恋染紅葉

映画のこと、本のこと、日々の些細なことを綴ります。

「ヒーローインタビュー」坂井希久子

2014-02-16 | 本(あ~さ行の作家)
阪神タイガースの代打男、ゼン。才能がありながらも不遇の選手生活を送り、最後の最後で花を咲かすが、これまた不運にもお立ち台に上がることがなかった。
そんなゼンとの思い出を、インタビュー形式で綴る。

関西育ち、阪神ファンを続けているからか、
実在の選手をパロディー化した名前もクスッと笑えるし、
阪神が優勝したとき(85年のほうね)の懐かしい思い出も蘇ったし、
面白くてイッキ読みでした。
ゼンの朴訥とした人柄も魅力的ですが、
その周囲の人たちの人間模様もしっかり伝わり、
笑って泣けるお話でした。

ある女性の言葉、あの言い回し、関西ならではの味というか、ものすごくいいわぁ~

「ああもう、なんなん。かわいいなぁ」



最後のくだりは、
それもありそうでなさそうで・・・なエピソードで、
まあ、それも「オチ」みたいでいいかなと。

「泣いたらアカンで通天閣」みたいに映像化してくれないかな~


ライク・サムワン・イン・ラブ

2014-02-14 | 映画(ま~わ行のタイトル)
イランの名匠、アッバス・キアロスタミ監督が、初めて日本での撮影を敢行した人間ドラマ。年老いた孤独な元大学教授、デートクラブで仕事をする女子大生、その彼女を束縛しようとする青年が、独り善がりな愛や欲望、うそと真実の物語を織り成す。

地味な映画が好きになり始めた頃(苦笑)、イラン映画をよく見ました。キアロスタミ監督の作品は好きでした。
その監督の作品を久しぶりに見ました。
WOWOWで放送されていたのを録画しての視聴です。

ストーリーがありそでなさそな、曖昧な、特別な何かが起こるわけでもなく、日常だけを切り取ったような展開。

ただ、ここに登場する若い二人には共感持てなかった。
女子大生の彼女は、自分勝手な感じがしたし、自分で解決できなくて、人を利用しているように見えた。
最後にキレた彼も、自分勝手だけど。
なんで、元教授のところに災難が降りかかってしまうのか。
巻き込まないでよと思った。
でもそのことを迷惑に思っていない老人。
彼女に振り回されながらも、この子には自分が必要だと思い込む。
社会的にそこそこの地位にいた人ほど、いつまでもその感覚に酔いたいのかな。
なんだか殺伐とした感じが残るのだけど、何かが心に残ってしまう作品だった。

すーちゃん まいちゃん さわ子さん

2014-02-14 | 映画(あ~さ行のタイトル)
益田ミリ原作の漫画「すーちゃん」シリーズの映画化。
柴咲コウ、真木よう子、寺島しのぶがそれぞれを演じてます。

WOWOWで放送されていたのをなんとなく録画してなんとなく観てみました。

3人とも素晴らしい女優さんですが、
個人的にはそれほど好きな女優さんではありません。
が、これは3人ともになぜか共感できてとてもよかったです。
みんな、どの部分かで「あるある」と頷けます。

すーちゃんの恋の思い込みとか、
お店の従業員への心の声とか。

まいちゃんの選択も、
これを選ばなかったほうの自分も見てみたいとか。
その前に、
がんばりすぎてるその中のどれかひとつをやめてごらんと言ってくれたときのその気持ち。
たぶん、男の人ならその言葉をかけられたなら「バカにして」とかプライドを傷つけられたと取るかも。
でも女の人には、その言葉は肩肘張ってた心にふわっと温かい毛布をかけられるような感じだと思う。

あと、とても印象深かったのは、
さわ子さんのお家で、身内でさえ、「どうせ分からないから」とおばあちゃんに顔を見せないのに、すーちゃんとまいちゃんは、それでもちゃんと挨拶しに行く場面。
あ~、いい子たちだ~とほっこりしました。

素直に、正直に、毎日生きていくことがどれだけ幸せかと気づかされた映画でした。



アメリカン・ハッスル

2014-02-12 | 映画(あ~さ行のタイトル)
面白いと評判がよかったので観てきました。

冒頭から、
「名前のない馬」byアメリカ が流れたり、
≪ヘアメイク≫シーンだったりで、
「これは面白そう」とワクワクします。

楽しく、忙しい映画でした。
なんだかめまぐるしくいろんな事が押し寄せて、
クルックルと回っているようでした。

でも、アメリカン・ジョークを理解できないところもあり。
イギリス訛りとアメリカ訛りの違いとか、
氷上の釣りのオチはなんだったっけとか・・・。

出演者では、
詐欺師のでっぷりお腹や、愛人のセクシードレス姿はもちろんですが、
詐欺師の妻の暴走ぶりが一番面白かったです。
最初はウザかった彼女も、
なんだか可哀想になってきましたが、
ちゃんと新しいお相手とうまくいきそうで、良し。
パンチパーマのFBI捜査官はいいところなし?

でもま、
人生について深く考えることなく、
すっきり笑える時間を過ごせたから、
エンターテイメントとしては観る価値ありかな。

メイジーの瞳

2014-02-06 | 映画(ま~わ行のタイトル)
離婚し、娘の親権で揉めている両親。
その親たちの元をいったり来たりしている娘・メイジー。
会えば醜いケンカばかりしている両親を、幼いメイジーはどんな思いで見つめているのか・・・。
パパもママもどっちも好きで、顔を見ると満面の笑みでその腕に飛び込んでいく。
なのに親たちは、自分の都合のいいときしかメイジーを抱きしめない。
都合のいいときだけメイジーを愛している。
お互いの再婚相手のことも、メイジーと自分とを繋ぎとめておくための小道具、存在としてしか見ていないようだ。
メイジーはまだ幼いから、純粋にパパとママが好きな気持ちしかまだない。
もし、彼女がもう少し大きかったなら、きっとこんな親たちを選ばないだろう。
さっさと自分から親離れしていると思う。
決してネグレクトではないけれど、あんな親はイラナイ。
物語の中盤から「たぶんそうなるだろうな」と予想させられる若い二人の関係は、メイジーがいわばキューピット役。
将来、もし二人が結婚して・・・となればまた難しい状況が出現するかもしれないが、でも、出来ることならせめてもう少し大きくなるまで、彼らと一緒にいるほうが幸せなんじゃないかと思う。

メイジー役の子、可愛かったです。
いろんな可愛い服を着て、とてもよく似合っていて。
日本版なら、1、2年前の愛菜ちゃんかな。