初瀬川王国

初瀬川による直樹的な生き方の表現の場

インジェクションとキャブ バイクに求めるもの 

2010年11月23日 14時45分12秒 | バイク
バイクの世界では、コンピューターの指示によって燃料が噴射される「インジェクション」と
コンピューターではなく、負圧量をジェットであらかじめセットして燃料を送る「キャブ(キャブレター)」があります。

インジェクションは始動性能、燃費性能、全天候性能(天候、気圧に基本左右されない)などの点で圧倒的に優位で、当然キャブより新しい技術です。
しかし、まだ導入から時間がわずかであることと環境の変化で後で下に書く様な理由からキャブは重宝されます。

車の世界では20年以上前から当たり前の技術ですので、一般的な車好きの方で「キャブかインジェクション?」かなどの議論を聞くことはまずありませんが、
バイクの世界では、かなりホットな話題であり、いろいろなところで議論されています。

この話が話題に上がると、ベテランバイカーやバイク好きと言われるバイク乗り全体の割合で、「やっぱりキャブ」と言う意見を持つ人が多々見受けられます。

しかし、ベテランやバイク好きの人が勧めるからと言って必ずしも万人にキャブが良いわけではありません。

というのも、バイクは「生活から切り離されたところに位置する趣味」としてのものと、「通勤通学の足などの生活必需品」としてのものが存在しますが、

ベテランやバイク好きは、生活必需品としてのバイクより、趣味としてのバイクという位置付けの人が多いからです。

初瀬川がいつも思うのは、「乗って自分なりに感じて欲しい」ということと「自分の用途に合わせて欲しい」と言うことです。


初瀬川が考えるキャブ車のメリットは、
・高価なセッティング部品を購入しなくても、個人でいじくることができるということ。
・アナログ制御なので乗り味が人間の感性にに近いこと。
・バイク屋さんに多くのノウハウがあること。
・部品が多数あり、選択の自由があること。

初瀬川が一番のメリットと思っているのは、二番目のアナログであることです。
インジェクションでもコンピューターのマップを変更すれば、理論上同じにできますが、
キャブは結果として「あるパワーカーブ」になるのに対し、インジェクションは意図して「そのパワーカーブ」にできるということ。
偶然生まれたものと、作ったものとの違いは大きく感じています。

インジェクション車のメリットは、
・始動性能
・燃費性能
・全天候性能(天候、気圧に基本左右されない)
・戦域のパワーコントロールが可能
(出足が悪いとか、リニアでないとかいうのは所有車両のコンピューター演算が遅いだけなので、社外の高性能CPUに変えることで解消されます)

やはり、速く走りたいものとしてのメリットは最後の全域パワーコントロールです。
キャブ車で100馬力を超える出力が与えられた場合「どこで100馬力を出すか」によって燃料供給のピークをひとつ設定することになります。
その結果、ピーク以外の低回転、中回転、高回転が決まるのですが、インジェクションは、その全てに異なる燃料噴射を行えるので下から上までのセットが可能です。
全域コントロールが可能なため、200馬力に達する市販車の高性能車両などの場合、コーナリングの立ち上がりの扱いづらい低回転域を抑えながら、中回転から高回転までを綺麗に繋げるなどもセッティングで行います。

この全域コントロールができることから、少ない燃料噴射でアイドリングを行い、実用回転域で多めに燃料を噴射するという方法で環境対応に欠かせないものとして使われています。

当然キャブ車とインジェクション車のノーマルを比べると、
「吸入空気量」は絞られ、「排気性能」もつめられているため、遅いため、マイナスのイメージを持たれることが多いと思いますが、環境規制を度外視すればインジェクションは
とんでもない走行性能を発揮します。
キャブ車で現在の環境規制にあわせた場合、比べようにもキャブ車では、走行もできない場合もあるほどです。

車で当たり前のインジェクションが、バイクの世界でインジェクション化が遅れたのはなぜだと思いますか?
理由は多々あります。
・インジェクション化にはコンピューターとセンサー類を搭載することになるため、バイクには搭載位置と使用環境の問題から「小型化」「耐震」「防水」が必要となり、車に比べてインジェクション化には多大なコストがかかること
・バイクは車両価格が低いため、インジェクション化を規制関係なしに導入すると、車両価格に反映させるとかなりの値上げになること
・現在以上にインジェクション車両を整備できるバイク屋さんが無かったこと。
などがあげられます。

初瀬川は、「速さ」と「利便性」を求めるなら「インジェクション」
「乗り味」を求めるなら「キャブ」だと思っています。
そのため、バイクに求めるものによって、キャブ車とインジェクション車を使い分けています。

インジェクションに関しては、バイク専門誌の解説でも間違って説明されていて、なかなか正確な情報が手に入りづらいと思います。
そんな時は、意識を変えて、車のコンピューターを扱っているお店に行ってみるといいかもしれません。


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