ちょっとひと言

日頃の自らの経験を通じ感じていることや身近な出来事を綴っていきます。

水戸室内管弦楽団定期演奏会

2009年04月28日 | Weblog
 私の市長の任期は5月12日まで、いよいよ残り少なくなった。達成感と寂寥(せきりょう)感が交錯している。27日は水戸に赴いた。水戸室内管弦楽団の演奏会があり、小沢征爾氏に会うためでもあり、曲のナレーターをつとめた、伜(せがれ)さんの小沢征悦(よしゆき)さんにも会えた。足利市での来年の演奏会もこれで本決まりになったようだ。水戸室の地方での定期公演は全国でも初めてのことである。市長会等でも今から高い評価を頂いている。
 さて留守の間、当選証書を取りに来られた大豆生田氏が秘書課にお出でになった。昂然としたご様子で、あれこれと注文を戴いたようである。しかし今のところ私が市長である。大豆生田氏は5月13日初登庁、勿論礼を失しないように準備は進めている。その後は私は勿論いない。思う存分ご自分の公約実現のため仕事をなさったらよい。ただし、議会があることは忘れてはならない。僅かな期間ではあるが県会議員の経験もおありのようだ。議会対策は並大抵のことではない。議会との調整がつかないこと、最も困惑するのは職員であるし、ひいては市民が困ることになる。公約を実行に移すことは選挙民への約束だから至極当然なこと、しかし「急いてはことを仕損ずる」とも言う。冷静に着実に成就することを願ってやまない。

栃木県市長会での論議

2009年04月17日 | Weblog
 栃木県市長会の例会があった。私にとって最後の会合である。冒頭、会長辞任のことも含めあいさつをした。今回は、14市長全員の出席である。真岡市の福田市長、さくら市の秋元市長も共に退任となる。気を使って頂いたようだ。
 初め、県に対する市長会の要望の案件があった。全部で12項目ある。その中に、子供の医療費について助成制度の拡大及び対象年齢の県内一元化についての要望があった。議長である私は、この際いろいろ意見を出してもらいたいので、敢えて論議を促した。栃木県では、平成18年4月から小学三年生までの医療費が無料となったが、最近では、各市町の対応がバラバラになり、小学六年生までのところ、中学三年生までのところと差異が出てきたのである。
 喧々諤々、意見が出てきた。今までは遠慮もあり、このような論議がなされたことはなかった。本来は、県内同一歩調をとるべきなのだが、どうしても財政力の強い自治体とそうでない自治体とで差が出てしまう。地方交付税の不交付団体は財政的に余力がある。このような自治体はいいが、中には削っても削っても、無料化にかける予算を生み出せない処もある。この事情を全ての市長に認識してもらいたくて議論をしていただいた。勿論、結論は出ない。
保健医療制度というのは難しい。自分の体は自分で守る。これが原則であることは間違いない。行政が手を差し伸べることも止むを得ない。しかし、どこまで市民へのサービスをしたらよいのか、これは極めて難しいことである。


「お客様」

2009年04月04日 | Weblog
 日本国民には、3つの義務が課せられている。つまり、納税の義務、教育の義務、勤労の義務である。一方、憲法25条(全略)では、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、と謳っている。現在、世界的な不景気のなかで、生活保護の受給者が全国的に急増していることがテレビや新聞等で大きく扱われている。中には、かなり乱暴な態度で申請窓口に来る人や恫喝まがいの人もいて、「怖い」「嫌だ」と漏らす職員が出てくるようになったと新聞に書かれていた。
 早速、社会福祉課の窓口に激励に行ってみた。大変な混雑であった。平穏であったが、職員が市民一人ひとりに丁寧に対応している様子が窺えて安心した。その時感じたが、市役所を訪れる市民は、お客様と捉えて対応すると良いと思ったのである。商店に来るお客様に対して、商人は“もみ手”をする。自然に出る仕草である。市職員もその様な感覚になればと考えたりもした。30年前、私の選挙の時、中心だった人は商店街の若手経営者であった。候補者は商品である、だから選挙事務所に来る人はお客様、もみ手でお迎えした。帰る時は「毎度あり」とあいさつをしたものだ、ふとそんな事を想い出した。

4月1日「仕事はじめ」

2009年04月03日 | Weblog
 4月1日は、市役所の仕事始めである。課内室長以上の職員に集まってもらい、副市長とともにあいさつをした。午前中、辞令交付をした後なので昇格した人も多く、祝意を述べた。私は、5月12日で市役所を去ることになる。心残りのこともあるが、かなりの仕事ができたことに今は感謝している。私はこの8年間、いわゆる箱物(建物)は造らなかった。民間では、新足利赤十字病院の移転新築という大事業が進んでおり、大いに期待したい。市場の統合と高等教育機関の誘致は道半ばであり、ぜひ継続して進めてほしい。小沢征爾氏が監督を務めている水戸室内管弦楽団の定期公演を足利市で行うという覚書を締結したことは自慢できることの一つである。同楽団は日本の選りすぐられた演奏家の集まったオーケストラでレベルが高く、水戸以外では殆ど演奏しない。全世界に散らばっている演奏家が日本に帰ってきて演奏するのだから、そう頻繁にコンサートを開くことが出来ないのである。市民がまさに一流の演奏を聴ける事になる。
 4月23日には、水戸市長の加藤浩一氏、岡山県備前市長の西岡憲康氏のお二人にお出でいただき、世界遺産暫定登録を視野に入れた「中世・近世教育資産サミット」を開く予定。目立ちたがり屋だから、まだまだ仕掛けることはたくさんある。などという話をした。
 行政の仕事は永遠である、途切れたり、余りにも大きな変革はあってはならないと、話をしながら強く思い、締めくくりとした。