう
火山数が最も多いのがアメリカの160、次いでインドネシアの146、3位が日本で119です
電力供給に占める地熱の利用は、アメリカが28%、フィリピン17%、インドネシア11%、次いでメキシコ、イタリア(なんと!イタリアもだ!)ニュージーランド、アイスランド、日本の順番で、日本の利用率は、たった0.5%
2位フィリピンは、火山数が47で日本の1/4ですが利用比率は、日本の約30倍もあります。
これだけ有数の地熱国なのに、これまで利用ができなかったのか?
1 先に触れた自然公園法による規制があった
2 初期投資が比較的大きい
3 原発のライバルとなる要素が大きかった
4 地熱利用による温泉枯渇の疑問
このうち3については、地熱は発電を開始すると、太陽光、風力と異なりベースロードを賄うのに理想的な熱源であるため(夜だろうが昼だろうが、風があろうがなかろうが四六時中エネルギーが利用可能)地熱促進=原発の反体制派という見方があったとされます。
また国家予算も原発関連の3千数百億円の約1/100しかありませんでしたし、開発事業者に対する国庫補助も実質はゼロでした。
ってことは、やっぱり政府が「がっつら!」規制でがんじがらめにして人の目に触れないようにしてきたと推測できますね。
仮に地熱発電に利用可能なエネルギー量が全埋蔵量の2割だとしても、原発4基分の発電量に相当しますから、これはとてつもなく大きなエネルギー源と言えましょう。
実は日本は、地熱エネルギー利用先進国へ技術や製品輸出もしていて、三菱(重工)と富士電機がシェアをほぼ独占しています。
4については、地熱用井戸の深さが約2,000m前後と温泉の泉源の深さとは著しく異なりますが、今後早急に双方の関連性が議論されて行くことになるでしょう。
自然や地球からエネルギーの一部を無理のない範囲で分けてもらって利用することが最終的には自然にも人にも優しい発電方法となるのでしょうね。
ちなみに発電コストの試算では
原発 8.9~9.5円
地熱 9.2~11.8円
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それにしてもあなたはよく勉強しておられるし写真・イラスト全てに素晴らしいブログです。イタリアで何のお仕事なのか、興味があります。
本来わたくしの仕事は、都市計画のコンサルティングと国際不動産取引の支援が主な仕事です。
時々関係ないお仕事も食うためにやってはいます。