poco a bocco

自然の素材がもつぬくもりやパワーに助けられての作品づくり
poco a poco のペースで進みます~♪

吉右衛門さん

2010-02-24 22:19:25 | あれこれ
歌舞伎役者の中村吉右衛門さんのことではありません。
民芸運動に大きく関わっていた染織家、岡村吉右衛門さんのことです。
多摩美術大学美術館で開催中だった版画の展覧会に行ってきました。

若くして柳宗悦の門を叩き、やがて芹沢銈介に師事…という吉右衛門さん。
初期の作品には隙のない細密さがあります。
今回の展示は、70年代以降のものが多く、自由で、楽しくて、モダンで力強いものを感じました。
色づかいも鮮やかで、晩年のマティスに通じるような「遊び心たっぷりの、人としての無邪気さ」が表れているように思います。
しかし、それを可能にしているのは徹底したフィールドワークと深い造詣。
やはり、水面下のたゆまぬ努力が物を言うのですね。。。

朝鮮の民画にルーツがある絵文字の楽しさ。
イヌイットにも通じるアイヌの生活を描いた作品の数々…
鯨、イルカ、シャチ、アザラシ、オヒョウ、鮭、鱒、エトピリカ、
梟神、熊神、狼神、兎神。
萱野茂さんとのコラボレーション。
インド西北部のグジャラート、ラジャスタン、そしてジャワやバリでの染織取材メモ。
例えばそんなところに、Bocco の好奇心と大きく重なるものがあったのもうれしいことでした。

吉右衛門さんと私は同郷。
しかも、吉右衛門さんの近親者のひとりは Bocco のごくごく親しい友人です。
そのことを知ったのは、わずか4~5年前のこと。
自分があずかり知らないところで不思議なご縁があり、
それに初めて気がついたような、ちょっと楽しい気分です。



遠慮がちに写真を追加します。
図録の一部です。
この程度ならお叱りを受けることもなかろうと思うのですが。。
(2010年2月28日 追記)
コメント
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