めんどりおばあの庭

エッセイと花好きのおばあさんのたわ言

シルヴプレ 1

2017-09-17 03:17:10 | 日記


 今夜は何故か眠れない。

 久し振りにコーヒーを二杯、飲んだせいでしょうか?

 床に入ったものの、目が冴えて、時刻は3時過ぎ、今から睡眠導入剤を飲んだら起きるのは10時頃。

 エイッ、起きちゃえ! とブログ書いてます。

 古いお話で恐縮ですが、1997年7月に親方とヨーロッパを旅した時の様子を綴ります。

 私たちがパリに行った直後、イギリスのダイアナ妃がパリ市内のトンネルで事故に遭いお亡くなりになった年の夏のことです。

 私たちもバスで通ったトンネルで、ダイアナ妃は一ヶ月半後に…


 このエッセイは以前に発表した物です。

 長いので2部に分けてUPさせて頂きます。


   
     シルヴプレ

 1997年7月、夫の定年退職記念にドイツ、スイス、フランスを旅した。

 それぞれ海外旅行の経験はあるが夫婦2人で行くのは初めてであった。

 友人や娘との海外の旅は気楽だったが、夫との八日間の旅は出発前から先が思いやられた。

 ドイツのハイデルベルク、スイスの山、オーストリアのウィーンは娘時代から私の憧れの地であった。

 しかし、夫はオーストリアよりもフランスに行きたがった。言い出したら後には引かない人だ。

 私はいつものように根負けして、百歩も千歩も夫に譲ったのであった。

 好奇心旺盛な夫は旅に出ると周囲にお構いなく行動する。普段は仕切り屋で人の世話ばかり焼く

人が旅では勝手気儘に振る舞う。マイペースでまるで幼稚園児の遠足だ。私は付き添いの親かとぼや

きたくなる。子供たちが小さい頃の家族旅行では気配りの父親だったのが、子供が巣立っていつの間

にか自分のペースで行動するようになった。

 国内旅行でさえ、私は夫に振りまわされてのんびりと旅を楽しむどころではないのだ。バスツアー

に参加しても、時間がないのにコースを外れた所に行きたがる。添乗員さん泣かせだ。一人で行かせ

ると集合時間に遅れて皆さんに迷惑を掛けるので私もついて行く。私は腕時計と睨めっこで楽しむど

ころではない。

 今度のヨーロッパ旅行も同様であった。

 まず、添乗員のO氏に目をつけられた

 私はなるべく夫から目を離さないようにしていた。うっかり、夫の姿を見失う。慌てて周りを捜

す。するとツアー仲間から離れた場所で写真を撮ったり、店先を覗いたりしている。そして、必ずと

言っていいほど傍にO氏が立っている。引ったくりやスリが横行しているから気をつけるよにと彼は

日に何回となくツアー客に注意していた。 私はいつもバッグを肩に掛けしっかりと手で持っていた。

 「これは誰のですか、置き引きに遭いますよ」

現地ガイドの女性の厳し声が響く。

 道路に置かれているのは夫のショルダーバッグだ。大した物は入っていない。夫は少し離れた所で

写真を撮っている。私は慌てて飛んで行く。

 「気をつけてくださいよ」
 「すみません」

 ガイドさんに、私は頭を下げる。

 「ここは日本じゃないのだから気をつけてよ」

 夫に注意しても、「大丈夫だよ」と、反省の色は全くなし。こんなふうに同じことを何回も繰り返

した。

 ホテルのロビーで荷物を見ていてくれるように頼んだのにいつの間にか、その場を離れている。

 幸い置き引きには遭わなかったが、私はすっかり気疲れしてしまった。

 ホテルに着くと、夫はさっさとシャワーを浴び、ベットに寝そべりテレビを見ている。家ではまめ

でいつも何かしている人が、すっかりリラックスしている。

 私はその傍で2つのスーツケースの整理だ。夕食までにシャワーを浴び洗濯もしなければならないのに。

 不機嫌な私を尻目に夫は旅をエンジョイしていた。

ハイデルベルクの街並みは私が想像していたとおりだった。古い学生酒場のに店で昼食を取った。

 『アルト・ハイデルベルク」のカール王子とケティが今にも現れそうな店内の壁には古い学生た

ちの写真と落書きが残っていた。ハイデルベルク城の中に入るとまるでタイムスリップしたかのよ

うな錯覚にとらわれた。

 ライン川の船旅も楽しかった。スイスのユングフラウヨッホでは高山病にかかってしまった。三半

規管をやられて平衡感覚がなくなり、斜めに歩いてしまう。酷い頭痛と吐き気がした。展望台の椅子

に座って休んでいると、夫が戻ってきて素晴らしい氷の彫刻があるから一緒に行こうと言う。断わっ

ても「せっかく来たのだから」と誘う。本人は親切から言っているのだろうが、私の身体は心配して

いない。あまりのしっこさに根負けした私はふらふらしながらついて行った。その挙句、帰り道を迷

ってしまい集合時間を気にしながら、私は夫に文句を言いつつ歩き廻った。

 私たち夫婦はいつもどこか、ずれているのだ。

                         続く……次回はフランスです


 写真が古いのか、カメラが悪いのか、腕が悪いのか、よく撮れていません。


                  ライン川





                ハイデルベルク


                 ユングフラウヨッホ
            あいにくのお天気で雲に隠れていました


             ノイシュバンシュタイン城も雨の中


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 台風に備えて | トップ | シルヴプレ 2 »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
asakawayukiさんへ (beru)
2017-09-17 09:52:04
こんにちは。
yukiさん御夫婦の若かりし頃の海外旅行のお話を楽しく拝読させていただきました。ご主人様に振り回されながらも、楽しい旅行に羨ましく微笑ましく思いました。
次のフランスの旅を楽しみにしております。これからもお二人とも仲良くお暮し下さいね。
おはようございます (asakawayuki)
2017-09-17 10:17:19
beruさんへ

こちらは昨夜から雨です。
今のところたいした降りではありませんが、信州の方はいかがでしょうか。
台風、この分だと少しそれそうですが、大雨が心配ですね。
お気をつけ下さいませ。
連れあいは、親方はますます、マイペース度が酷くなってきております。
天下人→オヤカタ様→親方の意味もございます(^_^)
足腰が弱って、もう、旅行は出来ません。
ケンカしながらの旅が懐かしいです。
おはようございます (waiwai)
2017-09-17 10:45:38
台風はまだ遠いのに、朝から雨・・・いやですね

yukiさん 読みながらず~っとニヤニヤしてましたよ

親方さまの行動が面白い!

yukiさんが付き添いという意味も、苛立ちも良く分かります

さすがな文章です

続きが楽しみ・・・



こんにちは (asakawayuki)
2017-09-17 11:09:41
waiwaiさんへ

台風、少しずれてくれたようですね。
今日は雨で家に閉じ込められますので続きを書こうと思います。
その前に古い写真をiPadで撮っていました。
20年前のカメラ、オリンパスかな?ですし、親方の腕前T・・・。
私がイライラする理由、お分かり頂けて嬉しいです。
続きをご覧頂ければ嬉しいです。
思い出の (みーばあ)
2017-09-17 14:39:41
今日は台風の影響かお天気は悪いし
涼しくて寒い位ですね
海外旅行の思い出、楽しませていただきました
我が家もそうですよ
写真撮ったり、ビデオ撮ったりでガイドさんの話は全く聞いていないし、いつも一番あとだし皆さんを見失うんじゃないかとハラハラです。
私はガイドさんの案内聞きたいのに~
こんにちは (asakawayuki)
2017-09-17 16:33:41
みーばあさんへ

シトシト降って肌寒いですね。
みーばあさんのご主人様は、写真撮りにお忙しいのですね。
お荷物を持ったりして下さいますでしょう。
連れあいはおみやげで欲しい物があると私を呼んで買わせるのです。
お財布を持っていますのに。
でかけるとき、切符も自分で買いませんし。
今はイオカードがあるので便利ですけれども。
チャージも自分でいたしませんのよ。
普通、夫が率先して買いませんか?
けちなんだか、面倒なのか無理解に苦しみます。
これで53年やって来ました(;.;)

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。