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恋染紅葉

映画のこと、本のこと、日々の些細なことを綴ります。

最強のふたり(2011年フランス)

2012-09-14 | 映画(あ~さ行のタイトル)
事故で首から下が麻痺した富豪のフィリップと、介護人として雇われた黒人青年ドリスの交流を、実話を元に描かれた作品。


失業保険を貰うためだけに面接に訪れたドリスだが、意外にも介護人に採用されてしまう。
粗野な感じのドリスだが、実は根はやさしく、本音で付き合えるいいヤツ。
それを、フィリップは見抜いていたのか、それとも、今までの介護人に飽き飽きしていたのか。
フィリップは、大きなお屋敷に住み、お金を出せばいつでも好きなクラシック演奏を生で聴けるし、高い絵画も買えるし、万全のバリアフリー対策で悠々自適の生活をしている(ように見える・・・)。
でも、本当にしたいことは叶わないと思ってた別のこと。
ナマの恋愛とか、スピードを楽しむこととか~
人生をもっとクールに楽しみたいと思ってたのね。
それをドリスは「介護」した。

私たちの「常識」から見て、ドリスの行動は介護NG集かもしれないけど、
彼のような気持ちで接するのがいいんでしょうね。
介護する・される関係にかかわらず、人と人の関係において。

お調子者に見えるドリスだけど、
家族のこともちゃんと考えているし、
フィリップの周りにいる人たちの心も解きほぐしてゆく。
みんな、まんまとドリスの「和の輪」に入っていくのね。

彼らの痛快な関係と同じく、
使われている音楽も痛快です。

クラシックのクの字も理解せず、「踊れる」曲が好きなドリス。
かたやフィリップはクラシックにどっぷり。
冒頭ではノリノリのアース・ウィンド・アンド・ファイヤーの「September」が大音響で流れるから、ずっとこのテンションで行くのかと思いきや、
フィリップが好きなクラシックもユーモアを交え効果的に使われてます。
音楽は、音を楽しむもの、
人と人だってバックグランドが違えども、原点は同じ。
お互いの違いを認めて人生を楽しもうじゃないか・・です。


観終わってから、邦題の「最強のふたり」は冒頭の「共犯」シーンを言ってるような気もしました。
似ても似つかない二人の関係は、他の人じゃだめな「最強」な関係だけど、ドリスの素晴らしい運転技術(!)とフィリップの臨場感ある演技(!)の共犯。これぞ最強のふたり!



ユーモア溢れる温かい作品でした。




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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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いい映画だよね (みみこ)
2012-09-17 21:20:55
こんばんは。
良い映画でしたよね。変な感動の押し売りがなかったのがいいわ。
<人と人の関係において>
そうですよね、こういう姿勢は(ここまで過激じゃあなくとも)少しは見習いたいとも思うわ。
ドリスは確かにかなりブラックジョークを飛ばしていたけど、優しさも思いやりもちゃんと持ち合わせていた人だったじゃない?だから観ていて、不快感がなかったのだと思うわ。
脇のキャラもみんな魅力的で本当素敵だった・・
この手の題材は重くなりがちだけど
観た後温かい気持ちになれて後味もすっきり。
最強の二人・・は冒頭の・・というMamさんの
意見に一票。まるで夫婦のように息ピッタだったよね♪
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>みみこさん (Mam)
2012-09-18 15:10:00
TBうまく送れたようで、
ありがとうございます。
(たぶん、コピベのとき半角スペースまで入れてしまったかも)

そう、
ドリスは言いたいこと言い放題ですが、
ちゃんと優しさと思いやりがあったからね~
見かけだけいい人よりよっぽど誠実だわ。

脇キャラもよかったですよね。
お堅そうに見えてドリスを受け入れてたし。

別に社会派に描かなくても
じゅうぶん伝わるテーマでした。
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