ゆいレールに乗って
進行方向に背を向けて
過ぎていく景色を眺めていた
1年後
向かう景色がつぎつぎに立ち上り
変わっていく街並みを見せてくれる
3本の足と
たらりと垂れ下がった腕と
1枚の紙に
これまでたどってきた道のりと
崩壊していく姿と
わずかばかりの関係者が
書き込まれ
おひとり様の
集合体が
うごめいている
烏合の衆
弱く優しき
ふつう
普通ではない
頑固者も
ほんとはふつう
さみしき
孤独
知らぬ者たちが
余計な心配をする
平和
針の穴から
毒は忍び込んでくる
ふつうのなかに
仰々しい
飾り立てた
うそのはなを
ばらまいて
金だけじゃないんだ
ばらまきは
毒々しい派手な
馬鹿丁寧な
だまし絵もばらまいている
じっと目を凝らせば
観ようとすれば
みえてくるものも
と
いつもの席と違う席に
すわれば
景色が変わった