見ないフリ

一時的な対応策にしかならない現実逃避をずっとするブログ

レミゼのフラッシュモブを楽しむ。

2014-10-31 | 本と漫画と映画とテレビ
ユーチューブ大好き!

ステキな映像がスキな時間に観れる幸せ。

ヒマに飽かせては、フラッシュモブ動画ばっかり観てる。最近。
まあ、アホだね。

たくさんの人々が、雑踏の中で
一斉にダンスや演奏などのパフォーマンスをおっぱじめる
というあのフラッシュモブ。

(企業主催や宣伝目的で行われているもののほうが、完成度が高く、
カメラワーク&編集もしっかりしていて観ていて楽しい。
あと、格好がいかに普通の通行人っぽいか、サッと立ち去れるかというのも重要)

ベルギーのアントワープ駅で踊る『ドレミの歌』や、
マイケル・ジャクソンの『Beat It』なんかが有名?かしら?


そして、先日。
ユーチューブから「あなたにおすすめ」されたのが、
『レ・ミゼラブル』のフラッシュモブ。

その中でも、
劇中歌『ワン・デイ・モア(one day more)』のフラッシュモブにいたく感銘を受けまして。
いろんな人がいろんな旋律を歌いながら、だんだん盛り上がる感じがたまらん~!って。

一目惚れ。一聴惚れ。

つっても、『レ・ミゼラブル』の内容ぜんぜん知らないんだけど。
あらすじ、登場人物、『ワン・デイ・モア』という曲も知らない。
ただ、スーザン・ボイルが歌っていた『夢やぶれて(I Dreamed a Dream)』の
メロディが入ってたから、若干、耳なじみがあったっていう。

それだけ。
それだけなのに、めちゃくちゃステキな映像。

ただ、なんにも知識がないので、
全力でこのフラッシュモブを楽しめないのが、悲しいやら、情けないやら・・・

悔しいです!

というわけで、
がっつり『ワン・デイ・モア』のフラッシュモブを楽しむべく、
サクッと『レ・ミゼラブル』の要点を押さえていこうじゃないか、と。


『レ・ミゼラブル』(Les Misérables)
1862年にフランスの詩人・小説家であるヴィクトル・ユーゴーが執筆した
理想主義的な人類愛と、貧困&無知が生みだす社会の悲惨とを描いた大河小説。
(「レ・ミゼラブル」とは、日本語で「悲惨な人々」みたいな意味)

この小説を原作に、1980年にフランスでミュージカル化。
そのフランス版を大きく改訂し、1985年に英・ロンドンで初演されたミュージカルが、
今もロングラン公演を続ける人気作品、ミュージカル『レ・ミゼラブル』。

ミュージカルだけでなく、小説をもとにした映画、ドラマ、漫画、アニメもある。
下の少女は、登場人物のひとり、コゼットの幼少期。(小説の挿絵版画)
もはや、『レ・ミゼラブル』のアイコン的存在。



19世紀の有名小説であり、20世紀の人気ミュージカルでもあるわけです。

なるほどなるほど。


てか、
原作も舞台設定もフランスで、フランスの歴史もからんでくるのに
英語で大ヒットしているミュージカル『レ・ミゼラブル』を
フランス人はどういう気持ちで観るのだろう。。。
あんまり気にならないのか・・・?


話を戻しまして。

それでは、『ワン・デイ・モア』が歌われる
ミュージカル『レ・ミゼラブル』の内容を掘り下げていきましょう。


物語の流れは、
小説もミュージカルもだいたい同じ。
(多分ね!)

まず、
舞台は、1815~33年のフランス。
時代背景は、ナポレオンの100日天下終了~ブルボン王朝が復活(王政復古)~
~1830年の7月革命~7月王政の中期あたり。

市民?ブルジョワジー?が力を持ち出した時代なのかな?
(早速わからなすぎて、疑問符がいっぱい)

でも、
この物語の登場人物はみんなタイトル通り、レ・ミゼラブル。
悲惨な人々。

この時代に生きた、下層階級出身者、犯罪者、女工、娼婦、貧乏人、孤児・・・
そんなレ・ミゼラブル(悲惨な人々)の群像劇。


プロローグ&第1幕で
1815~32年の出来事と登場人物たちの様子が紹介され、
第2幕は、ほぼ、1832年に起きた6月暴動の様子。
最後にちょこっと後日談。

こんな感じ?流れ?合ってる?

と、とにかく、
第2幕の6月暴動を通して、登場人物たちが一堂に会すというのが
この物語の目玉であり、いちばんの盛り上がりなわけ。


ちなみに、1832年の6月暴動とは。

1832年6月5日から6日にかけて仏・パリで発生した民衆蜂起。
2年前の1830年に起きた7月革命後の王政に対する不満と、
不景気と、コレラの流行で民衆の不満が大爆発ー!!!

「政府には民衆の声が聞こえとんのケ?」
「 Do you hear the people sing ? 」というわけです。

ABCの友のような過激共和派が、
当日執り行われていたナポレオンの部下、ラマルクさんの葬儀を
暴動の足掛かりにしようと各自武装して葬列に加わっていて、
葬列が停止したところを見計らって、暴動開始ー!



画像は、映画『レ・ミゼラブル』のワンシーン。
(この映画、今ものすごく観たい!)

この6月暴動は、歴史的にはあまり重要な出来事ではないのだけど
下層階級の人々が、上からの指示じゃなく自らの手で組織した初めての蜂起だったから、
『レ・ミゼラブル』では、メインとして取り上げられてるらしい。


余談ですが。

当時のパリは、コレラが尋常じゃなく猛威をふるっていたとかで、
市内だけでも1カ月で1万人以上が亡くなったんだって・・・
死体回収もおぼつかなくなり、衛生状態の悪い貧困街では
コレラは都市伝説で、実は警察が毒物を散布してる…なんていう噂も出てきたり、、

ひゃああああ・・・今はエボラが怖い・・・・


でね、
やっと『ワン・デイ・モア』の話です。

『ワン・デイ・モア』は、この6月暴動の前日に歌われる曲。
なので、第1幕の最後に登場します。

6月暴動を前日に控えた登場人物たち、ひとりひとりが様々な気持ちを歌うので、
それまでに歌われてきた主要なメロディが錯綜するわけ。
みんなが6月暴動に参加するわけではないし、気持ちのベクトルもいろいろだから
もう言いたい事を言っている。みんな、ごちゃごちゃ言ってる。


そんなごちゃごちゃ言う人々、
登場人物がこちら。



わかりづらい相関図・・・。
(小説の解説本『「レ・ミゼラブル」百六景』という書籍を参考にしたので、
ミュージカル版とは、あらすじ&人物の相関関係が多少異なります)

『ワン・デイ・モア』が歌われる1832年には
ミリエル司教とファンチーヌは、すでに故人のため登場しません。
あと、ガヴロッシュのソロパートは『ワン・デイ・モア』にはない。

小説では、
マリユスが暴動に参加するのは、当日、5日の夜からなので、
前日は『ワン・デイ・モア』な気分でもないだろうし、
ファンチーヌも前歯を売っちゃうから、「th」の発音もできないし、
『夢やぶれて』を歌ってる場合じゃないだろうし、、

・・・こうやっていろいろ
小説とミュージカルの相違点を探すのも楽しいけれど、
それはまたの機会に。


サクッと押さえるはずが、めちゃくちゃ複雑な話。


さてさて。

以上の情報を頭にたたきこんで、
もう一度『ワン・デイ・モア』のフラッシュモブ動画(どれでも可)を視聴。


まず、
「ワンデイモア」と歌い始める人物が、主人公のジャン・ヴァルジャン。
序盤の裁判シーンで歌う『Who am I』と同じ旋律で
「追手が来てるっぽいから、明日には逃げるぞ~!」的なことを言う。

続いて、
『夢やぶれて』のメロディで愛を語り合う男女がマリユスとコゼット。
「こんなに愛してるのに、明日には離れ離れ!」つって。ラブラブ。

はいはい。

そんな2人の少し離れた場所から登場する女性がエポニーヌ。
「マリユスへの片思い」を歌う。せつない。
大島屋のり「花板さん」状態。

しばし、この三角関係を眺める。

んで、
秘密結社・ABCの友のリーダー、アンジョルラスが
「いよいよ明日は革命だ~!」つって入ってきたかと思えば、
マリユスが「明日の革命、参加しようか迷うわ~。彼女いるし~」って言い出す。

やる気マンマンのアンジョルラスと、悩めるマリユス。

次に
ジャン・ヴァルジャンが、大声で「ワンデイモア!」って叫ぶとともに
歌い出すのはジャヴェール警部。
「明日の暴動には、変装して参加して暴徒を捕まえるぜ~!」って意気込んでる。

宿屋のテナルディエ夫妻も入ってきて、
「自由だからって幸福とは限らない。あっちにいいカモがいるわ!泥棒成功!」
つって『Master of the House』の旋律で歌う。

最終的には市民やら学生やらその他大勢も全員集合!
「自由を手に入れるぜ~!」
「 Do you hear the people sing ? 」

結局マリユスも「共に闘う!」つって参加表明。
(ここで、マリユスとアンジョルラスが握手)
(もしくは、周囲のみんなが喜ぶ。イエス!)

あとは、それぞれが言いたいこと言ってる。
ごちゃごちゃ、つべこべ言う。

みんな明日への想いはそれぞれ。
でも、言葉は同じ。
「ワンデイモア~!いよいよ明日だわ~!」

・・・っていう。


はい。

おわかりいただけただろうか?

フラッシュモブだから、
みんな普段着だし、言葉もわかんないけど、
登場人物や状況を押さえてたから、より楽しんで聴けましたね。

大成功ー!

ユーチューブ、サイコー!

ホント、
一旦、ユーチューブという名の魔王に捕まると、
そこから抜け出すのは至難の業だわ。。。

おとーさん!おとーさん!
魔王(ユーチューブ)が私の腕をつかんでくるよ!

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