新しいプロジェクト関連の調べものをしていましたら、下記のトピックスを見つけ
ましたので、ご紹介します。
(以下は引用になります)
現在、多くの出産可能年齢の女性が、子供の神経管閉鎖障害[Neural Tube
Defects: NTD]を予防するため1日400 μgの葉酸を摂取している。FDA諮問委員会
は、経口避妊薬と葉酸400 μgを含む配合錠を開発するよう勧告を出した。 最近の
New England Journal of Medicineの論説で、葉酸の用量を増量すべきとの見解が示
された(NJ Wald, N Engl J Med 2004; 350:101)。
胎児が脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)が異常な状態で出生する病気が
神経管閉鎖障害。 日本では1万人に6人(年間673人)がこの先天異常をもって生ま
れる。 無脳症、二分脊椎、脳瘤、水頭症などさまざまだが、二分脊椎(脊柱の構
造の部分的欠陥で、髄膜と脊椎の奇形を伴うもの等)が半数を占め増加傾向にある
ビタミンBの一種である葉酸が神経管閉鎖障害の発生リスクを低減するが知られ、
欧米中心に研究がすすめられ、60%~75%(低い地域30%~40%) のリスク低減が報告さ
れている。 欧米諸国では1990年代前半に各国政府として公式に勧告を発表し、
葉酸の一日摂取量を0.4mg以上とした国が多い。 多くは妊婦を対象とした勧告。
米国は極めて積極的にキャンペーンを実施してきた。
日本では、8年程対応が遅れたが、2000年12月に厚労省が検討会の報告に基づき、
都道府県、政令市、特別区、関係学会等諸団体に通知。●神経管閉鎖障害の発症リ
スク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提
供の推進について[厚労省2000.12.28] また通知○母子健康手帳の様式の改正につ
いて(雇児母発第0115001号,2002.1.15)で葉酸摂取が項目追加された。しかしながら
その後のFollow-upがされた気配はなく、情報を必要とする妊婦に周知されていると
は全く思えない。
日本産婦人科医会のみは、先天異常モニタリング調査を行なうなど積極的活動を
実施し、「米・英国では葉酸摂取によって、胎児神経管閉鎖障害の発生は、この10
年間で約10分の1に減少した。一方、日本では、葉酸摂取の重要性の啓発に対する効
果が未だ見受けられず、この10年間で胎児神経管閉鎖障害の発生率は漸増し、アメ
リカの8倍、イギリスの6倍となっているのが現状。 また、葉酸摂取を心がけた
妊婦は全体の0.67%にすぎなかった。」と警告を発している。実際に20-29歳
女性における葉酸摂取量の1人1日当たりの目標摂取量406.9μgに対し、1998年
結果301.9μgに対して、2002 年結果は258μgと逆に15%も低下
要約:
・妊娠前から葉酸補給を開始することにより、子供の神経管閉鎖障害発生率を低下
させることができる。
・米国やカナダでは、1998年から穀物の葉酸強化が義務づけられており、強化後
神経管閉鎖障害の発生率は減少している。
・妊娠可能年齢の女性は、標準的総合ビタミン剤の含有量である400 μg/日の葉酸
を摂取すべきである。
・もっと高用量を摂取すべきだという専門家もいるが、それに関する研究は行われ
ていない。
こちらのサイトには葉酸摂取による効果や葉酸を多く含む食品等の資料が掲載され
ていますので、参照ください
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html
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ブログ内の関連記事
「二分脊椎の発症を予防するために」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/7b719085d158ab73a92b1773faf03c09
「側わん症基礎知識としての索引/キーワード別」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/871014946ee0a86c6424494de44afd89
ましたので、ご紹介します。
(以下は引用になります)
現在、多くの出産可能年齢の女性が、子供の神経管閉鎖障害[Neural Tube
Defects: NTD]を予防するため1日400 μgの葉酸を摂取している。FDA諮問委員会
は、経口避妊薬と葉酸400 μgを含む配合錠を開発するよう勧告を出した。 最近の
New England Journal of Medicineの論説で、葉酸の用量を増量すべきとの見解が示
された(NJ Wald, N Engl J Med 2004; 350:101)。
胎児が脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)が異常な状態で出生する病気が
神経管閉鎖障害。 日本では1万人に6人(年間673人)がこの先天異常をもって生ま
れる。 無脳症、二分脊椎、脳瘤、水頭症などさまざまだが、二分脊椎(脊柱の構
造の部分的欠陥で、髄膜と脊椎の奇形を伴うもの等)が半数を占め増加傾向にある
ビタミンBの一種である葉酸が神経管閉鎖障害の発生リスクを低減するが知られ、
欧米中心に研究がすすめられ、60%~75%(低い地域30%~40%) のリスク低減が報告さ
れている。 欧米諸国では1990年代前半に各国政府として公式に勧告を発表し、
葉酸の一日摂取量を0.4mg以上とした国が多い。 多くは妊婦を対象とした勧告。
米国は極めて積極的にキャンペーンを実施してきた。
日本では、8年程対応が遅れたが、2000年12月に厚労省が検討会の報告に基づき、
都道府県、政令市、特別区、関係学会等諸団体に通知。●神経管閉鎖障害の発症リ
スク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提
供の推進について[厚労省2000.12.28] また通知○母子健康手帳の様式の改正につ
いて(雇児母発第0115001号,2002.1.15)で葉酸摂取が項目追加された。しかしながら
その後のFollow-upがされた気配はなく、情報を必要とする妊婦に周知されていると
は全く思えない。
日本産婦人科医会のみは、先天異常モニタリング調査を行なうなど積極的活動を
実施し、「米・英国では葉酸摂取によって、胎児神経管閉鎖障害の発生は、この10
年間で約10分の1に減少した。一方、日本では、葉酸摂取の重要性の啓発に対する効
果が未だ見受けられず、この10年間で胎児神経管閉鎖障害の発生率は漸増し、アメ
リカの8倍、イギリスの6倍となっているのが現状。 また、葉酸摂取を心がけた
妊婦は全体の0.67%にすぎなかった。」と警告を発している。実際に20-29歳
女性における葉酸摂取量の1人1日当たりの目標摂取量406.9μgに対し、1998年
結果301.9μgに対して、2002 年結果は258μgと逆に15%も低下
要約:
・妊娠前から葉酸補給を開始することにより、子供の神経管閉鎖障害発生率を低下
させることができる。
・米国やカナダでは、1998年から穀物の葉酸強化が義務づけられており、強化後
神経管閉鎖障害の発生率は減少している。
・妊娠可能年齢の女性は、標準的総合ビタミン剤の含有量である400 μg/日の葉酸
を摂取すべきである。
・もっと高用量を摂取すべきだという専門家もいるが、それに関する研究は行われ
ていない。
こちらのサイトには葉酸摂取による効果や葉酸を多く含む食品等の資料が掲載され
ていますので、参照ください
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1212/h1228-1_18.html
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ブログ内の関連記事
「二分脊椎の発症を予防するために」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/7b719085d158ab73a92b1773faf03c09
「側わん症基礎知識としての索引/キーワード別」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/871014946ee0a86c6424494de44afd89