(H19年7月4日追記: 全面的に修正をしようと考えています。下記の現状の内容は
後日修正される内容を含んでいることを考慮のうえ、お読みいただければと
思います。私(august03)の意図は、患者さんとそのご家族を勇気づけたいという
ことと、できうる限りの情報をご提供したいということです。しかし、意図に
反して、皆さんに不安を与える結果になるかもしれません。どうかお許しいただ
きたいと思います)
(H19年7月1日PM12.30一部修正します)
米国FDAが未認可というのは、私の調査不足でした。認可は取得されていました。
ここに訂正します。
いま実施した調査方法は下記のとおりです。
* 米国FDAのホームページにはいる
http://www.fda.gov/
* さらに、医療機器のページに入る
http://www.fda.gov/cdrh/index.html
* 検索窓があるので、 growing rod と入力する
そうすると、FDA Website Search Results という形で検索結果が現れます
ここの一番最初の結果である
Manufacturer and User Facility Device Experience (MAUDE) Database ...
をクリックします
* Adverse Event Report (有害事象報告)が現れます
このページの内容を読んでいきますと、この製品が 510Kで認可されていること
がわかりました。
つつしんで、訂正いたします。
(H19年7月1日AM10:30に一部修正、追記しました)
同様のご質問が以前にもありましたので、そちらもご参照下さい
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/90fd4d0b9ebeef14334b0a3279ed17c4
この医療機器を必要とする患者さん....適応となる患者さんは国内にも大勢
おられます。すでに国内でも手術をして体内に埋め込んでいる患者さんも
数はまだそれほど多くはおられないと思いますが、現実にいらっしゃます。
(上でご紹介した患者さんのブログを参照ください)
ビリーママさんの娘さんの状況(年齢、身長、コブ角等)が不明ですので
一般論として述べさせていただきます。
この医療機器(インプラント)は、成長期が終了していないこども、つまり
幼児、小児期の側弯症治療用として開発されたものです。
いわゆる思春期特発性側弯症でも手術のタイミングは、骨の成長(身長の伸び)が
止まったかどうか、というのが目安になります。
幼児、小児期では、当然のこと、まだまだ身長は伸びます。その伸びる身長を
インプラント固定することで、制限してしまうのは、こどもの健康(身体とこころ)
にとって決して良いとはいえない。なんとか、身長の伸びを制限せずに、側弯の
カーブだけを制御する方法はないか、という開発コンセプトです。
先天性側弯症のこどもの広場で手術を待っているような、まだ小さなこどもたちが
主な適応となります。
そのようなこどもたちが適応ですので、だいたい半年ごと程度で、インプラント
のロッドを伸ばす手術を行います。構造は単純ですし、手術といっても、背中を
ちょっと切開するだけですから、最初の手術に比較すると簡単にすむ範疇です。
こどもの身長が伸びるのに合わせて、少しづつインプラントも器械的に伸ばして
いこう、という治療方法です。
身長がある程度まで伸びたら、側弯変形を完全に矯正し再発を防止するための
最終的な固定術を行います。
3年後に最終固定手術を行うご予定のようですから、それまでに5~6回程度の
伸ばすための切開手術を受けることになるのでしょう。その結果として
現在の身長よりも6cm前後の身長の伸びが期待できると思います。
このインプラントによって身長を伸ばすわけではありません。お子さんの通常の
伸びを制限させないためにインプラントも伸ばす、という機構です。
ですから、10cm伸ばしたいとか、15cm伸ばしたいというような使い方は不可能です
神経の伸びる限界がありますから、およそ4~6cmだと思います。
手術に伴うリスクは、すでに先生からお聞きと思いますが、
一般的な手術に伴うリスクのほかに、この医療機器特有のリスクとしては
* 小切開とはいえ、複数回の切開手術を行うことによる感染のリスク
* インプラントを伸ばす、という構造、機構に伴う医療機器自体の不具合の
リスク (構造が複雑であればあるほど、それによるメリットも生まれますが
メリットは同時にリスクの裏にかえしであり、不具合発生リスクは
単純な構造のものよりも大きくなります)
例えば、インプラントが骨からはずれる、ずれる、というようなこと。
* 完全な固定術ではないので、脊柱固定術をするまでのあいだは
スポーツのようなアクティビティは (より確実な安全を求めるならば)
制限したほうが良い (制限されるべき? )
→ 脊柱固定術後は半年から一年はスポーツが制限されます。でも、骨癒合が
確認されれば、逆に次第にアクティビティを増やして、筋力、体力を増進
させることが大切になります。
しかし、グローイングロッドの場合は、製品コンセプトはまったく異なり
構造も異なりますので、最終固定術が行われるまでの期間は活動は制限
したほうが、部品が骨からはずれるなどの不具合を避ける = 安全を確保
することになると思います。
いま、思いつくのは以上の3点です。
ベネフィットは、身長が伸びることを「制限」しない、という点です。
手術においては、つねにそれぞれの手術に特有のリスクとベネフィットが
あります。それを書き出してみることをお薦めします。
ベネフィットを考えられるときは、ご両親と娘さんご自身から考える
ベネフィット、言い換えれば、手術によって、何を得たいか? ということを
書き出してみると良いと思います。
トラブルの発生の要因は
.....私ふぜいがこのようなことを申し上げるのは先生にはまことには申し訳
ございませんが、医師側の技術(手術手技)が一番影響してくると思います。
このインプラントがないと治療できない患者さんがいることが事実であると
同時に、このインプラントは、まだ手技や治療成績という意味では、発展途上
にあるというのが、文献からは読めます。
.....時間がないので、オリジナルのまま添付させていただきます。
通常の固定術では、ペディクルスクリューというスクリューを使用したり、
フックというものをかなり多く使用してインプラントと骨とを固定し
かつ、骨移植することで、インプラントががっちりと骨と固定することを
はかります。
一方、こちらのグローイングロッドの場合は、かなり少数のフックだけで
骨と固定していますので、骨からフックがはずれるというリスクがあると
思います。
これが日常生活動作で発生しうるほどのものなのか、何か衝撃がくわわること
で発生するものかは、文献からは不明です。
データ自体がまだ少ないと思います。
(添付写真は左側がグローイングロッド、右側2枚は、通常の脊柱固定術用の
インプラントです。骨との固定方法が違うことがわかります)
仮にフックがはずれてもそれがすぐに健康被害になることも想像できませんが
再度取り付けのための手術が必要になります。
私は、このブログのなかや、掲示板等でなんども申し上げていることなのですが
手術をするにあたっては、先生がどこまで本気なのか、皆さんが先生の熱意を
感じ取って、この先生なら信用できる、この先生にすべてをまかせよう、と
感じられるかどうか、すべては、そこにかかっていると思います。
もし、それが感じられたのだとしたら、たとえ手術後にトラブルがあったとしても
それは想定されたことであって、致し方ないものと納得できるはずです。
逆にいえば、それがなければ、不安と不信感だけの手術となり、決して良い結果は
生まないと思います。
.............................................................
Growing Rod 参照ぺージ
http://www.sandiego-spine.com/subject.php?pn=abstract-1
後日修正される内容を含んでいることを考慮のうえ、お読みいただければと
思います。私(august03)の意図は、患者さんとそのご家族を勇気づけたいという
ことと、できうる限りの情報をご提供したいということです。しかし、意図に
反して、皆さんに不安を与える結果になるかもしれません。どうかお許しいただ
きたいと思います)
(H19年7月1日PM12.30一部修正します)
米国FDAが未認可というのは、私の調査不足でした。認可は取得されていました。
ここに訂正します。
いま実施した調査方法は下記のとおりです。
* 米国FDAのホームページにはいる
http://www.fda.gov/
* さらに、医療機器のページに入る
http://www.fda.gov/cdrh/index.html
* 検索窓があるので、 growing rod と入力する
そうすると、FDA Website Search Results という形で検索結果が現れます
ここの一番最初の結果である
Manufacturer and User Facility Device Experience (MAUDE) Database ...
をクリックします
* Adverse Event Report (有害事象報告)が現れます
このページの内容を読んでいきますと、この製品が 510Kで認可されていること
がわかりました。
つつしんで、訂正いたします。
(H19年7月1日AM10:30に一部修正、追記しました)
同様のご質問が以前にもありましたので、そちらもご参照下さい
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/90fd4d0b9ebeef14334b0a3279ed17c4
この医療機器を必要とする患者さん....適応となる患者さんは国内にも大勢
おられます。すでに国内でも手術をして体内に埋め込んでいる患者さんも
数はまだそれほど多くはおられないと思いますが、現実にいらっしゃます。
(上でご紹介した患者さんのブログを参照ください)
ビリーママさんの娘さんの状況(年齢、身長、コブ角等)が不明ですので
一般論として述べさせていただきます。
この医療機器(インプラント)は、成長期が終了していないこども、つまり
幼児、小児期の側弯症治療用として開発されたものです。
いわゆる思春期特発性側弯症でも手術のタイミングは、骨の成長(身長の伸び)が
止まったかどうか、というのが目安になります。
幼児、小児期では、当然のこと、まだまだ身長は伸びます。その伸びる身長を
インプラント固定することで、制限してしまうのは、こどもの健康(身体とこころ)
にとって決して良いとはいえない。なんとか、身長の伸びを制限せずに、側弯の
カーブだけを制御する方法はないか、という開発コンセプトです。
先天性側弯症のこどもの広場で手術を待っているような、まだ小さなこどもたちが
主な適応となります。
そのようなこどもたちが適応ですので、だいたい半年ごと程度で、インプラント
のロッドを伸ばす手術を行います。構造は単純ですし、手術といっても、背中を
ちょっと切開するだけですから、最初の手術に比較すると簡単にすむ範疇です。
こどもの身長が伸びるのに合わせて、少しづつインプラントも器械的に伸ばして
いこう、という治療方法です。
身長がある程度まで伸びたら、側弯変形を完全に矯正し再発を防止するための
最終的な固定術を行います。
3年後に最終固定手術を行うご予定のようですから、それまでに5~6回程度の
伸ばすための切開手術を受けることになるのでしょう。その結果として
現在の身長よりも6cm前後の身長の伸びが期待できると思います。
このインプラントによって身長を伸ばすわけではありません。お子さんの通常の
伸びを制限させないためにインプラントも伸ばす、という機構です。
ですから、10cm伸ばしたいとか、15cm伸ばしたいというような使い方は不可能です
神経の伸びる限界がありますから、およそ4~6cmだと思います。
手術に伴うリスクは、すでに先生からお聞きと思いますが、
一般的な手術に伴うリスクのほかに、この医療機器特有のリスクとしては
* 小切開とはいえ、複数回の切開手術を行うことによる感染のリスク
* インプラントを伸ばす、という構造、機構に伴う医療機器自体の不具合の
リスク (構造が複雑であればあるほど、それによるメリットも生まれますが
メリットは同時にリスクの裏にかえしであり、不具合発生リスクは
単純な構造のものよりも大きくなります)
例えば、インプラントが骨からはずれる、ずれる、というようなこと。
* 完全な固定術ではないので、脊柱固定術をするまでのあいだは
スポーツのようなアクティビティは (より確実な安全を求めるならば)
制限したほうが良い (制限されるべき? )
→ 脊柱固定術後は半年から一年はスポーツが制限されます。でも、骨癒合が
確認されれば、逆に次第にアクティビティを増やして、筋力、体力を増進
させることが大切になります。
しかし、グローイングロッドの場合は、製品コンセプトはまったく異なり
構造も異なりますので、最終固定術が行われるまでの期間は活動は制限
したほうが、部品が骨からはずれるなどの不具合を避ける = 安全を確保
することになると思います。
いま、思いつくのは以上の3点です。
ベネフィットは、身長が伸びることを「制限」しない、という点です。
手術においては、つねにそれぞれの手術に特有のリスクとベネフィットが
あります。それを書き出してみることをお薦めします。
ベネフィットを考えられるときは、ご両親と娘さんご自身から考える
ベネフィット、言い換えれば、手術によって、何を得たいか? ということを
書き出してみると良いと思います。
トラブルの発生の要因は
.....私ふぜいがこのようなことを申し上げるのは先生にはまことには申し訳
ございませんが、医師側の技術(手術手技)が一番影響してくると思います。
このインプラントがないと治療できない患者さんがいることが事実であると
同時に、このインプラントは、まだ手技や治療成績という意味では、発展途上
にあるというのが、文献からは読めます。
.....時間がないので、オリジナルのまま添付させていただきます。
通常の固定術では、ペディクルスクリューというスクリューを使用したり、
フックというものをかなり多く使用してインプラントと骨とを固定し
かつ、骨移植することで、インプラントががっちりと骨と固定することを
はかります。
一方、こちらのグローイングロッドの場合は、かなり少数のフックだけで
骨と固定していますので、骨からフックがはずれるというリスクがあると
思います。
これが日常生活動作で発生しうるほどのものなのか、何か衝撃がくわわること
で発生するものかは、文献からは不明です。
データ自体がまだ少ないと思います。
(添付写真は左側がグローイングロッド、右側2枚は、通常の脊柱固定術用の
インプラントです。骨との固定方法が違うことがわかります)
仮にフックがはずれてもそれがすぐに健康被害になることも想像できませんが
再度取り付けのための手術が必要になります。
私は、このブログのなかや、掲示板等でなんども申し上げていることなのですが
手術をするにあたっては、先生がどこまで本気なのか、皆さんが先生の熱意を
感じ取って、この先生なら信用できる、この先生にすべてをまかせよう、と
感じられるかどうか、すべては、そこにかかっていると思います。
もし、それが感じられたのだとしたら、たとえ手術後にトラブルがあったとしても
それは想定されたことであって、致し方ないものと納得できるはずです。
逆にいえば、それがなければ、不安と不信感だけの手術となり、決して良い結果は
生まないと思います。
.............................................................
Growing Rod 参照ぺージ
http://www.sandiego-spine.com/subject.php?pn=abstract-1