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側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

母親の愛とは? 特発性側弯症との闘い (測湾整体記事一覧)

2009-05-26 01:12:58 | 特発性側弯症と民間療法
私august03はこのブログStep by stepとおして、側弯症治療における測湾整体の
弊害を訴え続けてきました。過去二年以上にわたり書き続けきた記事をいまあらた
めてここに一覧にしてみました。この春の学校検診で「脊柱側弯症の疑いあり」
といわれ病院を検診するように指導を受けたお子さんの「お母さんがた」へ
いま一度、ここで “測わん整体”の弊害を訴えさせていただきたいと思います。

実は、先日「医療の限界について」という記事を書いたわけですが、このタイトルと
まったく同じ新書を見つけ、いまそれを読んでいるところです。そしてその内容も
ご紹介しながら、国内における側弯症治療現場における先生がたの悩みや苦しみに
ついても皆さんにぜひとも聞いていただきたいと考えているところなのです。

しかし、それをぽんと皆さんの目の前に出してしまいますと、測湾整体にいいよう
に利用されてしまう危険があるために、その前に、いま一度、特発性側弯症治療に
対する“測わん整体”の意味をご説明したいと思います。

端的に申し上げます、“測わん整体” は無意味です。
無意味とは、「そこに行こうと行くまいと」お子さんの側弯カーブが進行性のもの
であれば進行します。進行性のものでなければ、進行はしません。
もちろん、これには「装具」指導を受けた際にはその指導に従っている、という前提
があるわけですから、しっかりと装具療法を遵守してください。

体操、運動することは良いことです。積極的になさってください。しかし、測湾整体
が指導する「体操」「運動」だから側弯症が治るのではありません。進行性ではない
側弯だから進行が緩んだのです。約50%の患者さんは進行性ではありません。
ですから、測湾整体のマンションの一室に飾られた「感謝の手紙」というのは
そのような医学的事実を知らない方々が、偶然手に入れた行幸を測湾体操のおかげで
治ったものと勘違いしての手紙なのです。

もし測湾体操で治るのであれば、全ての患者さんが治るはずです。
では全ての患者さんが治っているのでしょうか? そのような事実はありません。
全ての患者が治ったと主張するならば、それは嘘以外のなにものでもありません。

でも、彼らは口が上手いから、そしてお母さんがたは気持ちが動転し、そして何
よりも気持ちのなかが罪悪感で一杯ですから、何かをせずにいられません。
何もせずにいたらその罪悪感は消すことができません。だから、皆さんは治るか治
らないかではなく、皆さん自身の心の中の罪悪感を消し去りたいがために、ともか
く「治る」と言ってくれた測湾整体に出向いているのです。もしも、ここに行かな
くて、カーブが進行したら、やはり行けば良かったと後悔することになるから、
それが怖くて「治る」と言ってくれた測湾整体にでかけているわけです。

皆さんは、お子さんの為になるならばどんなにお金を使ってでもかまわないと考え
ています。でも、それはお子さんの為ではなく、ご自身の罪悪感を忘れたい為の
行動だということに気付いておられるでしょうか?

体操すること、運動すること。それは身体にとって害ではありません。側弯症の
こども達においてもそれは同じです。ですから、どんどんと運動をさせてあげれば
いいのです。なにも高い金を払って体操する為に整体になど通わなくても、学校の
クラブで、放課後のクラブで、地域のクラブで運動をすればいいのです。

皆さんは、いま目の前で、もしかしたらこの整体にいくことで治るかもしれない、
そういう期待を抱いて通っておられます。
でも、そのことによるもうひとつの面には気付いておられません。

約20%から30%の患者さんは装具療法によっても....体操+装具によっても、進行の
止まらないタイプの側弯症です。やがて40度をこえ、50度をこえていったとき、
皆さんはどうされるおつもりなのでしょう?

そうなってから、側弯症専門外来に出向き、実は“測わん整体”に行ってたのですが
進行してしまいました。手術をお願いしますと先生に頼まれるのでしょうか?

先生はきっと何も言わないと思います。そのことでお母さんを責めることはしない
でしょう。そのことで手術に全力を注ぐ気力が失せる、ということもないはずです
なぜならば先生がたは医師というプロだからです。

でも、皆さんは何か忘れておられませんか? 皆さんがもしその先生の立場であったら
皆さんはどういう気持ちでお母さんの説明を聞いていることでしょうか?

嘘で固めた宣伝で、医師の努力を足蹴にし、医師を無能よばりし、己が神のごとく
に宣伝吹聴する者がいるとき、あなたが医師であったなら、どういう気持ちをもた
れますか?

皆さんは、お金が続く限り側弯整体に通うことができます。ある人は利いたと思い
ある人は利かなかったと思い、ある人のお子さんは最終的に手術となります。
それが現実の姿です。

お母さん、お子さんの病気に罪悪感を抱くのは決してお子さんにとってプラスでは
ありませんよ。お子さんは、そのようなことをお母さんに期待などはしていません

お子さんを真に大人として育てるのは、冷静に事実を確認し、事実に向かって冷静
に判断し対応しようとする、そういうお母さんの姿ですよ。ご自分の罪悪感を忘れ
るために、誰か別の人....整体にこどもの運命を預けるということ、それがお母さんの
お子さんに対する愛なのでしょうか?

august03

「お母さんは、自分のことを責めないで下さい」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/22bf62ebf9707d847e57c1b56ceb81d8

「特発性側弯症治療における整体について」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/cd69807ca5b56d16ecd524984f3dba19

「大塚整体は偽装工作に対する説明責任をはたすべきです 
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/5b9c6b4b9d14458068e3c707d46847a3

「整体は治療ではなく ビジネスをしているだけです」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/6e65c9a9e7a7cf3d3861083f4f6f26c9


「特発性側弯症というビジネス」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/3cd6b71c5d2ea423093847c5b11670e1

「心の弱さにつけ込む卑劣な手口 なぜ整体を勧めるのか?」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/140434c80f4deb99afb5d462802248e4

「医学を信じますか? 側わん整体を信じますか?」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/671eab191b61f4de8b89856dd34800ec

 「側弯症をめぐる混沌としたネット社会について 私的考察」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/e72a8ecc62642dabdf94cafd3eb52bf4

 「脊柱側わん症診察・治療体験記の掲示板へ記載される皆様へ」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/426b5dfcabed243c683f8a159222bdab

 「先天性側わん症 : 病気に対するネット情報の功罪 (私的考パートII)」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/1ff85fee1372c2eebf61370b2368b764

 「先天性側わん症 : 病気に対するネット情報の功罪 (私的考)」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/ecb2b2371b092617ead6ab9752b99160

 「藁にすがる思いと、冷徹な観察と、選択は皆さんの自由ですが.......」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/e4d6eb20c2b8caabc7e8ba87fbb406b4

 「掲示板管理者山岸氏、あなたの良心に訴えます」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/a64ff4ac7e23921b8d37653ee5599c6c

 「A医師の良心に訴えさせていただきます」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/2653906b1cdc25cceb18a766b8150840

 「思春期特発性側弯症の医学的事実が何であるかを知ってください (追記あり)」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/34a0999b8c0c60f36c882fcde0884b20

 「整体への支持は信念ですか? 元厚生労働大臣殿」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/83b9e6434ec7c8aeaaa8dde40bb2a22f

 「側わん整体の偽装をあばく  シリーズ No.2」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/da9fd9ea9d42d37970ae8688565ca79c

 「側わん整体の偽装をあばく  シリーズ No.1 」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/7a06a127887338f1d186cab705a782d4

 「行ってはいけない  No.2  整体の宣伝は医学ではありません」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/8672f90e745fce12a441c899e550fdde

 「行ってはいけない !  整体は逆効果 治るものも治らなくなります」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/c93c2d75b992a93f92aec71cae4e8291

 「民間療法で側わんが悪化したら、警察に被害届をだしましょう」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/40dc46c7c177fc5695db3c8f712f706b

 「患者/両親の心配ごと お母さんの心理」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/4efd9e8f6adfdab133c5b90bce47a61a

「側わん整体の犠牲者 繰り返させていけません !」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/0e8a8b901dbefda5e71b91ff6ef17b23

「整体の実態 規制法規なし 行政の態度 そしてこれから 」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/2bd53830b6853f6461bdb31a364e480e

「整体等の広告規制 ネット掲示板Q&Aより」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/0f435f7eb2202cee1d4c8a7e2d6188e4

「医業類似行為の規制 - 誇大広告に対する規制」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/0f5860b3295d1920197e857f894d5c9f

「側彎症民間施術に対する厚生科学研究」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/b6aa3741be6e53afd8d6145a0523769b

「側弯症の発症は無くなることはありません No.2」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/8ffb3687f0865f2889b065aa768747ee

「国内の民間療法者の実態 ?」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/7df96a1c4570a853e52cc192b292f868

「特発性側弯症患者さんが適正な治療を受ける権利について」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/1dfb83e785b212fa86046608996d5489
 
「これが彼らのノウハウ !」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/dbd6f78c38a1aa15e4ba297c74a10f75

「整体、カイロの違法性について (特発性側弯症と民間療法)」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/435c65d192404c20142e12ed5de9c671

「特発性側弯症と民間療法について考えたこと No.8」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/aa748d0f19f09a4702150eb456066cc2

「特発性側弯症と民間療法について考えたこと No7」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/9fbc0fa6c7a0d93717067ae5c726f3c4

「特発性側弯症と民間療法について考えたこと No.6」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/894f8f6031c59b06f17960b37c65ac18

「特発性側弯症と民間療法について考えたこと No.3」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/fe0950429fb9b359ab8dafcd8ad49017

「特発性側弯症と民間療法について考えたこと」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/5b54f8f109d06aa019f57d951bc0246a



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1 コメント

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はじめまして! (えにまる)
2009-05-31 22:49:08
こんばんは!
先日、私のブログに訪問して頂いていたみたいで、
ありがとうございました。
今頃ですが、気づきました・・すみませんです。

昨年は、ベプターの嘆願運動に参加できまして、
私を始めとするたくさんの友人も、
協力で来た事、そして何よりも、皆の力が集まって
認可されたことに、多大なる喜びを感じていました。

私も、参加できた事を誇りに思いますし、
自分の中で、社会福祉というもののありかたなど、
目標になるものを見つけることができました。

我が子も、先天性口唇口蓋裂です。
手術など確立されている時代に生まれてきてくれたからこそ、不自由のない今があります。

そのことに感謝しながら、障害をもつお子さんの
力にこれからも、少しでも協力できればと思って
います。

本当にありがとうございました。


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