迷惑もハローワークもあるかぁ!
―映画『アウトレイジ 最終章』より
忙しい。
2017年秋、映画ウォッチングでとっても忙しい。
『奥田民生になりたいボーイ、出会う男すべて狂わせるガール』『僕のワンダフルライフ』『ギミー・デンジャー』『ノクターナル・アニマルズ』『ブレードランナー』。あと、早稲田松竹のエドワード・ヤン特集にヒッチコック特集。
(『エンドレスポエトリー』も観たい)
それも、
サービスデーなどでお得に観るため(セコい!)
自分の都合と気分と映画館のスケジュールとが
ガチっと合う日を吟味して観に行くわけです。
が、映画館の席に着いたら着いたで、
本編前に流れる映画『火花』の予告に2丁拳銃が出ていて、
これがまたなかなか面白そうで、観たくなったりして。
さらに忙しくなる。(でも幸せ)
そんな忙しい(?)最中に、72時間テレビです。
元スマップの。新しい地図のあれ。
となると、11月の貴重な3連休は
映画を休んでPCの画面にかぶりつくしかない。
「吉本、ホリプロ、太田プロ所属の芸能人が出ていないぞー!」
なんていうツイッターのつぶやきを眺めつつ、
日本の芸能界の闇を感じたり、感じなかったり。
芸能界って駆け引き・騙し合いの連続。
なんかアウトレイジみたい。つって。
したら、予定外の
<『アウトレイジ』観たい欲求>も増幅するわけで。
『アウトレイジ 最終章』(2017年公開、日本)
監督・脚本:北野武
製作:森昌行(← 一瞬、元スマップかと思う)
出演:ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧 他
日本のヤクザ抗争を描いた『アウトレイジ ビヨンド』(2012年公開)の続編映画。
いや~最終章。全員暴走。
怒号と大金、銃弾が飛び交ってた。
脳出血の後遺症も演技の一環かと思うくらい、塩見三省の演技が光ってた。
そして、
日本の芸能界同様、アウトレイジの世界も高齢化が進んでいた。
あと、北野作品がフランスで受ける理由がちょっとわかった。気がする。
(『アウトレイジ』シリーズしか観たことがないけど)
映像が、色のトーンがきれい。音楽がかっこいい。フィルム・ノワール的な退廃感。
この辺りの美的感覚がフランス人の琴線に触れるんでしょーな。(って上から!)
だけど、1点。
私は日本人だから
どうしても気になることが1点。
関西弁がヘン。
関西弁がヘンだよ『アウトレイジ 最終章』。
まぁその、ひとえに「関西弁」と言っても、
大阪、京都、神戸など各地域によって
語尾やイントネーションが違うけれど。
それにしても、
『アウトレイジ 最終章』の関西弁は違和感ありあり。
特に、最終章の主軸を担うピエール瀧の関西弁がすごいヘン。
キャラクターがいいだけに、とっても気になる。
これ、井筒監督だったら
「しょーもない関西弁しゃべりやがって、ボケェ!」
つってブチ切れていると思う。
アーティストは耳がいいっていうけれど、
静岡出身者に関西弁はムリがあったんじゃないだろうか。
(それとも、エセ関西弁を喋る役だったのか?)
福島出身の西田敏行は、普通に上手なのに(さすがはナイトスクープ局長)。
「英語はロックのビートにハマる言語で、
フランス語は愛を語るのにピッタリの言語」
そんな話を聞いたことがあるけれど、
同様に語るなら、
「関西弁は口喧嘩をするのにもってこいの言語」だと思う。
そもそも、瀬戸内海周辺地域の言葉遣いは、
13~16世紀ころに東南アジアで活動した海賊(倭寇・わこう)に
由来するところが大きいらしく、
そのせいか?なかなか汚い。
(「~やんけ」といった、語尾の「け」が汚さの筆頭。と思う)
さらに、ケンカ言葉の語彙が豊富。
「殴る」という言葉ひとつ挙げても、
「どつく」「しばく」「いてこます」「どつきまわす」・・・etc.
『アウトレイジ』では特に、
関東勢が「バカヤローコノヤロー」一本調子なこともあって、
関西弁のケンカ言葉がいっそう際立つ。ハズなのに。
せっかくの素晴らしいケンカ言葉が、
ヘンな発音でパァになっている。あぁもったいない。
その点、監督&役者が関西出身の『火花』はかなり優秀。
(予告だけで期待しすぎ?)
とりあえず、
北野監督には、アニメ版の『じゃりんこチエ』と、
吉本新喜劇・未知やすえのキレ業&巻き舌を観て勉強してほしい。