近年注目を集める「不老不死」の
テクノロジーは、人間と社会をどう
変えるのか。
イギリスの哲学者、ステイーブン・
ケイブは科学技術は宗教的なルーツ
を持っているといいます。
「神話や宗教が語ってきた不死への
物語を、科学の言葉を用いて語り直す
人々だ。・・・・宗教が永遠の命や
死後の復活を約束したのに似ている。」
現代の科学万能論は根強いものがある
ものの
「地球に大きな負荷をかけ、資源を枯渇
させるような社会の発展の仕方は、今後
長くは続かない。物質的な利得を求めて
自然を支配しようとしてはならない。」
アメリカの哲学者、シェリー・ケーガンは
「不死の科学」は残酷な嘘と説きます。
「記憶まで移植するのは極端としても、
誰かの身体をもとに別の肉体を作る行為
は、人間存在に対してこの上なく残酷な
嘘をつくことだ。」
「仮想世界でいくら素晴らしい体験を
しても、現実の自分が何も成し遂げて
いないのはやはりむなしいことだから
だ」
(日本経済新聞 10月19日、10月
22日「テクノ新世」より引用)