今回はドゥカティの新型バイク ディアベルをテストさせて頂きましたので書きたいと思います。ディアベル(Diavel)の意味は悪魔です
このバイクはリヤに240のワイドタイヤを履き、見た感じはスポーツバイクと言うよりは、クルーザーやドラッカーと言った外観をしています。
ニーズの高い所(VMAX.VRODの速いクルーザー)に商品を投下すると言う普通の流れにドゥカティが乗って、あるものを上手く活かして作ったバイクだと思います。
その一例として、ディアベルのエンジンは新設計ではなく、新型ムルティストラーダ同様、開発にコストがかかる割に台数が出ない、スーパースポーツ1198シリーズの水冷Lツインエンジンを流用して搭載されています。
ただ、コスト的には良く、ディアベルオーナーにとって、「スーパースポーツのエンジン」と言えばありがたいですが、1198の方からすれば、専用エンジンでは無くなると言う事は「所有感にマイナスに働く」と初瀬川は思うのでちょっとその辺のブランディングの面で心配です。
逆にそんな1198のエンジン搭載である事が初瀬川的には「今回のディアベルはムルティストラーダ同様にいい車両なんだろうな」と言う予見が乗る前からあり、とても楽しみにしていました。
ディアベルを前に、走り出したい気持ちを押さえて、各部の操作をチェックすると、電子制御の操作がムルティストラーダより効率化されて、さらに簡単に覚えられるようになってると感じられました。
今回、乗り味を電子制御で選べるモードはスポーツ、ツーリング、アーバンの3モードがあり、最初は出力が下げられているアーバンモードとからテストを開始。
タイヤを温める間、アクセルをブリッピングするとエンジンの回転は鋭く吹け上がり、間違いなく1198シリーズの水冷が股下にある事を主張してきます。
エンジンの温まりと共にアクセルをワイドオープンすると、ディアベルは鋭く加速して行きます。車重も207キロで出力が日本仕様は120馬力辺りなので、アーバンモード(100馬力前後)でもリッターネイキッドよりも鋭く加速します。
アーバンでのアクセル反応も良いので、ツーリングモードを飛ばして一気にスポーツモードのテストに切り替え再加速。
明らかにアーバンモードよりも粗く出力が発生されているのを感じながら加速。
加速に身体が置いていかれれば、簡単にフロントが上がる力を感じたので、とりあえず加速に身体を任せて加速するとフロントが上がりあっさりウィリー走行になりました。(207キロで100馬力前後の出力なら当然ですね^^)
しかし、ウィリーは本題ではないので、緩やかにフロントを着地させて、本題のコーナリングテストを開始。
コーナリングテストを始めるとディアベルは乗る前の予想通りに、普通にコーナーに対して曲がり始め、平然と旋回を完了させました。
曲がらないなんて印象は全くありません。
反対に、もし幅広タイヤは曲がり辛いとか、クルーザースタイルは曲がらないなどの思い込みがある人が、エイヤと曲げようとすると、恐ろしく曲がると感じるかもしれません。
そもそもタイヤが幅広である事やクルーザーである事はそれ単体で曲がらない理由にはならないのですが、幅広タイヤやクルーザー系のカスタムを施す人は、タイヤを太くしたり、車高を低くしたりする場合、トータルバランスを考えず、この手のカスタムは一部にしかカスタムされていないので、走行に問題を起こす状態の車両が巷に溢れてしまっています。
その走行性能の悪い車両の影響が世に広まり、乗り辛いや曲がらないなどのイメージを産んでいるのだと思います。
メーカーが考えた、このディアベルはエンジンこそ流用ですが、専用のボディ、専用のスイングアーム、容量の確保されたサスペンションなどのバランスで240のワイドタイヤを履くクルーザーを曲がる車両に仕上げているので「曲がる」のは当然の結果なのだと思います。
(変に足つきを追求してローダウンしたネイキッドやSSなどよりも曲がります。)
ただコーナリングマシンとかではありませんので、ワインディングロードがとても好きな人にはお勧めできません。ツーリング中に通過する程度の人には最適だと思います。
またディアベルは、東京23区内で気軽な足として乗るのに最適とは言えませんが、充分街使いが出来るバランスが良いバイクだと思いますので、ディアベルで街中使いと言うのもありだと思います。