fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

metropolis:

2009-10-16 00:00:00 | film・bilder++
『メトロポリス』"Metropolis"(1927年/ ドイツ / フリッツ・ラング:監督) のリバイバルを観に行った。

ワイマール共和国時代の、モノクロサイレント映画。
にして誰もが知るSF映画の原点にして頂点ですね。
私が観たのはたぶんアメリカ公開版を原型にしたもの。約2時間。
『メトロポリス』は、オリジナルの完全版が現存していないとされるが、
記録によると、前編・後編に分かれており、両方とも約3時間半という大長編だったとか。
『The Lord of the Rings』かい。
そりゃ数万人のエキストラが動員されただけの壮大さがあるわ。

座席35人ほどの館で、
フィルムがカタカタ回り始めて約2時間、一切音声がなく
鼻をすするのも憚られるくらいなのだが、
まぁなんと引き込まれる映像であろうか!
ストーリーといい、各処アールデコ風の凝ったデザインといい、俳優の熱演ぶりといい、
音声などなくとも群衆の喝采、蒸気の汽笛がいくらでも聞こえてくる。
しかもこの都市の荘厳さといったら現在のCGを駆使したもの以上の出来栄えだし、
ところどころ差し挟まれる心象描写のような前衛的表現…スバラシイ!!

このぐらいの時代の映画など見るといつも思うが、
作品の撮り方…カット割りやレイアウト、演出方法からタイミングまで、
映画は当時で既に完成を迎えていたんですね。
現在のものと全く変わらない。
要はそこに至る手法が技術の変遷とともに変化しただけなんである。
だからこそ古い映画っていうのはある意味、
昨今の新しい作品よりよほど新鮮味に溢れ、奇をてらったのでない素直な美しさがある。
最高!!


共産主義と資本主義との対立が下地にあったり、
アドルフ・ヒットラーにたいへん気に入られている作品だったりと
(監督のフリッツ・ラングはユダヤ人だが、
 原作・脚本を務めた奥さんのテア・フォン・ハルボウは後に熱心にナチスを支持するようになり、
 1932年に二人は離婚している。)
まぁ色々あるんだが、内容としては普通にいい話だ。
逐一裏を読めばそりゃあキリがない。あくまで純粋に楽しめばいいだろう。

それにしても
マリアを演じたブリギッテ・ヘルムさんは魅力的ですね。
マリアそっくりの顔をしたアンドロイドが、ウインクしてゆっくりとうなずくシーンは秀逸。

Metropolis



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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (memento)
2009-10-23 20:02:50
ずっと以前にビデオで見ました。
面白かった記憶があります。
詳細については・・憶えていません(苦笑)
デザイン的にもよくできた映画だと思います。
返信する
なにより (LOKI:(fantasia*diapsida))
2009-10-23 23:23:51
やっぱりデザインが素晴らしいですよ!
当初はフルオーケストラのバックミュージックが付いたりしたとか…
なんという贅沢。
返信する

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