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センター試験リスニング:「吊し上げ」はもうたくさん

2006-01-28 | アカデミック
タイトルだけで言いたいことはほぼ終わってしまいますが、ニュースサイトやブログのセンター試験リスニング批判はもうたくさんです。結局のところ、「吊し上げ」に終始して、「それではどうすればよいのか?」という建設的な議論がさっぱり見当たらないからです。
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(1月29日追記)「ICプレーヤーのメーカー名を公表しろ」という批判も散見されますが、論外です。それはペーパーテストの問題印刷ミスで印刷屋を非難するのと同じです。紙であろうとICプレーヤーであろうと、試験問題の内容と表現手段に関しては試験の実施主体(センター試験の場合は大学入試センター)がすべての責任を負うのであって、納入業者を叩くのは全く筋違いです。
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私の意見は簡単で、
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センター試験でICプレーヤーを使ったリスニングテストを続ける限り、トラブルは不可避であり、今年と同様のトラブルは起こり続ける。だから、とるべき道は「今年と同程度のトラブルを許容したうえで同じ方式を続ける」「やめる」の二つに一つ!
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です。そして、どちらを選ぶかを考える上での基準は、前の記事で論じた「費用対効果」がすべてです。

念のために付け加えると、中学・高校の英語教育でコミュニケーション能力を重視することと、その教育効果を高めるために学校外で何らかの技能検定を実施するというアイデアには、私は反対しません。ただ、その「技能検定」をセンター試験の一部分として行うことの妥当性について、私は「費用対効果」の観点から疑問視しているのです。

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(1月29日追記)リスニングテストとは直接関係ありませんが、英語コミュニケーション能力の教育方法論に関する批判的考察として、次のページを紹介しておきます。
日本の小学校で、今、(正規の授業として)英語教育を導入すべきか? - だまらん

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