日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

烏帽子小屋の稜線まで、いかに楽に登るかが1日めの課題。 大町市/烏帽子岳 Pt.1

2016-08-20 22:53:52 | 山行

2016年8月11日 晴 
11日からは夏休みで6連休なので、北アの未踏ルートを歩いてきました。11日から休みだというのに、前日の10日は会社でレイアウト替えに伴って、猛烈な暑さの中まる1日、ひとつ25キロもある荷物を数十個移動させる重労働。(普通ならそれだけで帰宅したらグッタリ死んだような状態になる。)定時に帰宅して、3時間未満の睡眠をとって、深夜0時頃自宅を出発。七倉ダムの駐車場の最後の2台の空きスペースに車を滑り込ませたのが4時30分頃。そこに行くのは約20年ぶり、前回は車も少なく、登山者もまばらでしたが。今回は満車の車と、大型バスが2台も登山者を連れてきていた盛況ぶりで、なんじゃこれは、って印象。ここ20年で登山者の数もだいぶ増えたようです。40分くらい仮眠して、50人くらい並んでいるタクシー待ちの列に並んで、乗合料金550円払って高瀬ダムの登山口へ。風が吹いて少し寒いくらいの高瀬ダムを眺めながら、歩き始めました。

(約20年ぶりに来た七倉は、すでに満車状態の車と、タクシー待ちの登山者の列で、ちょっと意外な賑わいでした。)
                          



歩いて2時間超の行程を、4人で乗合でタクシーで運んでもらって、高瀬ダムへ。タクシーは去年大町駅前で降りるときオカマをほられた会社と同じだった。高瀬ダム下に来て、20年前にここに来た時の記憶が蘇る。九十九おれの旧坂の途中で、ふみふみぃさんの乗ったバンタクを追い越したが、その時はそんなことは知る由もない。ゆっくり出発準備、撮影をしている間にふみふみぃさんが先に発たれたことも、その時はわかるはずもなし。タクシー待ちのジグザグ列や高瀬ダムでは、きっと顔は合わせていたかも、と思う。高瀬ダムからは、三々五々、登山者が出発して行く。1年ぶりのアルプス、今日は、寝不足、長時間運転、前日の重労働と悪材料揃いなので、いかにして消耗なく烏帽子小屋に到着して、後の2日間の稜線歩きを快適にするが重要なテーマになります。アルプスでは、初日に悪材料を押して無理して登って、体調を悪くしたことが、過去何回かあったからです。


コース: 高瀬ダム --(行動時間約220分)--  烏帽子小屋.   以後、(烏帽子岳山頂まで散策)
最初は濁沢の川原のような地点を歩いていきます。ほぼ平坦で、大きな滝が轟音を立てて落ちているのを横目で見て、この沢は登れないなとか、考えます。(p ↓)



約20分川原状の地点を歩いて、山への取りつき口に着きます。この尾根ブナ立尾根は北ア3大急登だそうです。以前歩いた時、どこが3大急登なのかな?って思った記憶がありました。若い頃の印象なので、今回はどうでしょうか。ルートは整備されていて、ジグザグに斜面を登って行きますが、とりたてて特に急な登りってほどの登路ではないです。



前後、登山者がばらけて歩いています。しばらく休憩無しに登っていくと、ぼちぼち休憩しだす登山者の皆さんを抜いて登っていくのは、いつもと同じような感じです。左サイドの谷の向こうにとんでもなく荒れた斜面が見えてきます。濁沢とその両側の崩落地でしょうか。今ひとつはっきりしないですが、2日目に歩く不動岳の斜面のようです。



アキノキリンソウが道脇にたくさんずっと咲いていて、もう秋が近いことを知ります。コースはさすがに三大急登というだけあって、延々かなり急に登って行きます。ここでの急登とは、角度ではなくて、その距離の長さをさして、言っているのかなと思いました。途中テント装備らしいザックの若者も多く見かけますが、20年前はそういう人達はあまり見かけなかったような。なな”も軽量化を目的に、テントを数日前に買い換えたのですが、今回は船窪小屋に泊まりたいので、持ってきまていません。ツェルトは持ってきました。途中、朝飯としての菓子パンをコース脇のスペースに腰掛けてゆっくりめに食します。
(延々と登ります。)




約1000m登って、2時間30分後に2208mの三角点に着きます。途中、多少傾斜はなだらかになる局面はあっても、基本ずっと急な登りでした。三角点付近は少しスペースがあって休憩します。何人も休んでいます。回りのペースにおだてられて、一気に寝不足で2600mくらいまで上がると、なな”のばあい後でロクなことはない。1時間くらい昼寝でもするくらいがいいのですが、そこまで調整もできない性格。それでも今日は極力ゆっくり休憩を取りました。



三角点からは、なだらかな原始の森、はしごの急登、また平坦な尾根道と、多少急登一辺倒のあるきがらは開放されます。
(平坦な尾根道になって、前方になにやら稜線が近づいてきました。もうだいぶいい所まで上がってきたようです。)



コース脇はお花畑もでてくる。この2種は、3日間の行程で特に多く咲いていました。



いよいよ稜線が近づいてくる地点。2日めにあるく荒れた稜線が見えてきます。この時点で、どれが南沢岳でどれが不動岳かとか、よく判別できていません。目先に見覚えのある、偽烏帽子だけのピークらしいものが見えてきました。



ヤマハハコやキリンソウの咲く小径を登っていくと、稜線直下の平坦地で、稜線に乗ったつもりになって、他のグループの登山者の皆さんと周囲の山々を同定しながら眺めます。まだ小屋まで数分歩く必要があったのですが、かなりゆっくり景色を楽しめました。遠く白馬のほうまで一部ですが見えてきて大展望です。





手前のガレタ山が不動岳、その後ろに隠れて針ノ木、右に蓮華岳。この蓮華に2日後に到達できるか、ビールと温泉とアイスクリームが恋しくなって、降りてしまうか?。



実質歩行時間220分かかって、烏帽子小屋に着きました。烏帽子岳に向かっている人が大勢いるのか、小屋前の日陰の部分にザックがたくさんデポしてあります。小屋の前は綺麗なお花畑です。20年ぶりの烏帽子小屋は外観はほとんど変わっていませんでした。いったん、ここで受付して、今晩のねぐらを指定してもらいます。



先客の愛知のおじさんと、小屋の中で山話しますが、まだ正午を少し過ぎただけの時間なので、明日行く予定だった烏帽子岳山頂まで散歩してみることにしました。正直、暑さもほどほど、さすがにアルプスだけあって風は涼しい。寝不足、長時間ドライブ、変な時間帯の行動後の悪条件の割に、今日は消耗しないで稜線に立てました。少し前にtファミリーの皆さんに沢でイジめ**、おっと失礼、鍛えていただいたおかげかもしれません。
(小屋の先に少し北上するとお花畑が広がっています。)



小屋と山頂間ピストンの人が前後結構歩いています。左サイド(西方向)を見ると、赤牛だけの稜線と、その奥に薬師岳の稜線も見えています。




烏帽子岳ピークの手前、偽烏帽子のピークが近づいてきます。燕岳っぽいピークです。



振り返って、南方面。水晶岳の黒っぽいピークがみえています。ちょっと望遠で撮影。烏帽子小屋では、水晶に行く人と、その話題でもちきり。水晶岳は現在はひどく人気のお山のようです。





休憩している人が何人かいる偽烏帽子を越えて、ついに見えてきた烏帽子岳のピークです。これを間近に見るのは、本当に久しぶりです。前回は野口五郎岳に向かいつつ振り返って眺めた姿です。近くから見ますととんがっていて格好いいです。



昨年、私がカメラを忘れて登った餓鬼岳や、その手前に孤高の崖っぷちピーク唐沢岳が見えています。こちらは急峻ですね。手前は、今朝歩き出した高瀬ダムでしょう。



烏帽子岳のピークは稜線の縦走ルートから、少し西にはずれた地点にあります。ピークへの分岐からは、最初こそ普通の岩場の急登ですが、途中からは、鎖を頼りでの急登、危険な岩場の横ばいなどがあります。
(ピーク直下の鎖の急登。下る時は、年配のご婦人の足の置き場などをサポートしました。なな”もそんなに余裕があるわけでは、なかったのですが・・・)



烏帽子岳のピークの岩。山名柱が置いてある、写真の男性がいる地点まで登る。そこは2人くらいしか立てないピークなので、左の岩に登ることはしなかったし、怖くてとてもできない。



山頂付近の安全地帯で眺望を楽しみます。針木、蓮華が見えています。明日辿る、南沢、不動岳から船窪岳への稜線が見えています。南沢岳への稜線はなんだか、いい感じのようです。



烏帽子のピークはどこにいても、やはり落ち着かない雰囲気で、慎重に気をつけながら下ります。
ここは、ロープか鎖かを頼りに横ばい、その後、一気に鎖の岩場を下ります。



分岐まで戻って、後は危険な区間はなし。お花でも見物しながらゆっくり小屋に戻ります。コマクサは、今年はとうに花を落としていると思っていましたが、ところどころポツポツ咲いていました。



小屋に戻って、同世代から10歳くらい上のおじさんとなな”と同部屋4人で山談義。まだまだ夕食まで3時間もあって、ゆっくり昼寝をした。なんという贅沢な時間の使い方。1時間以上昼寝をして目覚めると、手の指や太ももにちょっとしたこわばりがあって、これは前日の重労働のせい。山歩きでの消耗はなしで、1日の行程を終わらせられたと思ったら、食事はビーフシチューの美味しい食事なのに、ご飯はやっとのどに通して食べ終わらせる感じで、やっぱり初日は調子でないです。でも、食事はサラダ、味噌汁、含めて本当に美味しかったですが、写真撮り忘れて掲載なし。思ったより混雑少なく、布団1枚専有で寝られて、この小屋との相性はいいみたいです。  ■■



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4 コメント

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ここまでは昨年行ってますので懐かしい (ノラ)
2016-08-21 20:16:37
ななころびさん こんばんは。烏帽子岳も烏帽子小屋も昨年行っているので懐かしいです。このルートって北アではマイナールートですか。昨年歩いた時も結構人いましたけど。烏帽子から南沢岳に向かったら確かにマイナールートですね。私も行ってみたいルートではあります。記録の先を楽しみしてます。
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ノラさん (ななころび)
2016-08-23 03:29:18
こんにちは。昨年ノラさんは烏帽子から黒部湖まで大歩きされたんですよね。
久しぶりに訪ねた烏帽子岳は、かなり人気の山になってました。それでも烏帽子から七倉岳、蓮華、種池山荘の稜線は、北アの中では人は少ないほうだと思います。
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Unknown (ふみふみぃ)
2016-08-25 00:44:08
私の乗っていたバンタクを抜かれてましたか。並んでいる時と歩きだす時、かなりの至近距離でニアミスでしたね(笑)。
南沢岳への稜線はすごくいい感じに見えますよね。私は日帰りピストンで何処までいこうか迷ってましたがあの光景を見て池を過ぎるくらいまで歩く気になりました。
時間的にななころびさんが烏帽子岳への分岐に入られたころに私は折り返して烏帽子岳を横目に烏帽子小屋に向かっていたと思うのでそこでもニアミスでしたね。
私はコマクサを見落しました。景色とシャクナゲさんに気を取られすぎたようです。
烏帽子小屋、混んではいたんでしょうが布団1枚専有できたとは意外です。もっとすごい混み具合で寝れないんじゃないかとの心配もあり日帰りで行きましたが杞憂だったようで。私も泊まりで行けばよかったなあと思います。
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ふみふみぃさん (ななころび)
2016-08-25 21:34:17
こんばんは。タクシー乗り場で、バンタクシーが来た時、安く済むって聞いていたので、乗り込む人を見て、いいなーと思っていました。乗り場やダムの歩き口では、すぐ脇にいたんじゃないですかね。
小屋に入って、ゆっくりしてから烏帽子山頂に向かったので、烏帽子分岐あたりのすれ違いは、まさにふみふみぃさんの言っていることが、正解だと思います。
コマクサは砂礫の稜線上に、まあまあ数も咲いていたのです。日帰り目的で、稜線上の歩きの時は、結構急いでいたのではないでしょうか。
当日は小屋サイドでも布団1枚に二人使用とか、予想していたようです。皆さん、布団1枚専有できて、嬉しい誤算だったようです。アルプスも場所を選べば、お盆シーズンも、結構すいている小屋ってあるんですよね。
次回はテントでも小屋でも、泊まりでずっと先まで歩いちゃってください(笑)。
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