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One Day, One Cocktail

Wine & Cocktail Bar Ararat Official Blog
カクテルで綴る歳時記

『Sharlotka(シャルロッカ)』

2012-04-14 17:40:17 | ロングカクテル
春ですね。

大阪も
桜の名所各所ではほぼ満開。
見頃を迎えています。


といいつつ
昨夜は花散しの雨。

桜ばかりは
日本人にとって
なんとも喩えようのない「あはれ」を感じさせます。



ということで
勿論
本日のお題は『桜』。


我々の世界で

桜といえば

即、『ズブロッカ』が出てきます。

ズブロッカ プロ 52度 500ml

ズブロッカ プロ 52度 500ml価格:1,239円(税込、送料別)



ちなみにこのズブロッカは
この度日本先行発売されたスペシャルバージョンです。




『ズブロッカ』には
桜餅を思わせる香りがあります。


その香りを醸し出しているのは
上の画像からもおわかりになるとは思いますが

瓶に閉じ込められた1本の枝。

見た目から「枝」としていますが
実は稲などと同様の、細長い葉っぱです。

別名『バイソングラス』。

かつてヨーロッパに多数生息していたバイソンが
この草を好んで食していたことからそう呼ばれています。


『ズブロッカ』の酒名は
バイソンをポーランド語で『ズブラ(zubra)』と称することから。

ズブラのウォッカでズブロッカ、です。

ラベルにはそのズブラが描かれています。


またこのズブラは、現地では雄々しさの象徴とされていることから
このバイソングラスの風味を溶かし込んだズブロッカには、強精の効果があるともいわれています。


ですが
私的には

そちらの効果は全く感じられませんです。






失礼(咳払







ともあれこのバイソングラス。
和名を『香茅(コウボウ)』と申します。


この芳しい香りは
この草に含まれる芳香成分『クマリン』によるものです。

桜の葉の香りも『クマリン』によるものです。

桜とは、植生も属種も全く異なるものでありながら
同様の成分を有することに自然の不思議を感じます。


さて
この『クマリン』、
名前の響きはかわいいですが
肝毒性があるとされています。


とはいっても
その毒性は極々微々たるもので
全く無視すべきものといって差し支えないでしょう。


といいますのも
この『クマリン』の半数致死量は
(平たくいいますと、10人が同量摂取した場合、5人くらいが死んでしまう量 ←って、そんなんでいいのか?)


実験動物で、体重1kg当たり200mg~600mgとされています。

人間で例えますと
60kgの場合、12000mg~36000mgということになります。

また、体重1kg当たりで10mgを超える摂取量が“ある程度長期”になると、肝機能に障害が出る可能性が指摘されています。

体重60kgの人なら600mgですね。





ズブロッカ1ℓに含まれるクマリンは、12mg前後とされています。
旧ボトルは500ml入りでしたから、1本では6mg。


体重60kgの人が、600mgのクマリンを摂取するには

要するに
ズブロッカを100本飲まなきゃならんわけですが。

しかも
これが“ある程度長期”に及ぶと肝機能に障害が出る、らしいのですが。



クマリンより、急性アルコール中毒が心配です。


常人が
ズブロッカを1本飲み干すのでも至難の業です。
といいますか、かなり危険です。

大抵は泥酔どころか酩酊状態になります。


よほどの酒豪でも、一晩じっくり時間をかけて飲んで2本。

それでも
3本飲めば、救急車が必要かもしれません。




といいますか
桜餅なら、何個食べれば肝機能を損ねるのでしょう。





このクマリンの毒性(とされているもの)の件は

例えるに
ひと頃の「魚の焼けこげ」のようなものです。


お若い方はご存じないかも知れませんが

年配の方でも「ああ、そんなこともあったかな」などとお忘れかもしれませんが

昔「魚の焼けこげ」には発がん性物質が含まれるとして
大騒ぎになったことがありました。


因果関係などは全く解明されぬまま「発がん性物質が含まれる」という事実だけが一人歩きした滑稽な事件です。

何年かおきに必ず
こうした、まことしやかで
ヒステリックな狂騒が起きますね。


あまり大仰な物言いははばかられることを承知で書きますが
このところかまびすしいベクレルだかシーベルトだかなんだかの問題も

背景には同様のメンタリティがある様に思います。


ちなみに「魚の焼けこげ」だけでガンを発症するには
体重の四倍のおこげ、本体の魚を加えると、なんと100トンもの量を

“毎日食べなければならない”ということらしいです。

シャチですら魚1日100kgも食べないでしょうね。



またアメリカでも
いまだにこのクマリンの規制が外れない為

アメリカのズブロッカには
バイソングラスは入っていません。



クマリンでちょっと引っ張りすぎましたね。



次回は
このズブロッカを使った
超簡単で美味しいカクテル

『Sharlotka(シャルロッカ)』の
レシピと解説です。

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