BS・・もとい! VS隊長な日々

ただの保護者だったのにいつの間にやらBS隊長3年を経てとうとうVS隊長。
愚痴や独り言が満載

ボーイスカウトは楽しい

2009-06-01 16:26:46 | VS活動レポート
今回の集い(以後、『裏全国』と記す)について私はうちのスカウトたちに
詳細を伝えておかなかった。
伝えたくとも来るメンバーも不確定要素が多かったし、特に決議をするような
ネタの設定もなかったから伝えようもなかった、というのが理由の一つ。

事前に私がうちのスカウトに伝えておいたことは
1. ibcjap1隊から富士OBが数名来る。
2. 他にも数名の富士スカウトが他県からやってくる可能性がある。
3. 特に会議の議題は定めずに自由討論を期待する。

ということだけだった。
うちの議長からは何度かアバウト過ぎる、何も詳細が分からない、とクレームが
出ていたのだが私にはある思惑もあり適当にはぐらかしていた。


その上、隊長の私はスカウトの集合時間の16:00には表全国の会場に
赴いており団ルームに到着することはできない。

やってきたスカウトと戸惑うことなく交歓し自分たちでテーマを見つけて
議論を始めてほしい、というのが私の思惑だった。


・・・はたして、16:00当時は馴染みのibcjap1隊の先輩スカウトがやってきて
いたのでそれなりに歓談もできていたのだろう。
そのあと徐々に顔も見たことのない他県のスカウトや指導者が訪れるに及んで
なにをどうしていいか、不安になってきたようで半ばクレーム、なかばSOSの
電話が私の携帯にはいった。

私の思惑を伝えていなかったのだから仕方がないといえば仕方がない。
一応は私の不手際、ということにして私たちが到着するまで自分たちなりに
会話や歓談をしておくように指示して駅に急いだ。
ところがタイミングの悪いことに電車が人身事故で不通になってしまった。
振替路線を乗り継いで時間を大きく遅れて団ルームに到着した。

どんな様子か多少心配はしていたが私が一歩団ルームに踏み入れるとその場に
居合わせたスカウト全員が起立し敬礼で出迎えてくれたのでどうやら一通りの
歓談はできていたのだろう。
(この敬礼で目上の人間を迎えるのはibcjap1隊から2年前に学びそれ以来
 うちの習慣にしている。)
私につづけて入室したibcjap1隊長はじめ他の指導者にも同様の出迎えがあった。

いちおう、私のほうから初めに段取りの不手際を詫びて、だがスカウトである
以上そうしたことにひるまずきちんと交歓してほしい旨を伝えて、早速開式儀礼
を指示した。

司会はうちの議長。
国旗儀礼、連盟歌斉唱、隊長の話(ibcjap1隊長にお願いした)、そして
全員でちかいとおきての唱和、さらにうちのスカウトのみによってうちのVS憲章
の唱和でセレモニーを終了した。

このセレモニーが終わったところで近畿から来た富士取得の女子スカウトの表情が
気になった。
なにかとてもショックを受けたように見受けられた。
案の定、続く自己紹介で神妙な顔で意を決したように「自分はマダマダです。」
と告白するような口調で話した。

私はその様子、表情を見てこのスカウトが大きなショックを受けたことに気づいた。

そのショックは気付きにつながり、その気付きは自覚と責任を導く。
自覚と責任を正面から受け止めればおのずと行動が変わってくる。

話がそれるが、この日の表全国の場である指導者が
「スカウトが変わるには長い時間が必要」という話をされた。
私は僭越ながら、それはすこし違うと思う、と話をさせていただいた。

スカウト年代ならば本人が心のそこから「自分はこうなりたい、こうしたい」
あるいは自分の使命や責任に気付いたら次の一瞬で変わると思っている。
実際にうちのスカウトが一瞬にして変わる瞬間を一度ならず目の当たりにして
来たのでこれは確信となっている。

だから、指導者の役目は教えることなんかではなくそうした大きな気付きを
得る機会、出会い、といったチャンスをできるだけたくさん目の前に提示して
やることだし、イザ、動き出そうとしたスカウトの前に不勉強、無理解な
指導者が横槍をいれそうになったときに盾になってやることだと思っている。

現にこの近畿からの女子スカウトはその気付きをこのセレモニーで得たのだ。

あとで、このスカウトを駅まで送った原隊の隊長が確かにこのスカウトが
大きな気付きを得て、後輩やら自団に自分ができることを真剣に考えはじめて
いたことを聞いた。


話を戻そう。


セレモニーが終わり簡単な自己紹介をしてからまずは腹ごしらえと、近くの
ファミレスに出かけた。

実は私はうちのスカウトには夕食を隊で負担するから、といくばくかのお金を
議長に預けておいた。
ところが食事から帰ってくるとうちの議長が私に、
「預かっていたお金は来てくれた全員で使わせてほしい」と申し出た。
みんなのいるところで、「いや、それはうちの隊の分だ」などと言えるはずもない。
そしてそれよりもうちの議長が自分たちだけでいい思いをするのではなく来てくれた
皆で分け合いたいと申し出たことのほうがうれしかった。
早くもスカウトの連携は実を結び始めている。

間髪をいれずにスカウト全員が「ありがとうございます!!!」と大きな声。
まことに気持ちがいい。


それからは指導者がちょっとしたネタを振って皆が自分の考えや意見、疑問を
述べながら熱い談義が進行した。
ありがたいことに来てくれた富士スカウトたちが一様に富士を目指している
うちのスカウトを気にかけ、アドバイスや励ましをくれる。

途中、ibcjap1隊長おとくいのお色気話やらさらにキョーレツな艶笑話も
炸裂したが笑いの合間にもRSたちへのはなむけや励ましが詰まっている。


夜もふけたころ一人の指導者が一人のRSをつれてやってきた。
私の飲み仲間の指導者とその団のいちおしのがんばるRSだ。
じつはこのRSは富士を取っていない。 (ナツキ、記事にしてごめんな、でも
書かずにはいられない、カンベンしてくれ)
この日やってきてくれたスカウトのなかではうちのVSを別にすればただ一人
富士ではなかった。

そして彼は宴も佳境を越えたころに皆に話を始めた。

彼はVS当時は単純に野外活動ばかりに注力した。
進級はあまり眼中になく、RSに進んでからもしばらくは退団することばかりを
考えていたそうだ。 だが、1年半かけて引きとめ、励ましてくれた指導者の
おかげもあって活動に気持ちを向けてみた。
それからは本当に熱心に活動し、自分に挑戦し、自分の壁を超え、後輩の指導に
力を注ぎ、そしてなによりも社会人として懸命に生きている。 どこに出しても
恥ずかしくないスカウトだ。

だが、彼は富士を取れなかった。
そしてRSに富士はない。
時を戻してVSをやり直すことはできない。

ある指導者がうちのVSに声をかけてくれた。
「富士を取れるのは今しかないぞ、全力でいけ!」

ナツキは誰よりもそのことをわかっている。
もしRSにも富士があれば彼は間違いなく取得できているだろう。
だが、時は戻らない。
そのことを痛切に感じているからこそナツキは全力で後輩の指導に力を注ぐ。


この晩、スカウトたちの口からでた言葉はどれも重かった。
スカウトたちの本音と希望と決意が込められていた。

この晩、指導者たちの口からでた言葉はどれも温かかった。
心のそこからスカウトたちの成功を、人生での成功を願って正面からむかっての
言葉だった。


すばらしいスカウト、指導者が集った。



隊長として、この日集まってくれたスカウト諸君、指導者の皆さんに
本当にお礼をお伝えしたい。

VSのうちに、富士を目指してる最中にこれだけの人たちからの思いをいただけたこと。
こうした先輩たちを全国に持つことができたこと。
本当にうちのVSは恵まれている。


一夜あけて今日、うちの議長が私に報告してきた。
この日にやってきてくれたスカウトの何人もがメールでメッセージを送ってきて
くれていた。

ありがとう。
ほんとうにありがとう。


必ずうちの連中も皆からいただいた思いを糧にするはずだし、さらに後輩や
別のスカウトにも伝えていくはずである。



ボーイスカウト・・・・・本当にすばらしい活動だと思う。

その最前線に実を置くことができていることに感謝する。


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4 コメント

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私なんて (ぬまた)
2009-06-01 22:05:40
初級章で終わりましたから。ということは、ちょっと恥ずかしくて言えませんでしたが・・・。

彼はいま、ボーイスカウトを一生懸命やりたいという気持ちにあふれているんだと思います。

そのあたりは、私もほとんど幽霊スカウトだったのに、大学生になったら同期の仲間たちと一緒にやろうと思っていたこと、また社会人になってからすぐ止めちゃったけど、いままた、もうちょっとがんばってみようと思ってる私の心境と、似てるんじゃないかな、とも感じています。

みんな経験も能力も環境もスタートラインも違うけど、こうやって「仲間」になれる、いいかえれば、自分はひとりではない、と思えるところが、魅力なんだとも思いました。
雰囲気がいいね (もぐ)
2009-06-01 22:44:06
自分は まだまだ部外者だけど 「仲間」だよ・・って言うよf(^^)

きっと・・というか  話題がわからないと思うもん
スカウトの鏡 (tommy)
2009-06-02 09:10:56
kurosan
久しぶりです。さすがにすばらしいスカウト達ちですね。うらやましいです。このようなスカウトになるのはそれを支援してきた指導者の力だと思います。(家庭、学校等もありますが)
上の文章にもありましたがBS位になると無理解の大人が横槍を入れるケースがあります。いかに盾になるか、良く分かるような気がします。ここが大切だと思います。
せっかくの動きを止めないで、失敗から学ぶ事もあります。
話は変わりますが全国大会でお会いしたかったでした。私は30日受付で奉仕でした。31日はフリーで見て周りました、それとスカウトショップの手伝いでした。

Unknown (bskurosan)
2009-06-04 12:29:05
>ぬまたさん
キャンプ下見のあとそのままおいでいただいてありがとうございました。
ぬまたさんがお帰りになったあともみんなはスイッチ入りっぱなしでした。

>もぐさん
大丈夫、本気で活動している人ならだいたい理解できる話題ばかりだよ。
部門の違いはあるけど目指す最終形がちがうわけじゃないから。
来年は静岡だって? こっちからも、そっちからも「隣」だね。

>tommyさん
御無沙汰っす。
楽しかったです。 本当に一睡もせずに一気に朝まで。
熱かったし、暖かかったし。
マジもエロも全開でね。
10人の気合のはいったVS,RSと曲者オヤジ達(おっと妙齢の女性指導者もいらしたけど)11人のセレモニーは気持のいいものでした。

やはりビシッとしたセレモニーは絶好のスカウトスイッチですね。

表の会場でお会いできなかったのは残念でしたね。
是非、どこかで。