やっぱり平日はなかなか疲れてます。ふ~。
さて、骨格標本をたまに作るんだけど、どうやって作ってるの?ってよく聞かれるんで、
一挙公開です。
①解剖:ウシガエル、鶏がら(解剖するとこないけど)、多くの魚類に関しては家でやりました。
台所で。魚なんてのは大概食べるわけで、家にある骨格も大抵「食べ残し」です。
咽からウオノエ、鰓から吸虫なんて採れたりすりゃ、ラッキーですね☆
ウシガエルくらいなら100均で売ってるバットに水張りゃ、台所で出来ます。
メスはさすがにソコソコのものを用いますが、場合によっちゃ美術用具のデザインカッターなど
でも代用可ですね。切れ味はすぐ悪くなるので、注意。
因みに解剖した後のウシガエルを夕食にしちゃう人が結構多い様ですが、
野山のカエルは結構色んなムシも付いていますし皮膚には毒もあります。
中毒例も少なくないので、素人が調理するのは勧めません。
美味しいのは分かるけど…
②煮る:私の場合、まず水煮。コトコトじっくり。肉が外れやすくなります。
またここで血っぽさが消えるので、気分的にはかなり楽になりますね。
複数個体一緒に煮る場合は、骨が混ざらないよう、ミカンのネットなり生ゴミネットなりで
個包装しましょう。ただし私は、ある程度肉が軟らかくなったな~
でもまだ各部はまだ結構結合しているな~というところで取り出して、
手作業で肉を取ります。このため、現在ネット個包装は灰汁が引っかかったりするだけで
あまり役立たないものになっていますが、煮加減に自信のないときはやりましょう。
③薬品:と言ってもスーパーで売ってる代物です。多くはパイプ用洗剤ってヤツですね。
一般的には「花王パイプスルー」か「花王ポリデント」(こういうのって商標名出して良いのかな?)
がよく使われますが、私は前者党です。
ここで肉の除去、殺菌、消臭、漂白、油抜き、が行なわれます。
ウシガエルないし鶏がら程度の大きさで、ひたひたの水に粉袋1本か2本。一晩。
でピンセットで肉を取る。この繰り返しです。
止め時ですが、えっ、まだ結構腱とか残ってるよ?くらいがちょうど良いと思います。
ウシガエルないし鶏がら程度で、巧くすりゃ3日程度でしょうか。
下手すりゃ小骨なんてあっという間になくなるもので…
最近は「花王パイプユニッシュ」も併用します。もちろん、水で薄めて。
分解力は圧倒的なので、時間も手間もかかりにくくてよいのです。
しかし強いが故に小骨を痛めやしないかと、結構慎重になりますし、
漂白や脂抜きはやはり「花王パイプスルー」の方が良いと思うので、
あくまで初期段階の大まかな除肉、殺菌に使うようにしています。
④乾燥:よく水洗いし、ゆっくり自然乾燥。数日かかりますが焦らない。乾けば完成。
最近は、乾燥しないうちに70%エタノールに浸けるようにしています。
エタノールは軟組織の分子の間に架橋構造を作ってくれるため、生体の固定が出来ます。
いくら硬い骨といっても、軟骨組織などは結構含まれているため、
そのまま乾燥させると微妙な歪みを生じてしまうことがままあります。
エタノールに数日浸けることで、そうした歪みをある程度防ぐことが可能なのです。
その後組み立てるのも良いですが、各部に分けてチャック付ポリ袋に分類してやるのも
観察しやすくて良いです。持ち運びもしやすいしね。
色々書きましたが、あくまで 生 物 の 遺 骸 なので扱いは至極丁重に!
完成後はよく観察し、敬意を持って大切に保存しましょう。
BLOG内LINK→specimens: 我が収蔵標本
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