fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

infernal affairs:

2007-11-15 00:00:00 | film・bilder++
「それはあらゆる時代を通じてもっともよい時代であるとともにもっとも悪い時代であり、
賢い時代であるとともに愚かな時代でもあり、信仰の時期でもあれば、懐疑の時期でもあり、
光明の時節であって、また、暗黒の時節であり、希望の春であって、また、絶望の冬でもあり、
われわれの前にはあらゆるものがあるが、また、なにひとつなく、
われわれはまっすぐに天国へ行きそうでいて、また、まっすぐにもうひとつの道を行きそうでもあり、
――要するに、その時代は今の時代と非常によく似ていたので、当時の口うるさい権威筋のある人々は、
その時代は、よいにつけ悪いにつけ、最上級の比較を用いなければ理解できないと言ってゆずらなかった。」
                                 (チャールズ・ディケンズ 『二都物語』より)


本日11月15日(木)の"木曜洋画劇場"は、

『インファナル・アフェア 無間序曲“INFERNAL AFFAIRSⅡ/無間道Ⅱ”(2003年/香港/監:アンドリュー・ラウ 、アラン・マック )』です!!

アジア映画の金字塔にして"香港のゴッドファーザー"、
『インファナル・アフェア“INFERNAL AFFAIRS 無間道”』三部作の、第2作目!
(因みに1作目は本日深夜、3作目は来週木曜深夜にて放送。)


この三部作は、私の好きな映画で10本の指に入るでしょうか。
アンディ・ラウ劉徳華、トニー・レオン梁朝偉を始めとした、超豪華実力派俳優陣、
凝ったカメラワークに退廃的な美学、
そして何より、練りに練られた脚本の素晴らしさ!

マーティン・スコセッシは三部作を『ディパーテッド』としてリメイクし、これはアカデミー賞など多数の賞を取った
(でも本家の方が受賞数は多いんじゃないかな)が、やっぱりアジア人としちゃ『ディパーテッド』のドライで分かりやすい感じよりも
『無間道』の情念溢れる物語の方が数段面白いでしょうね。

「無間有三,時無間,空無間,受業無間,犯忤逆罪者永墮此界,盡受終極之無間。」
と言うとおり、この"無間道"は若き2人の男が歩んでいく"無間地獄"へと続く道。
1人はマフィアに潜入した警察、1人は警察に潜入したマフィア。
一見在りがちなサスペンスのような設定に見えるかもしれないが、
そこに描き出されるのは男たちの凄絶な生き様だ!

"ゴッドファーザー"に例えられるように三部作の構成もそれに似ていて、
1作目でまず完結した1つのドラマ
2作目は、1作目以前の時代を絡めて描かれる大河ドラマ
3作目は1作目の後、完結編。
となっております。
本日の『インファナル・アフェア 無間序曲“INFERNAL AFFAIRSⅡ/無間道Ⅱ”』は大河ドラマですね。
主人公2人の未だ若かりし頃を描きます。
よって、アンディ・ラウもトニー・レオンも出てきませんが、この2人の過去の姿は
エディソン・チャン劉健明とショーン・ユー陳永仁が演じています(エディソンとアンディ似てるなぁ)。
脇役もまた、エリック・ツァン韓王探、アンソニー・ウォン黄志誠など大物揃いっす☆
(Ⅲになるとまたレオン・ライにチェン・ダオミンにケリー・チャンにくぅ~!)
時代は'90年代。1997年7月1日(水)・雨天(香港は何故か歴史的記念日に雨が多いとの都市伝説がある)の
中国への返還に向かう、カウントダウンの頃です。
作品のラストは、"1つの時代が終わり、新たな時代がやってくる"ということか調度返還の日と重なり、
少数の人間同士の表面的関係に収まらない、激動の時代を描いた一種の大河ドラマの風合がここで最高潮に達しますね。

いやぁ~個人的には少年時代を過ごした場所・時代が反映されまくってて、ノスタルジックですなぁ♪
あの街は「3ヶ月離れると、別世界に降り立つことになる」ってぐらいに発展が凄まじいですから。
1作目の最初~3作目で10年以上開きがあるので、街並みもファッションなども劇的に変化してますね。
携帯電話とか見てると、「あ~、作品ごとで大きさが全然違ぇ~!」って。
3作目になるとちょっと街並みがスッキリ綺麗すぎるかな?
2作目が1番ダークで汚れてて、雰囲気としてはこっちの方が好きかも?

とにかく、
『インファナル・アフェア “INFERNAL AFFAIRS/無間道”』三部作、
難解な作品でもありますが、観よ!出来れば広東語で!(緊張感が全然違うぞ!)



P.S. 私はトニー・レオンに似てると言われたことがある。
    『無間道』の彼の雰囲気が好きなので、「ちょっとああいう感じになろっかな~と考えているところもある…


オマケ:今日のポンノスケ君


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