言葉の旅人

葉🌿を形どって、綾なす色彩に耽溺です。

“削る”ことは削るの一語ではない!

2016年12月12日 | Weblog
 先日の土曜日のことである。

 大阪駅前のヨドバシカメラで、電化製品の世界に占める日本の位置が随分と低下してしまった様相を実感して寂しい思いをしたあと、知人と近くの店で思わず長話をしてしまった。

 それが尾を曳いていたのかそういった世間話の序でに、ふと旋盤の話しに及んだときに“削ると言う言葉は削る程度や仕上がりに関して様々な表現の違いがあるんです”と説明する事になった。
 ところが、削るはその他に“はつる”とか…、と言ったあと思い出せなくなってしまった。
 そう言えば暫く言語の場所から遠のいてしまっていたのだなぁとつくづくしみじみ。それで終わっては身も蓋もない。ノートを探して見るよと約束して別れ、売り払った書籍と違って値打ち無くて残されたファイル群をひっくり返して探してみた。

 整理して記述しておいたと思ったのが、単なるメモ程度のB5一枚に過ぎなかったのも驚きである。

 「削」は機械で以て削るのは削る。鋼で削るのは“はつる”という。そこまでは覚えていたわけだ。
 で、そういった現場言葉として、微妙な使い分けが必要でその使い分けとして、

鉄の場合は、「削る」に始まり、
 「くる(刳る)」
 「へずる」
 *この語に関しては確か「へつる」というのもある筈である。
 「なめる(舐める)*極く微量を削る」
 *この言葉は真に生々しい実感が込められていて絶妙な表現と私は思う。
 「さらう(掠う)かな?」
 「もむ(揉む)と思う」
 「えぐる(抉る)」
 「たてる」
 *裁てる,断てる、とは違うような気はするので私としては不明のままです。
 「むしる(毟る)」
 *凄い削り方もあるものだと思う。見てみたいなぁ。
 「ぬすむ(盗む)」
 *理解できるようで、その程度が分かり難い言葉ではないですか!

 その他、メモとして
 「切る」・「挽く」・「抉る」・「剔る」・「刮る」・「掠む」
 削るの一群の中に入れるか、切るという言葉としてなのか、荒々しいメモでしかない。

 約束したものの、例記するのみであるのが心苦しいが、今回はこれで勘弁して貰おう。


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