智を開く

本当の「生きる力」を求めて…

20年度入試 開智の「行動観察」

2008-05-10 10:05:30 | 2008年度(平成20年度)小学校受験
「行動観察」は、問題解決能力(指示理解力、積極性、発想力)や集団行動における個人のかかわり具合(協調性、調整能力)を見るテストです。

最近では多くの小学校入試において実施されています。
「行動観察」を実施しない学校の方が珍しいくらいです。

「小1プロブレム」という言葉を聞くようになって久しくなります。
子どもたちが先生の話を聞かず、それぞれが自分勝手な発言や行動をして授業が成り立たないのでは、せっかくの素晴らしい理念や教育方針も実践する以前の問題となってしまいます。
だから、学校側も、それなりに訓練されてペーパー対策バッチリなのに社会性に欠けるお子さまばかりでは困るのでしょう。

でも、だからと言ってしつけの行き届いた「お行儀」の良い子どもたちばかりを求めているか…と言うと、開智に関しては、私は違うと感じています。
「お返事」や「ご挨拶」が大人に言われなくてもハキハキとしっかり言える子ども…
(もちろん、これは必要なことですよ)
「こういうときはこうするのよ」と教えられたことを忠実に守れる子ども…
(こうすることが大事な場面も、もちろんあります)
「右向け、右!」と言えば、日が暮れるまで右を向いている子ども…
(ちょっと大げさすぎ

…じゃあ、ないんです


そうじゃなくて…
子ども自身が、自ら気づき、考え、学び、発信し、他と関わっていく。
…そんな子どもだと思うんです、開智が求めているのは

最低限の学力ラインを満たしていれば、あとはそんな子どもの「伸びシロ」=「未来の可能性」のようなものを発見して伸ばしてあげようというのが開智の「行動観察」の趣旨だと私は思っています。

さて、その「行動観察」。
どのように行われるかと言うと…
8~13人のグループを、さらに4~5人の小集団に分けます。
これくらいの人数なら、1人ひとりをちゃんと観察することができます。
そして、その小集団に対してある課題が与えられます。
その問題解決の過程で、それぞれの受験生が他とのかかわりの中でどんな言動をとるかを見られます。

過去には、次のような課題が出ています。
・積み木、ままごと、ボールで自由遊び
・積み木、ブロック、ペットボトル、石、ミニカー、ビー玉で自由遊び
・正方形の大きな布を協力してたたむ
・(いろんな形の)カンやペットボトルを高く積み上げる
・大きな模造紙で紙ヒコーキを折る
・ペットボトルを使って、ハートの形を作る

「紙ヒコーキ」の時は、それぞれの子どもが自分の紙ヒコーキの折り方を主張して、大混乱というか、とても興味深かったと、昨年の入試説明会でお話がありました。
そして、20年度は「自分らしさ」をテーマにする、ということでした。

…というわけで、20年度第1回目入試の課題は…
娘の話によると…
「大きなブロックを使い、皆でお家を作りましょう。大人が中を見えないようなお家にしてください」
というものでした。

「大人が中を見えないような」…ということは、ブロックを「高く」積み上げる必要があります。
そうすると、たとえば土台は皆で作って、上の方は背の高い子が積む…というような役割分担を考えたりしなければなりませんね
そこで、皆がちゃんと話しあって役割を決め協力して取り組んでいるか、を見ているのではないかと思います。

「なんかヘンなおうちができたけど、楽しかったよ。それでね、お友だちができたの…」
…娘にとっては、あくまで「遊び」の延長でしかないみたい


「行動観察」の評価ポイントは5つ。

①言われた指示を理解し、その通りに行動できるか
②一生懸命、積極的に取り組んでいるか
③よーく考えて発想しているか
④皆で仲良く協力しているか
⑤問題が起こった時、グループの中での自分の役割分担を考えているか

特に⑤
まさにこれこそが、開智の求める子ども像だと、私は思います。

「リーダー」とは、ただ全体を引っ張っていくだけの人物とは限りません。
困っている子がいたら優しく声をかけてあげる、とか、他の子を密かにフォローしてあげる、とか、ケンカをしたら双方の話を公平に聞いて調整するとか…

「真のリーダー」とは、そんな人ではないでしょうか


(弁論大会じゃないんだから


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