過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。
きみが思い悩んでいるときも
小鳥たちは葉蔭に憩い
幸せいっぱぁい と歌ってる
きみが悲しみに暮れて
頬を濡らしているときも
陽だまりの猫は寝返りうって
幸せいっぱぁい と欠伸している
きみがどんなに寂しいときも
野の花は風に吹かれて
幸せいっぱぁい とスウィングしてる
理解しようとしなければ
人生はもっと
簡潔で美しいものかもしれないよ
ぼくらはただ
惜しみなく降りそそがれている優しさに
気づくことができないだけかもしれないね
★絵:Marta Arnau★ ↓ポチッっとね
ねぇ
ときにはこうして手をつなぎ
いつもの道を歩いてみよう
ぼくらには少しばかり
親密さが欠けているけど
これくらいがちょうどいい
ねぇ
ときにはこうして
何も語らず見つめあおう
小さなテーブルを挟んで向かい合い
頬杖ついたりなんかして
ぼくらには
これくらいの距離がちょうどいい
近づきすぎれば悲しみが増して
遠く離れれば寂しくなるから
だから ねぇ
ときにはこうして指をからめてみよう
ふたりで過ごしたなにげない時間を
ずっとたいせつにしたいから
いつの日かぼくらの距離も
やさしい想い出にかわるときがやってくるから
★絵:レイモン・ペイネ★↓ポチッっとね
錆びついて
動かなくなった短い針
歪んで
あらぬところを指し示す長い針
速くなったり遅くなったり
あるいはふと停まってしまったり
まるで速度のさだまらない感情の起伏
西陽にあたって色あせてしまった夢の断片
時の輪郭がぼやけてゆく
ふたりの恋の行方など
知りたくはないの
★絵:Pablo Picasso★↓ポチッっとね
澄みわたった空の明るさが
どうしてこんなに寂しいのでしょう
冷たい星の瞬きが
どうしてこんなに悲しいのでしょう
きょうまで歩んできた道を
ため息まじりに振り返ってみれば
まるで 淡く途切れがちな夢を
見ていたような気がします
ぽっかりあいた胸の空洞を
透明な風が吹き抜けることは
もうありません
★絵:ミロ★ ↓ポチッっとね