21世紀新訳・仏教経典(抄)

西川隆範編訳・桝田英伸監修

この世の由来-世記経  ~神々との戦い その3

2013-05-19 21:01:27 | 経典
この〈阿修羅たち〉の様子を察知して
〈ナンダ龍王(ナンダ・幸せ)〉と
〈バツナンダ龍王(バッダーナンダ・喜びに満ちた)〉は
須弥山を七重に取り囲んでとぐろを巻き、締め上げた。

山々もその間の谷も
大きく揺れ、軋んで悲鳴を上げる。

この軋みによって
“かすかな雲”がどこまでも広がり、
“うっすらとした細かな雨”を降らせる。

また
〈龍王たち〉はその尾で大海原を打ち付け
“海水の波頭”は大きく噴き上がって
須弥山の山頂まで至った。

この時
〈須弥山頂にある忉利天〉の神々は
心中でこのように思ったのだった。

『“うす雲”がどこまでも広がり
“ごくかすかな雨”が降りしきっている。
さらには
あの“海水の波しぶき”が
ここ須弥山の頂上までも届いて来た。

これぞまさに
〈阿修羅どもとの戦いの時〉が来たのだ。

これらの不思議が
それを示しているのだ』と。


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