Strange Daze

映画、洋楽、JAZZがなにより好き!
そして最近メタボ対策でちょっぴりカラダ動かしてます(笑)。

暗い日曜日

2005-07-10 00:17:07 | Cinema
1930年代末、ブダペストに一軒のレストランがオープンした。レストランを支えるのは、オーナのラズロと彼の若く美しい恋人イロナ。あるとき、二人は名も無きピアノ弾きアラディ・アンドラーシュを店に雇い入れる。やがて、イロナとアラディはやがて惹かれ合うようになるが、三人が選んだのは、決別ではなく、愛の共有だった。イロナの誕生日、アラディはプレゼントの代わりに自作の曲“暗い日曜日”を捧げる。危ういほどに美しい旋律を持つその曲は、ラズロの力添えでレコード化され世界中で大ヒットを遂げるが、レコードを聴きながら自殺するものが後を絶たず、「自殺の聖歌」という烙印を押される。一方、レストランにはかつての常連客がナチス将校となって現れる。激動の時代、歌の背負った宿命に導かれ、運命を翻弄されていく男女。ナチスの足音が忍び寄る中、死を呼ぶ旋律は、『真実』までも葬りさろうとしていた…。

シャンソンの名曲として有名な 「暗い日曜日(Gloomy Sunday)」は、自殺の聖歌としても有名です。きっかけは、1930年代、ブタペストで起きた複数の自殺が、この歌と結び付けられたことからです。その他にも、NYやローマなど世界各国でこの歌と結びつけざるを得ないような自殺が相次ぎました。そして、この曲を作曲した レジョー・セレッシュも1968年に投身自殺しているそうなのです。
数々の伝説を生み、今も尚多くの謎を残す”暗い日曜日”。この作品はその曲の誕生に隠された、激しくも切ない愛の物語を描いた作品なのです。

第二次大戦前夜のブタペストがこの物語の舞台で、レストラン経営者とその恋人、そして店の無名のピアニストの3人は、愛を共有し合う関係を保っていましたが、ピアニストが ”暗い日曜日” を作曲したことから、運命の歯車が狂い始めて行く・・・・といった内容で、本国ドイツでは大ヒットし、韓国やニュージーランドでも半年以上のロングラン上映を記録しました。

「絶望」と「不条理」・・。この物語は全編にわたって「絶望」「不条理」が描かれます。三角関係に悩む恋人達、自らの意思にかかわらず時代の流れに押しつぶされる生活、そして死・・・・・・。なんとも重苦しいテーマなのでしょう。しかし、ラストでは、その雰囲気を振り払うような結末が!最後はどうなるかと思ったのですが、観終わって気持ちが救われました。 ”死の賛歌” という、どん底のようなテーマが、最後では ”死” を越えた生命力へのメロディに変っていました。 この作品、観て良かったと思います。 しかしながら、エンディングで流れる ”暗い日曜日” のなんと哀しげなことか・・。曲が終わって無音になってもまだレコード針が溝を擦る音が永遠に続いてゆくようでした。

■「暗い日曜日」関連映像
Gloomy Sunday - Trailer


Gloomy Sunday -Original, Hungarian Version


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【暗い日曜日 (GLOOMY SUNDAY)】
監督/ ロルフ・シュベール 
出演/ エリカ・マロジャーン ステファノ・ディオジ ヨアヒム・クロール
1999年ドイツ・ハンガリー作品


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