あんなこと、こんなこと

人生もそろそろ林住期にはいりはじめた昭和女ですが、まだまだ現役!

拝啓

2014-04-15 16:27:05 | Weblog

  拝啓
 花から葉へと季節は移ろい行きますが、○○さまにおかれましてはご清祥のこととお喜び申し上げます。

 さてこの度、母、和子が去る四月七日九十一歳の天寿を全ういたしましたのでご連絡させていただく次第です。
生前○○様には俳句を通じて大変お世話になり、母はいつも感謝しておりました。母からよく○○様のお話は聞いており、花や虫、鳥などの名前をよくご存じで教えていただいたこと、また発句のさいにはいろいろアドバイスいただいたことなどよく嬉しそうに話しておりました。さらに吟行の際には歩行が不自由な母の介助をしてくださったことなど、お礼の申し上げようもありません。○○様と俳句のおかげで母は後半の人生を豊かに過ごせたと思っております。

 母は去年十一月に脱水症状で一時入院し、十二月に退院したときはもう歩けなくなってしまっていました。今年になってから要介護4になってしまいましたが、歩行できない以外は普通に生活していました。三月になって急に熱がでたり、さがったりを繰り返し、結局三月末に入院し、十日ほどで旅立ちました。私は最後の1年ほど母と同居し、介護の大変さも多少経験させてもらい、母から最後の教えを受けた気持ちです。

 葬儀は母が高齢だったということもあり、身内だけで済ませましたので、ご報告が遅れましたこと大変失礼いたしました。生前のご厚情に対し深く深くお礼申しあげます。また母をご存じの方がいらっしゃいましたら、○○さまから何かの機会にお知らせいただければ幸いに存じます。
 季節の変わり目ゆえ、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。
                                                     敬具
                                                    安西 小百合