まだまだ捨てたもんじゃない

しばらくぶりの徹夜明けである。

昨日はインフル禍でその予定が大幅短縮された全国大会があった。

それ自体は表彰式のみになってしまったのでどうということもないが
その全国大会を目指して全国から集まってくる指導者の方々がいる。

ことしの全国大会は私の地元都市であったこともありずいぶん前から
ソレをネタにして集まりましょうね、という話が一部指導者でなされていた。

だが、指導者の集いも悪くはないが活動の本来の主役であるスカウトたちが
意味深く集う機会ができなものか、と思っていた。
場所の問題もあるし誰がくるか、何をするか、考えれば決めたなくてはならない
ことばかり。

そうしたなかで盟友たる指導者の隊の富士OBが進学、就職を機会に首都圏に
在住しているのだがそのスカウトたちがあつまる、という案を聞いた。
そしてその隊指導者からそのための場所をなんとか都合つけられないか、という
申し出をいただいた。
ならばうちのスカウトも参加させていただき、名目上うちのVS隊集会とそこへの
ゲスト、という体裁でうちの団本部をご用意することにした。

その話を核にこれまで縁のあった富士スカウトたちが参加したい、という
話が何件か舞い込み、さらには是非その場に居合わせたい、という指導者からの
申し出をいただいた。


そうした経緯を経て昨晩、うちの団本部にVS・RSスカウト１１名、指導者１０が
集まった。
実に１０県連、１３個団からはせ参じてくれた。

夜１９：００、当隊議長スカウトの司会でセレモニーがスタート。

国旗儀礼、ソング、ゲスト隊長の訓話、そして全員でちかいとおきての唱和、
さらにうちの隊スカウトのみのVS憲章の唱和と続く。
当たり前といえばまことに当たり前。
だが、最近のユース部門ではなかなか見られないきびきびとしたハリのある
声が響くセレモニーだ。

それを見るだけでもわかるものにはこの集いが意味あるものであったことが
理解できる。　これからどのような集いになるのかが予感できる。

簡単な自己紹介のあとちかくのファミレスで夕食をとってから集会を再開する。

特になにかを決める訳ではない。
特になにかについて話し合う訳でもない。
だが誰かが振ったお題に皆が考えやら思いやらを分かち合う。
時間の経過とともにどんどん本音が飛びかう。
活動の話もある、彼女の話ある、活動エピソードもある、指導者からの
実生活、実社会に向けてのアドバイスもある。

活動エリアもその背景も経験も異なるスカウトや指導者が集ったのに
「スカウト」という共通言語だけを頼りに「初対面」とは思えない
交歓がどんどん深まる。

この場にあつまったスカウト、指導者に共通することはただひとつ。
「本気で活動している」ことだけだろう。

だが同時にそれさえあったらわれわれは地区も地域も世代も簡単に超えることが
できる。


参加スカウトはうちの富士を目指して活動中のVS３名を別にすれば
その所属こそVSだったりRSだったりだがその大半が富士スカウトである。
集った指導者も富士OBだったり富士輩出した指導者だったり富士を目指して
指導を続けている指導者だったり、そしてその大半はギルウェリアンであった。


この活動を見渡しても、手前味噌だがこれだけの陣容がなんの公式のシキリ
もなく手弁当で一同に会して本音で話しをする機会などそうはない。

本当に貴重な一晩を過ごした。


この集いの成果をそれぞれのスカウト、指導者が自身の、そして自隊の活動
に生かしてくれることと思う。



今回の集いはあえてこのブログでも事前告知はしなかった。


不遜な言い方かもしれないが、情報そのものはネット上で有意の指導者たち
の会話の俎上には乗っていたから、本当にそれを望んでいた方はご自身から
アプローチすることはできたはずである。
スカウトについても同様でスカウト自身が話しを聞きつけて伝を手繰って
志願してきたり、指導者がどうしても「このスカウト」に機会を与えたい、と
考えてアプローチしてきた。

もちろん場所の制約もある。
だが、自ら機会を作り出す意思をもち、なによりもスカウト（指導者）として
の向上心、自発行動を日々の活動を通して体言していることがその前提条件と
なる。

きっと次の機会もあるだろう。
だが、今回がそうであったとおり「主催者」はいない。
あえて言えば参加を希望するひとりひとりが自分がなにを持ち寄れるか、
なにを伝えたいかを持ち、ある種の「主催者」としての意識をもってもらう
ことが参加の条件になることと思う。



いろいろと謂われる２１世紀のボースカウト。
だが、まだまだ捨てたものではない。