写真は、鹿児島県日置市吹上町。見見楽楽~九州ぶらり放浪記~ の2010.08.11付け記事からお借りしました。
【きっかけ】
昨日8月11日 20:00~22:00
BSフジのPRIME NEWS
を聞きました。
ゲストは、2人のエコノミストです。
水野和夫さんは、このブログでも以前紹介したことがありますが、経済の動向を何世紀にもわたる長期的な趨勢を踏まえて分析する広い視野をお持ちです。
第1784号2008.11.01
もう1人のゲスト藻谷浩介さんは、最近「デフレの正体」という新書を出して注目されています。
その読後感3点
コンパクトシティ
では、2005年に審議会で説明の際に使われたもので少し統計が古いのですが、人口変動の大きな波から経済動向をみる視点を提供しています。
【要点】
2時間にわたるプレゼン・討議・質疑応答です。
ふだん長い時間帯なので通して聞くことは少ないのですが、昨日は全部聞きました。
要点は、冒頭のビデオ映像にもありますが、私の印象に残った要点です。
1 関東圏(東京都+神奈川・埼玉・千葉)の人口は増加しているが、その年齢構成をみると最近の人口増加は65歳以上の人口増によっている。(団塊の世代)
65歳以下の人口はむしろ減少している。
2 昨日の議論の主眼は、「デフレ経済の主因は人口の高齢化にある」という話ですが、私は、「介護問題の地域性」という視点でみていました。→後記
3 いま日本経済に起きていることは、欧米でも起きつつある経済の大変動である。近代社会の特徴は「膨張」であったが、その基本パターンが終わりつつある。一番わかりやすいのは石油資源の枯渇だ。近代以前、例えば、中世は横ばいの経済だった。
4 現在の日本では上層の企業の業績が回復しつつあると報じられているが、内需が拡大しないのはより構造的な要因がある。
・ 日本では、相当額の石油代金を海外に払っている。
・ 企業業績が好調ということで株主配当へも相当額支払っている。(そのかなりの部分は海外の株主)
・ この2つが企業の人件費を圧迫している。これに対して、企業は、
団塊の世代の退職による人件費コストの減少
非正規職員の使用による人件費コストの削減
という方向で対応している。
5 今後の対応(長期的には)
・ 近代という枠組みが限界に来ている:従来の認識を転換する
・ 財政の構造的な改革をする(いまはその年の税収に見あう額を国際の利払いと地方交付税にあてると無くなってしまう。その結果、普通の経費に見合う収入はすべて国債に依存している)
・ 東アジア共同体の中で経済活動を維持する。(あと20年程度は、これから成長するアジアの国への輸出でまかなう)
6 当面のデフレ対策
・ 高齢者(富裕層)から若い世代への所得移転
・ 女性の就業を増す
・ 外国人観光客の受け入れ
【高齢者問題は大都市問題:私の意見】
日本の高齢者問題の中心課題は、
「圧倒的な量の関東圏の高齢者数に対する対応」
につきると思います。
冷たい言い方だと、団塊の世代に典型的に見られる東京へ行って働くという人々が高齢になっていく社会ですね。その時代のツケを払っていく必要があって、元に戻ることはできない。(多くの高齢者を今から地方で暮らしてもらう方法は現実的にはない)
鹿児島に住んで4年。
鹿児島(つまり日本の地方都市)における高齢者問題もそれなりに深刻ですが、関東圏における問題の巨大さに比べればまだしのげるところがあります。
「地域で高齢者を抱えることができるか」
その限界を超える日が関東圏に代表される大都市圏にくることは必至です。
【アジアにおける高齢者問題】
これから、経済の発展の時代を経ながら、韓国、中国、その他のアジアの国々は、日本と同様、あるいはそれ以上のスピードで高齢化に対応することが予見されています。
そのときに、日本が苦闘してきたことが教訓となりえるかどうか。
「認知症などの新しい問題にどう対応してきたか。」
に関しては、介護福祉の問題の枠内で日本の経験を伝えることができます。
しかし、短い時間に大都市圏への大量の人口流入を経験した結果としての「大都市の高齢者問題」について日本から教訓を得るにはもう時期が遅い。
*というか、日本以外の国々では、日本の一時期のように気が狂ったような大都市圏への集中はしないでしょう。
【きっかけ】
昨日8月11日 20:00~22:00
BSフジのPRIME NEWS
を聞きました。
ゲストは、2人のエコノミストです。
水野和夫さんは、このブログでも以前紹介したことがありますが、経済の動向を何世紀にもわたる長期的な趨勢を踏まえて分析する広い視野をお持ちです。
第1784号2008.11.01
もう1人のゲスト藻谷浩介さんは、最近「デフレの正体」という新書を出して注目されています。
その読後感3点
コンパクトシティ
では、2005年に審議会で説明の際に使われたもので少し統計が古いのですが、人口変動の大きな波から経済動向をみる視点を提供しています。
【要点】
2時間にわたるプレゼン・討議・質疑応答です。
ふだん長い時間帯なので通して聞くことは少ないのですが、昨日は全部聞きました。
要点は、冒頭のビデオ映像にもありますが、私の印象に残った要点です。
1 関東圏(東京都+神奈川・埼玉・千葉)の人口は増加しているが、その年齢構成をみると最近の人口増加は65歳以上の人口増によっている。(団塊の世代)
65歳以下の人口はむしろ減少している。
2 昨日の議論の主眼は、「デフレ経済の主因は人口の高齢化にある」という話ですが、私は、「介護問題の地域性」という視点でみていました。→後記
3 いま日本経済に起きていることは、欧米でも起きつつある経済の大変動である。近代社会の特徴は「膨張」であったが、その基本パターンが終わりつつある。一番わかりやすいのは石油資源の枯渇だ。近代以前、例えば、中世は横ばいの経済だった。
4 現在の日本では上層の企業の業績が回復しつつあると報じられているが、内需が拡大しないのはより構造的な要因がある。
・ 日本では、相当額の石油代金を海外に払っている。
・ 企業業績が好調ということで株主配当へも相当額支払っている。(そのかなりの部分は海外の株主)
・ この2つが企業の人件費を圧迫している。これに対して、企業は、
団塊の世代の退職による人件費コストの減少
非正規職員の使用による人件費コストの削減
という方向で対応している。
5 今後の対応(長期的には)
・ 近代という枠組みが限界に来ている:従来の認識を転換する
・ 財政の構造的な改革をする(いまはその年の税収に見あう額を国際の利払いと地方交付税にあてると無くなってしまう。その結果、普通の経費に見合う収入はすべて国債に依存している)
・ 東アジア共同体の中で経済活動を維持する。(あと20年程度は、これから成長するアジアの国への輸出でまかなう)
6 当面のデフレ対策
・ 高齢者(富裕層)から若い世代への所得移転
・ 女性の就業を増す
・ 外国人観光客の受け入れ
【高齢者問題は大都市問題:私の意見】
日本の高齢者問題の中心課題は、
「圧倒的な量の関東圏の高齢者数に対する対応」
につきると思います。
冷たい言い方だと、団塊の世代に典型的に見られる東京へ行って働くという人々が高齢になっていく社会ですね。その時代のツケを払っていく必要があって、元に戻ることはできない。(多くの高齢者を今から地方で暮らしてもらう方法は現実的にはない)
鹿児島に住んで4年。
鹿児島(つまり日本の地方都市)における高齢者問題もそれなりに深刻ですが、関東圏における問題の巨大さに比べればまだしのげるところがあります。
「地域で高齢者を抱えることができるか」
その限界を超える日が関東圏に代表される大都市圏にくることは必至です。
【アジアにおける高齢者問題】
これから、経済の発展の時代を経ながら、韓国、中国、その他のアジアの国々は、日本と同様、あるいはそれ以上のスピードで高齢化に対応することが予見されています。
そのときに、日本が苦闘してきたことが教訓となりえるかどうか。
「認知症などの新しい問題にどう対応してきたか。」
に関しては、介護福祉の問題の枠内で日本の経験を伝えることができます。
しかし、短い時間に大都市圏への大量の人口流入を経験した結果としての「大都市の高齢者問題」について日本から教訓を得るにはもう時期が遅い。
*というか、日本以外の国々では、日本の一時期のように気が狂ったような大都市圏への集中はしないでしょう。
感想を記しておきます。
今朝のインドネシアの人たちのレッスンで、大都市の高齢者増加の
問題を解いたところでした。
定年になって故郷で暮らしていた両親を、私の結婚を機に
横浜に戻ってきてもらいました。
田舎は過疎地で病院に行くのも大変。横浜なら
歩ける範囲で
生きていくためのサービスがいっぱいあるからです。
「外国人観光客の受け入れ」については、日本は中途半端だと
いつも感じています。(韓国と比較してのことですが・・・)
韓国の政策を語り始めたら止まりませんが、資源のない
小さな国として観光にかける国の意気込み、そして国民の
外国人観光客へのおもてなしの心は、日本とは全然違います。
あ~、もう時間切れ! 続きはまた晩に~!
おでかけまえの忙しいのに
コメントをいただいて
ありがとうございます。
・大都市の高齢者問題は
個々の事例と、全体としての課題とは
おのずから違うと思いますから
断定的にはいえませんが
昨夜の話を聞いたことと
横浜での話を総合して考えてみました。
そして
私たち自身は
東京から義母の住む田舎に移った。
・日本の観光についての心配は
短期的な誘致ばかりを視野に入れていることですね。
韓国の話も是非伺いたいです。
*若い頃、観光県である石川県で観光課長をしていたので昔は観光については一家言ありました。
例えば、88年のソウルオリンピックを境に変わったと
しても2,30年のことだと思っています。
2004年の「冬のソナタ」で韓流という空前のブームが起こり、
私は最初一過性のものではないかと思っていたのですが、
今もなお続いている(生徒さんも全然減りません)ことを見ると、
それは偶然ではなく、韓国は民主化とともに世界に
通じる人材を着実に育ててきた。そう感じます。
民主化になって育った人材が今、韓国を動かしている。
例えば、今や毎日どこかのテレビ局で放送されている韓国ドラマ。
あるものは映画並みの予算を使って、特殊撮影や海外ロケを行い、
大学で演劇を専攻したような基礎のある俳優たちを起用し、
それが面白くないはずがありません。
(私は見ていませんが、生徒さんたちは夢中です)
そして、それがロケ地めぐりなどの観光に役立っている。
アジアのハブ空港となった仁川空港も、旅人を飽きさせない
演出がいっぱいあり、関西空港などは比較にもなりません。
韓国は長期にわたって国の魅力を作り上げてきた。
私には、すべてが連続し、すべてが計画的だと感じるのですが、
それに比べて「観光大国」をうたっている日本はどうでしょう。
そこには何も計画性が感じられないのです。
韓国の
観光戦略にかんして
コメント有難うございます。
日本は
これに比べて
その日暮らしですね。
私は
たまに
韓国のドラマを見ます。
ストーリーは
たまにしか見ないので
わかりませんが
俳優の演技が真剣なことは伝わります。
建物、食べ物、帽子など
見ていると
中国・韓国・日本の類似性と
そして違いがわかって楽しいですね。