麻布十番未知案内 BLOG編

麻布十番のこと、赤い靴の女の子「きみちゃん」と「きみちゃんのチャリティー」のこと(HP編 http://jin3.jp)

★老舗  変わりゆく麻布十番商店街

2009年03月13日 | 店声仁語
★「十番だより」3月号に寄稿しました。
DISCOVER JUBAN   麻布十番再発見  ─ 13 ─
  老舗 そして変わりゆく商店街

 創業何年以上を老舗と言うのか、或いは、ただ古いから老舗なのか、いろいろ考え方があるかもしれません。戦後、新しく麻布十番に店を構えた、十番では比較的新しいと言われるお店でももう創業65年になるのですから、これまた立派に老舗ですね。そんな意味で、麻布十番にはたくさんの老舗がありますが、創業が大正以前のお店を表にしてみました。(表-1)
 この二十年でも明治、大正創業の老舗29軒が(表-2)、また昭和以降のお店も100軒以上が閉店、転業、廃業、転居しています。寂しいことですが、替わって新しいお店もたくさんオープンしています。現在、麻布十番には300軒余の商店街振興組合加盟店とそれ以外にも組合未加盟の数多くのお店があります。
 時代と共に少なくなったり、なくなっていく業種もあります。私のところは足袋屋として明治44年に創業しましたが、昭和30年頃には紳士洋品店に変わりました。足袋は今、呉服屋に引き継がれていますが、その呉服屋も麻布十番では一軒になってしまいました。呉服に付随していた「半襟屋」「染物屋」「刺繍屋」「仕立屋」「悉皆屋」みんななくなってしまいましたね。 4館あった映画館、「麻布映画劇場(東映)」「麻布中央劇場(洋画専門館)」「麻布日活館」「麻布名画座」もなくなりました。銭湯も十番近辺に「吉野湯」「金春湯」「つるの湯」「一の橋湯」「小山湯」「越の湯(十番温泉)」がありましたが、今は南麻布の「竹の湯」だけです。自転車屋も何軒もあったのですが。肉屋、魚屋はスーパーのテナントに、カメラ屋、乾物屋、油屋、ブリキ屋、糸屋、碁会所、桶屋、ふとん屋、ブロマイド屋、刃物屋、目立屋、小間物屋、袋もの屋・・・。 大工さんもいなくなってしまいましたね。
 新しい業種、お店も出てきました。モバイル、ゲームセンター、レンタルビデオ、お香、学習塾、ペットショップ、ネイルサロン、イタリア、フランス、エスニック等々のレストラン、オープンカフェ、ダイニングバー、ワインバー、カラオケ、ビアレストラン、いろいろな居酒屋、めまぐるしく時代とともに街も変わっていきます。世界恐慌以来の百年に一度の不況といわれる今、麻布十番はまだまだ変わっていくでしょう。
 もうすぐ創業百年、麻布十番では唯一残ったメンズショップのわが家ですが、そろそろ閉め時かなと情けないことを考えています。思い出してみてください、あなたの知っているお店、なくなってしまったお店、いくつ思い出せるでしょうか。
 “Change! Yes We Can.”の言葉が遠くに聞こえる今日この頃です。

※肝心の表-1、表-2がこのブログでかけませんでした。表は本家「麻布十番未知案内」をご覧下さい。
http://jin3/jp/column/column-14.htm
コメント
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