三輪のレッドアラート!

憂国のクリンゴンのブログですが、最早あまり知識系の話題は取り上げません。自分の頭と心を持たぬ馬鹿が群れるだけですから。

ロシアの意図について考えてみる

2006-08-19 20:41:39 | 日本を襲う地獄の未来
ちょっとばかり腑に落ちないので、ロシアの今回の漁民殺害について考えてよう。

今回のロシアのアクションは、明らかに日本に対する敵意に基づいた意図を含んで居る。

あの場所にあのような警備艇を配置して、徹底的に取り締まれと命令したら、普通にこう言う事が起きるとロシア当局が理解していなかった訳はない。

人が死んでしまったのはロシアに取っても意外だったかも知れないが、どちらにしても拿捕を一件起こす事はロシア当局の願う所だった筈だ。

ともかく、ロシアのアクションは挑発を意図したものであり、その挑発に対して日本人が殴り返して来ない事も当然織り込んでいる筈。

佐藤健様は「この事件は2島返還だってありえないと言うロシアの意思表示だ」と言う風に言っておられたが、それももちろんあるのだろうけど、そんな事は暴力を使わなくても、のらりくらりとやっていれば、今までの通りで推移するのは知っている筈。
しかも日本で拉致云々の問題が取り沙汰され、主権に関する意識が高まっている事も靖国参拝が過去最高を連年更新している事からも理解している筈。

はて?そんな中で何故険悪な雰囲気を醸し出そうとするのか?間尺に合わない事ではないか?
相手はロシアであり、計算高い国の筆頭なのだ。
もちろんソ連崩壊以後の債務を、エネルギーの利益で取り返しつつあり、今までの大人しいロシアの仮面をかなぐり捨てる時期が来た・・・とプーチンが思い切ったのなら別だ。

けど、プーチンはまともな大統領なのだ。頭数ばかり多い、しかも守備範囲の広いロシア軍の全軍をソ連の時代を彷彿とさせる陣容に帰り咲かせる為にあと何年掛かるのか?
恒常的に起こるイスラム教徒との衝突、周辺国への締め付け、アメリカへの裏からの敵対、シベリア方面と沿海州に間接侵略を掛けつつある中国への警戒、北朝鮮の暴発を防ぐ為の手当て。
こんな最中に日本と遊んでいる暇はあるのか?

よしんばロシアが旗幟を明らかにして、極東の独裁者国家達と手を結んで日本に対する敵対姿勢を強くするつもりになったのだとしよう。

では何故こんな他から浮いた過激な方法を取るのだ?しかもせこいやり口で、不手際で人まで殺してしまって・・・・。

飽くまで推測ではあるが幾つか考えられる事を列記しよう。

1.ありそうなケース。
 ロシアは日本に全くなにも期待していない。今回の事件はロシアの内政の問題であり、日本に対して強圧的な態度を取る事によって、大統領の日本に対する弱腰と言う批判を行動で違うと示してみただけ。

2.ちょっとした陰謀コース。
 ロシアとしてみれば、実は北方領土問題を解決したがっている。でもロシアから返還したいと言えば貰えるものさえ貰えない。だから日本が北方領土を欲しがる様に、天然資源採掘の噂を流し、嫌がらせで拿捕も行い、高値が付くように操作を行おうとしただけ。死人が出たのは計算外だったが、そんな事でおたおたしていては大物にはなれない。その程度の認識。

3.空想的なケース。

 日本に対して他国の脅威を見せつけ、憲法改正を促進する事が目的。それによって極東の日本への敵対国との緊張が高まり、それによって全てが共倒れしてくれるか、いずれかの勢力(日本でも中国でも韓国でも北朝鮮でも)が倒れてくれるのを期待している。ロシアは極東に大兵力を現在も今後も割ける見込みがない。だからロシアに攻め込んできそうもない日本の兵力を活性化させて、潜在的に最も危険な国である中国を叩かせる。

 こんな所だろうか?ともあれ、今の時点ではこの程度の想像しかできない。

 いずれにせよ、ロシアは日本との友好条約その他の取り決めについては、今後しばらくはないものと考えて行動していると見て間違いない。

 ロシアは日本がアメリカポチを今後も継続するものと見込んで、アメリカの望まない日露友好条約の締結など、しばらくはありえないものと考えている。

 これは確かだろう。今のロシアは日本に対して遠慮などする必要はないものとして行動している。
 多分、中国その他からそう振舞う様に求められている事も原因なのだろう。
 その他にもいろいろ考えられる事はあるが、ロシアに取って、現時点で最も得がある行動は日本への敵対である。そう言う事で間違いないだろう。