いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

【無韓系】「ブレイキング・バッド」シーズン5 視聴終了

2016年03月14日 | 無韓系日記
ああ、ギリギリ間に合った。
おかげさまで
hulu配信終了前日に最終シーズンを観終わることができましたyo!

ってか、2日で観終わったのよ~。
何もかも放り出して、ぶっ続けで観たのよ~。
これはなにも、期限が迫っているからってわけじゃないのです。

スゴイ。

スゴすぎる。

ほんとに最後の最後まで、ずーっと面白いの。
これは米ドラマ史に残る傑作でございますね。
(そもそも米ドラマ史っつーものをよく知りませんが)

配信終わっちゃって、これから観たい人はレンタル行くしかない。

でも仕方がないです!
これから観たい人は、ぜひ借りてください!
絶対損はさせませんから!

前シーズンで、麻薬売買の元締め ガス・フリングが死に、
ウォルター・ホワイトはこれからどーすんの?となりましたね。
この最終シーズンでは、自由になったホワイト先生が、
自分の帝国を築くという野望を胸に突っ走る姿を描いています。

いったい最後はどうなるの?ハラハラ、と見守っていたみなさまも、
泣いても笑ってもこれが最後。
16話のちょっと長めのシーズンでしたが、
最終話までダレることがないのはもちろん、
シーズン1から一生懸命ついてきた視聴者にも
しっかりアフターサービスがあり、思い残すところはございません。

風呂敷をたたみに入った最終章というのは、
つじつま合わせ感が漂ったり、
もうわかったからさっさとおしまいにしてくれよ!と
言いたくなるくらいテンポが悪かったりしがちですが、
半端ないドライブ感は見事です。

そして最終シーズンで印象的だったのは、音楽ですね。

物語の要所要所で、どこか懐かしいメロディとともに、
小気味よくカットをわった映像が挿入されています。
歌詞が暗喩的であったりするのも面白いですし、
ともすれば悲惨で、暗くなりがちな状況描写が、
穏やかな音楽とともに私たちの脳内に投影されていきます。

なんだかマリファナをやった時の多幸感に似てる、のかなぁ。
どんなに現実が厳しくても、あのフワフワした、
どこか現実離れした感覚……。

他のシーズンではこうした音楽の使い方はなかったように思います。

統一感のある演出が最後のシーンでも生きていて、
違和感なく受け入れられたような気がする。
無音で終わっていくのも寂しいし、
かといってとってつけたような音楽が流れるのもイヤだしねぇ。
とてもいい感じでした。

各回における、起承転結のシナリオ、
シーズンごとに提示される新しい展開、
作品としての大きな流れ、
どれをとっても、計算されたドラマシリーズ。

いや、満足満足。

ええっと、じゃあ、まぁ、このあと、ネタバレを含みつつ感想を書きますので、
よろしくお願いします。


・スカイラーはしょうがない

前シーズンでは、ホワイト先生と仲直りセックスを慣行したりして、
わりとノリノリでマネーロンダリングを手伝っていたスカイラーですが、
態度が激変。

これに関しては、もうしょうがない。
ベネキーの悲惨な姿を見ちゃったからね。
悪と暴力が生む結果の非道さを目の当たりにしたら、耐えられない。
もともとクリーンな感覚の人だったから。
ベネキーの心底怯えた態度も、ショックだったんだろうなー。
自分も怪物になった気がしたに違いない。

ただ可笑しくってしょうがないのは、ベネキーの場合、まったくの自業自得だということ。

脱税して国税局に金を払わない上に、敷物につまづいて頭打って半身不随ってなんだそれ。

完全に死んだと思っていたので、生きとったんかい!と思わずツッコミました。
死んじゃってたら、スカイラーも転向しなかっただろうな。
「見なかったことは無かったこと」理論で、自分を騙し続けたに違いない。

最後は、夫の癌再発を望むとまで言い放ったスカイラー。

これだから女は……と言われてしまいそうな奥さんでしたが、
しょうがないんです。
それだから、女なんですよ。


・リディアもしょうがない

新キャラクターのリディア。
彼女もまた、しょうがない女です。

やたら神経質で、臆病で、そのくせやることは大胆というかなんというか。
「なにそれ、こわい、じゃ皆殺しで!」みたいな。

やっかいな女、ということでマイクに殺されかけますが、
ジェシーやホワイト先生の温情により、チャンスが与えられます。
その……チャンスを生かして自身は生き残りますが、
最後は先生に毒殺される運命。
二度目の正直だったね。

シーズン4は、膠着した物語を動かしていく役目をジェシーが担っていたのですが、
このシーズンの引っかき回し役はリディアだったという印象。

ガスが生きていた頃にはまったく触れられなかった麻薬供給システムが
あきらかになり、
彼の経営能力に脱帽いたしました。

同時に、ドラマの作り手たちにも脱帽。

テキトーな悪の世界をテキトーに怖そうに描いて、
実際どうなってるかわかんないけど雰囲気だけそれっぽい雰囲気ドラマにしない、
真摯な取り組みが、高い評価につながったのだと思います。


・ジェシーはいい子すぎ


さて、ジェシー・ピンクマン。
この子はほんとにイイ子すぎ。

「俺は先生に銃を向けちまった……俺はなんてことを!」とか言って泣いちゃうんですよ?
少年に毒を盛ったのはホワイト先生なのに。

そして、先生の助言を受け入れ、
アンドレアと別れてしまうジェシー。
先生は自分の家庭がうまくいかないから意地の悪いこと言ってんだよ~。
あんたを孤独にさせときたいだけなんだよ~。
(理屈には一理無いこともないが)

ホワイト先生に、別人になって生きろ、と諭されて、
やっぱり涙目になっちゃうジェシー。

すべては先生の策略なのに……。

先生はジェシーにものすごく執着してるんですよね。
それが愛情なのかは、実はよくわからない。
ゆがんだ愛情であるのは確かだと思うけど。
ジェシーのためなんだ、といいながら、
彼にひどいことばかりしているんだよね。
典型的な毒親状態だ。

彼をそばに置きたい、嫌われたくない。

先生にとって、ジェシーは愛弟子であり、
自分の感情をぶつけられる数少ない相手であり、
苦楽を共にしてきた相棒です。
そして、悪を為す自分を愛してくれる人間、許してくれる人間でもある。

手放したくないでしょうなぁ。

だからね、まるっきり嘘じゃないんですよ。
別人になってアラスカへ行くというジェシーを抱きしめる先生の心も、
本物なんです。
(そうじゃなきゃ、思わずジーンときちゃった自分が許せませんよ)

ジェシーは賢い子でもあるので、ブロックに毒を盛ったのが先生だと気づきます。
そしてアラスカ行きをやめて、戻ってくる。
ものすごく怒って、殺してやるとまで言っている。
そのためにハンクと手を組み、先生をハメる。
先生もジェシー殺しをジャックに依頼し、ふたりは争います。
で、漁夫の利ってことでお金も何もかもジャックに奪われちゃう。
ジェシーもヤク作りの奴隷になっちゃう。

ジェシーはその過程で、かつての恋人を見殺しにしたのがホワイト先生だったと知らされます。
先生が、ジェシーに告白するのです。

この辺、ずーっと胸につかえていたものが取れて、私はスッキリ。
こんな大事なこと、ジェシーが知らないままだなんてイヤだったから。
毒のことも、彼が気づいてくれてよかった。
知らないままのほうがしあわせだったかもしれないけれど、
それでも知ってほしかった。

いい子のジェシーは、最後の最後で、先生を撃ちません。
殺したいほど憎いけど、もう先生が死にそうだとわかっているからです。
そして、理由もわかっています。
先生が、自分を機関銃の連射からかばってくれたからです。

自分を悪夢に引きずり込んだ先生が、
最後は悪夢から救い出してくれた。

ジェシーは撃たない。
先生が命乞いをしたら撃ってたと思うけどね。
言われるままに「殺してくれ」といっちゃう先生を撃たなかった。

撃たないことは、先生への復讐でもある。
俺に殺してもらおうなんて、虫がよすぎるぜ、って気分なんじゃないかな。

なんだかんだ言って先生に愛情を感じているから撃てないんだ、という自分と、
先生を苦しめるために撃たないんだ、という自分が混ざり合って、
最後の咆哮になったのではないかと思います。
これですべてが終わる、というなんとも言えない気持ちもあったでしょうし。

わしもモヤモヤして叫び出しそうでしたが、
いやな感じのモヤモヤではありませんでした。

思えば知り合った当初から、このふたりの関係性は複雑でしたね。
お互いに相手を利用して、憎み合って、
それでも支え合って、助け合って……。
腐れ縁ってやつなんでしょうか。

彼はホワイト先生やマイクに父性を感じていたようですね。
「お前の道をみつけろ」と助言してくれたマイク。
この人は、まさにジェシーの師になれた人だったのに……。
しかし最後の最後に、ジェシーは自分の道を見つけたようでした。

丁寧な木工細工で、箱を作ってたジェシーの姿。
あれは彼の夢なのでしょう。

おうちに帰ったらお金もあるし、きっとやりなおせると思う。
だってねえ、この悪夢の出来事って、
たった2年間の話なんですよ?
ジェシーはまだ若いんだから……。

とりあえずバッジャーとスキニーに引きずられないように
薬はやめて、更生してほしい。
母を殺され、一人残されたブロックのためにも。


・トッドは怖い子すぎ


こちらもNEWキャラクターのトッドくん。
ちょっとアホっぽい風貌で、なんつーか、
典型的な冴えないヤンキーって感じの男の子。

ところがこいつが、メチャクチャ怖い子だったのです。

荒野で少年を撃ち殺したトッドの無機質さが、すべてを象徴しています。
彼には、情がない。
別の言い方をすれば、揺らぎがない。迷いがない。

心をすり減らすことなく、ごく自然に冷酷非道な仕打ちができるのです。

なぜ罪もない少年を殺したのか?

完全犯罪を目指すのなら、目撃者は邪魔だから。

誰も傷つけない完全犯罪だ!とスゲぇ興奮したのに、
頭から冷や水浴びせられて一気に心が凍りました。

しかし彼の中では、矛盾もない、葛藤もない、正しい答えと行動です。
彼には、なぜジェシーが怒るのか、
マイクが怒るのか、まったく理解ができない。

かといって、欲望がないわけではない。
リディアに欲望を抱き、お金だって欲しい。
動物が、本能に従うように、彼もその欲望に従順です。
ただ、乾いている。
欲望そのものにも、ウェット感は感じられません。
叔父さんたちが「げっへっへ」と笑うゲスな悪党だとしても、
トッドにはそうした汚れ感が見当たらないのです。

最後の最後、一味が全員マシンガンでやられたというのに、
「先生、すごい……これを独りで?」と、
ホワイト先生を尊敬のまなざしで見つめるあの感じ。
マジでヤバいです。

これまで、ホワイト先生たちが相手にしていたのは、秩序のある悪党たちでした。
メキシコマフィアは、非常に残酷で血も涙もない報復も厭いませんが、
家族の絆は絶対です。
行動原則の第一に、まず「家族の絆」がありました。
彼らなりの仁義が存在する世界です。

ガス・フリングは、やってる内容は悪いことですが、
それをのぞけば、会社経営の基本原則に従って行動している悪党です。
合理的な判断と、リスクマネジメント。
ブルーメスの精製・売買は、利益追究が最優先のビジネスです。
資本主義的ですね。

ところが、ジャック一味の悪さは、なんとも暴力的で原始的。
その欲望に忠実であれ!みたいなところがあって、
行き当たりばったりな感じ。
ホワイト先生の依頼で、数カ所の刑務所で同時刻2分以内に9人を殺すという
離れ業をやってのけるコーディネート能力はスゴイですが、
なんかもうねー、
グサグサグサ、グサグサグサ、って殺しちゃう感じがどうもね。

その中でも、一見すると草食系と言えなくも無いトッドが一番不気味。

なんだか、現実の世界でも、悪ってそういう形になってきてるんじゃないかと
いう気がします。
これはアメリカのドラマだから日本の空気感は関係ないだろうけど、
悪を為す心の根底にあるものが、変化してきた感じが、
ドラマの中の敵?の姿に投影されているように感じました。

それにしても、熟女マニアなのかよ、トッド。


・ジュニアはどーなのよ?


お父さんからの電話で、逆上したフリン。
「ハンク叔父さんを殺したんだろ?なんでまだ生きてるんだよ!死ねよ!」

うう、ヒドいですね。
この息子、ハンク叔父さんを英雄視していましたからね。
ホワイト先生は、どこかで息子に認められたい、尊敬されたいと思っていて、
そんな行き場のない気持ちをジェシーにぶつけてたところもあったし、
フリンくん、はやく大人になっていろいろ理解してほしいです。


・こうなるしかなかったラスト


白ブリーフいっちょで始めたドラッグ調理が
こーんなにすごい機材で繰り回しするビジネスになって、
でも最後は、きったねぇ悪党どもに好き放題やられちゃって、
思えば遠くへきたもんだ。

ラストシーズンでは、何度も何度も引き返せるチャンスがあったのに、
ホワイト先生だけは頑として乗らなかった。
わけわかんないほどの大金を実際目にして正気を取り戻しかけたけど、
これでしあわせになれるほど、アメリカドラマ界は甘くなかった。

やっぱね、こんだけ悪いことしといて、
全部過去のことにしてしあわせになっちゃダメだ、と。
しあわせになんかなれないよ、お金も残んないよ、と。
そこは放送倫理的にも因果応報として終わらせないとダメだったでしょう。

破滅一択。

これしかないわなぁ。

ホワイト先生の達観がすごかった。

ハンクを死なせ、隠し金を奪われ、すべてを失ったのは、
先生が持つ金への執着のせいでした。
癌が再発したことで、家族に金を残す!という執念が再燃したのでしょう。
キチガイのようになり、金の隠し場所へ車を飛ばす先生に、
いつもの計算高さはありませんでした。

それなのに、最後の最後には、それさえも捨てた。
金のありかなんか知らんでけっこう、とジャックにとどめをさしたホワイト先生。
なんとか息子に金を残す算段がついたし、
死ぬ覚悟が出来てたからなんでしょうけど……。

まわりまわって、当初の目的をやっと達成した、って感じですね。

「全部家族のためだった!」と言ってきた先生が、
「全部自分のためだった。自分がやりたかったからやった」と妻に言った。

若い頃の挫折感から逃れられず、
ちっぽけなプライドとエゴのために、犯罪を犯し続けてきたホワイト先生。
俺スゲぇ!をやりたかったんだねぇ。
お父さんすごい!って言われたかったんだねぇ。

家族のため、家族のため、って言って、
家族を持つことのしあわせの意味をわかっていなかったホワイト先生。
元凶である家族が崩壊したことで、
先生も本当の気持ちを素直に認めることができたのだと思います。

スカイラーのスッキリした表情もよかった。

これで彼女も呪縛から解き放たれて、
新たな「家族」を生き直すことができるでしょう。

まぁ……ホワイト先生が追い詰められたのも、
思いもかけない妊娠であったり、
スカイラーの浮気だったり、家族の問題に起因するところも大きいわけで、
じゃあ先生だけが悪いのか、っていう気もしないではありません。

ただ言えるのは、
ウォルター・ホワイトの性格がとにかく最悪だった、ということじゃないかと。

かつての共同経営者親友夫婦もムカつくんですが、
どうせウォルターのプライドの高さと被害妄想で
やめることになったんだろ、って気もしますしね。

だってさ、
「俺だってウォルターと同じ立場になったら同じことするよ!」なんて言える?
言えないでしょ?
どこかおかしいでしょ?
「ちっぽけなプライドとエゴ」マイクの言うとおりでしょ?!
ジェシーのことだって……。
先生なんにもわかってない!って言いたくなるでしょ!


……だけど、嫌いになれない。


先生の孤独に涙し、
先生の魂がいつか救われることを願ってしまう。

同じ事はしないけど、
似たようなことを感じてしまいそうだからさー。

あーあ、トイレに詩集なんか置いとかなきゃあなぁ。

アレさえ無ければなぁ。

アレをきっぱり処分できなかったのは、先生のちっぽけなプライドのせいで、
やっぱりそこに帰結するんだろうなぁ。


誰もが納得のラストシーン。
第1話で、先生が余命2年の宣告を受けていたこと、
今自分の感想文を読み直して発見しました。
ほんとにその通りになったんだな。
先生は最後の2年間を、自分が生きたいように生きたんだな。





いや本当に、面白いドラマでした。

まだ観てない人はこんな文章読んでないかもだけど、観て!
そしてすでに観た人は、この面白さをみんなに伝えてね!

あ、あと、ネットをさまよっていたらこんな記事を見つけたので、
興味のある方は読んでごらんになってはどうでしょうか。
ブレイキングバッド面白いね、という話題と、海外ドラマの話題になっております。

ほぼ日刊イトイ新聞 いま、海外ドラマがすごくおもしろいので。


【おまけ  以下、余韻をまったく無視した余談です】


・まったく余談ですが、スキニーのピアノ演奏には驚きました。
バッジャーといい、スキニーといい、更生すればなんか普通に暮らせそうなんだが。
ドラッグやってるわりに、自制できてますもんねぇ。

・もっと余談なんですが、DEAのオフィスで、すごい謎の髭男性が映ってますね。
なんであの人をわざわざキャスティングしたのか。一瞬なのに思考が持って行かれる。

・さらにどうでもいい話ですが、あんなにカリカリにしたベーコンってうまいんですか?
めきめき割れて、木の皮みたいじゃないですか。
ビーフジャーキーといい、カリカリベーコンといい……。
アメリカ人はもっとみずみずしいものを食べればいいのに。

・ホワイト先生がスカイラーの家を訪れたシーンのカメラワーク、
かっこよかったですね。ああいうの、いいですね。





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