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「第三の嘘」アゴタ・クリストフ著 堀茂樹翻訳

2017年02月21日 | 読書

【ベルリンの壁の崩壊後、双子の一人が何十年ぶりかに、子どもの頃の思い出の小さな町に戻ってきた。彼は少年時代を思い返しながら、町をさまよい、ずっと以前に別れたままの兄弟をさがし求める。双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされる真実と嘘とは? 『悪童日記』にはじまる奇跡の三部作の完結篇。】

作者の体験などが作品の中に組み込まれることはあって、そこから学ぶべきものもあるけれど、小説というのは基本的に虚構、フィクションなんだよね。お話はお話。なんでも鵜呑みにしてはいけません。(鵜呑みにすると、真実がわかったときのショックが・・・何が真実で何が嘘なのか、混乱するわ

思い切り不幸で悲しい物語でした。不幸(苦)を楽に変える方法はあるのですが、その方法を見つけることができないまま一生を終える人もたくさんいます。楽になろうと嘘をつけば、かえって楽から遠ざかることになります。物を書くことによって(心の中の苦しみをはき出せて)気持ちが(一時的に)楽になるということはあるけどね。それによって苦が全く無くなることはない。

苦から楽へと人生の流れを変えるしかないのですが、うまく変えるにはどうすればいいのか、多くの人は知らない。

リュカもクラウスもそうだったのでしょう。

>私が彼に言うこと、それは、いつもとおおむね同じだ。私は彼に、死んでしまっているとすれば、お前は運のいいやつだ、ぼくはお前の立場にいたいと思う、と言う。私は彼に、お前はいい役回りに当たった、重い負担を背負わなければならないのはぼくのほうだ、と言う。私は彼に、人生はまったく無益なものだ、無意味そのものであり、錯誤であり、果てしのない苦しみだ、こんなものを発明した〈非ー神〉の陰険さたるや、とうてい理解できるものではない、と言う。

自分の人生しか知らない(知り得ない)人間は、他人を羨む。けれど、相手からすればまったく同じ言葉を返すことになるでしょう。彼らの絶望のきっかけは彼らに責任はないけれど(確かに悲惨で不幸な事件ではある。特に子どもにはね、大変な人生です、だけどこの世は、人生というのは、絶望するほどの価値は元々ない。しかも、自分次第で変えていくこともできる。どうしようもないことは美しく諦める。つまり絶望することはないんだけどね・・・。

環境、教育は大切です。乗り越える力をつけることは大切。

この絶望感にやられないようにしなくちゃね。
愛着を乗り越えるには、無償の愛情(慈悲)のエネルギーが必要です。愛情(慈悲)は与えるだけなのです。たくさんの慈悲エネルギーを、子供たちに!

慈悲喜捨の心を育て、生きとし生けるものすべてに慈悲のエネルギーを分けてあげられますように…。 

 

嘘は、”希望、夢、主観的な見え方や感覚”だったりする。ただ、”真実”ではない。
物を書くことについても考えさせられました。 

星5つ 

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4 コメント

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物を書く (都月満夫)
2017-02-21 13:33:26
もちろんフィクションでも嘘は書けません。
現実にありえないことを書くとSF になってしまいます^^
したっけ。
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都月さん、こんばんは。 (まる)
2017-02-21 22:54:06
小説もしっかり取材をして書かれるので、全くの嘘とは言えませんね。学ぶことも多い。SFも、今を見つめ直すきっかけになる優れた作品もたくさんあります。
ただ、作り話であることは作り話なのでその辺のところは分かっておく必要があるなあ、とふと思ったこの三部作でした。
都月さんがこれ読んだら、どんな感想を持たれるでしょうか?^^
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書評投稿サイト・本が好き!のご案内 (本が好き!運営担当)
2017-02-22 22:46:39
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