ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

ふるさと

2013-05-31 16:45:16 | 日記

                           ふるさと

                                    
                        うやぬぅ                
                        また
                        うやぬぅ
                        くまんかい
                        いーちょーん
                        ちぃぬぅーぬぅ
                        ぐとぅ


                        くるまや
                        ねーらん
                        うちなーじゅぅー
                        あっちぃ


                        まーちぃぬぅきーぬぅ
                        しちゃ
                        かーぎぃに
                        かくりてぃ

                        まなちぃぬぅ
                        きーぬぅふぁーぬぅ
                        かじぃうきぃてぃ

                        いーちょーん

                        みちや
                        いしぐぅー
                        しるーし
                        てぃーだぬぅ
                        ひちゃてぃ

                        あまんくまん
                        ひちゃてぃ

                        うやぬぅ
                        また
                        うやや

                        あしみじぃ
                        ひかりうきてぃ

                        しるーし
                        ひちゃてぃ


                        いしがちぃぬぅ
                        きーぬぅ
                        しちゃんじぃ

                        いーちょーん                        


                               故郷

                                                

                        親の                
                        また
                        その親が
                        ここに
                        坐している
                        きのうの
                        ことのように
                       


                        車など
                        ない
                        おきなわじゅうを
                        歩きながら
                   
                          
                        松の木
                        の下
                        影に
                        かくれて

                        真夏の                                              木の葉の 
                        風をうけ

                        座っている

                        道は
                        いしころの
                        白くして
                        太陽が
                        ひかり
                        

                        あちこち
                        光り輝き

                        親の
                        また
                        その親の

                        あせが
                        ひかりをうけ

                        しろく
                        ひかって


                        石垣の
                        垣根の木の
                        下で

                        すわっている                             


       
                             

握手の話・・・大阪で思ったこと

2013-05-30 23:21:30 | 日記
                                   握手の話

                              そこは
                              かみたちが
                              ひかりを中心にして
                              輪になり
                              どうしたもんか
                              と
                              にんげんたちの
                              このうおーさおー
                              に
                              にぎやかに
                              そして
                              真剣に
                              話し合っているのだ

                              ひかりに
                              手を差し伸べて
                              にんげんの
                              かわりに
                              そこに
                              輪になって

                              あのね
                              あのな
                              
                              天と地に
                              祈りをささげながら

                              その手を
                              とおくへ
                              とおくへ
                              ずうーっと
                              とおくへ
                              宇宙のかなたに

                              
                              地球が地球になる前の
                              原子に
                              向かい


                              手を
                              差し伸べて

                              握手するのがいい
                              と


                              仲間だからね

                              
                              原子は
                              元のままに返して


                              にんげんと
                              仲良くするためには
                              宇宙へ帰して


                              にんげんが
                              自分勝手に使うものではないのだから
                              
                              ぼくたち
                              かみがみの


                              はなしをきいて


                              原子
                              原始
                             
                              元始

                              天と地をつなぐ

                              あくしゅは

                              にんげんどうしにも

たまごひとつ

2013-05-22 12:51:07 | 日記
                               卵

                          たまご
                            の
                           ひとりごと
                            は

                           未熟な君の
                           黄色いくちばし
                           黄色い声で
                           引き裂く
                           しかし
                           叫ばずにはいられない

                           
                           白身は
                           どろどろ
                           粘っこく
                           殻から
                           移動することに
                           難渋する
                           しかし
                           殻を
                           突き破り

                           
                           たまごを
                           超えて
                           ひとりごとから

                           
                           目玉焼き


                           めのたまを
                           見開いて
                           みたまえ

                           
                           閉じ込められた
                           まぶたから
                           その触覚や聴覚や
                           あらゆる感覚を
                           研ぎ澄まし

                   
                           たまごは
                           殻の中で
                           きみとともに
                           しろみの糧を
                           得て

                           殻を
                           こつこつと
                           ひび
                           割れ目をつくり
 
                           たまごから
                           誕生したまえ                           
                           
                                                      

どろろと百鬼丸

2013-05-18 15:50:41 | 日記
                                どろろと百鬼丸

                           どどろ
                           孤児の女の子
                           汚れた男の子の格好で
                           盗みを働く
                           京の都のはずれで

                           闇の化け物に
                           体をささげられた
                           若者は
                           百鬼丸

                           どろろと百鬼丸
                           
                           手塚治虫が産み出した

 
                           闇の化け物
                           雷が
                           若者の目や腕を奪い
                           若者の後ろについて歩く


                                雷
                                ドカーン、ドンと
                                落ちた
                                暗闇になり
                                百鬼夜行
                                鬼と化け物と
                                背中に乗って
                                ついて回る

                          現代なのに平安時代
                          飢餓と戦と


                          やせ細った腕に
                          欠けた茶碗を持って
                          くれろ金くれろと
                          着古したぼろに身をくるんで
                          闇夜を
                          歩いている
                          のは
                          陰陽師安倍晴明の時代

                          いま
                          肥え太った
                          腕に
                          スーツ
                          昼間の太陽の下で
                          

                          のそり
                          のそり

                          人気者の後ろ
                          


                          
                                
                                
                           
                           

5月のうた

2013-05-15 09:52:24 | 日記
                           5月のうた

                       五月雨に
                       ぬれながら
                       通りを
                       歩いた

                       あの広場は
                       もえていたのだが
                       雨が
                       水蒸気になって
                       まぼろしの
     
                       すとらいく
                       
                       今も
                       直球の
                       ボールは
                       だれの
                       グローブにも
                       届かない

                       少年たちは
                       車の古いタイヤを
                       腰に巻きつけて
                       必死に
                       広場を
                       はしる

                       かえれ
                       かえれ

                       ホームは
                       どこだ

                       少年は
                       大人になり
                       
                       ベースを
                       持ち運んで
                       
                       ベンチに
                       敷き

                       すわればいい

                       わがホームは
                       わが下に

                       わが落ち着ける
                       
                       縁側の
                       玄関の外の
                       生垣の
                       涼しい風のとおりぬける
                       笹の間に

                       貧しい茅葺の
                       家族のもとに