あさちゃんの懸賞日記

日々の出来事や、懸賞生活について書き綴ってます。

毒親

2022-07-26 10:35:05 | 日常
最近衝撃的なニュースが多く、何だかもやもやすることが多いです。
可愛い盛りの2歳児の孫を檻のようなベビーサークルに閉じ込めて、中学生の息子と置き去りにして内縁の夫との5歳児のみ連れて泊りがけで何泊もUSJに遊びに行く祖母。
宗教に完全に洗脳され、家庭を顧みず献金に明け暮れる母と宗教団体に人生を狂わされた怒りと無念の思いを団体に与する有名政治家の殺害という形で晴らした男性。

乳幼児を虐待、ネグレクトする親や親族は、どうしてこんなに無力で愛らしい存在を痛めつけることが出来るのだろうと思います。
確かに子育ては可愛いばかりではなく泣いたり言うことを聞かなかったり、食事や身の回りの世話等重労働で楽しいことばかりではないけれど、本来無条件に自分を愛してくれて頼るべき存在に痛めつけられて苦しい中亡くなった子どもたちの気持ちを考えると苦しくなります。

最近漫画家高階良子先生の引退作品と言われる「70年目の告白」を読みました。
現在70代後半を迎えられた高階先生が、ずっと胸に秘めてきた自らの過去と向き合う自伝的作品です。

裕福な家庭に生まれたものの戦後全てを失い、極貧生活に突入した両親の下育てられ5人兄弟の真ん中である著者だけが、何故か実母である母から憎まれ壮絶な虐待に晒されます。
他の兄弟は可愛がるのに皆の目の無いところで暴力や言葉、生活面での虐待を繰り返し、自尊感情を踏みにじり自分の支配下に置こうとする母に怯えて息を潜めて生活する様子は見ていていたたまれない気持ちになりました。
母の虐待に気づき伯母に預けようとする等可愛がってくれた父や、賢くて頼りになる美しい姉や面倒をみてくれた兄がいなければ生きることも出来なかったかもしれない極限状態でした。
姉や兄が読み聞かせてくれた童話や漫画の世界に憧れ、自分で続きを考えて物語を空想し描くことだけが支えでした。
(それすら母に見つかると破られ捨てられるので、みんなが寝静まった夜布団の中で隠れるように描いています。)

父の死後他の兄弟が進学する中、彼女は中学卒業後家を出て住み込みで工場で働きながら漫画家を目指します。
寮を出て一人暮らしを夢見て貯めたお金も母から無心されれば全て送り、その後も定期的に送金することを約束する等求められれば応えたい愛されたいという母への思いにどうしてそこまでと辛くなりました。
どんなに酷い目にあわされ辛い思いをしても母に愛されたい認められたいとの思いで、漫画家となって収入を得るようになり地元で母と同居しますが、全ての収入を母に握られ鵜飼の鵜のごとく働く日々に疑問を持ち、ようやく母と決別して上京します。

苦労の末、漫画家となってからも同期の漫画家や、編集者に理不尽に扱われ漫画が描けなくなったりと苦難の連続で現在の成功された姿を知っていてもどうなるのかハラハラしました。
次の巻で完結予定らしいので幸せになった姿がみたいと思っています。

こうしてみると悲しいことですが、いわゆる毒親っていつの時代にも一定数存在するものなのですよね。
高階先生が実母の虐待に負けず、こうして強く生きていくことが出来たのも自分を理解し支えてくれる存在が他にあったからだと思います。
未来ある子どもたちが苦しんで亡くなったり、苦しみの末に犯罪に走ることが無いように異変にいち早く気づき周囲や行政が対応していける世の中であってほしいと願っています。



コメント
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