山とアート

2008年から八ヶ岳南麓に移り住み、庭に小さな菜園を作りながら、知り合いのギャラリーや工芸作家のお手伝いをしている日々。

久しぶりのD51(デコイチ)

2010年05月30日 22時17分14秒 | 日記
我が甲斐大泉駅に停車するJR小海線には、昔SLこと蒸気機関車が走っていました。
その火の粉が飛んであやうく山火事寸前という話もきいたことがありますが、家を建てようと計画した頃はまだ走っていました

引退してからもSL特にD51の人気はすごいものですよね・・・
それが観光キャンペーンの一環として中央線甲府と小淵沢を走るという・・・4回だけ
切符は即完売したそうです
そして、走るのは29日、30日と6月5日、6日のみ
もちろんマニアではないけれど、やはりせっかくだから観てみたい・・・と思っていたら

昨日小淵沢のSさんが観てきたと報告があって「駅の周辺はすごい人が居たけれど遠くからでも眺めるとなかなかの風情でよかった・・・おすすめよ」

時間を調べたら小淵沢に11:33着とのこと。
ということは、長坂の駅の近くはその10分くらい前に通過するでしょう

最近みつけた白州に抜ける裏道の途中に小さな踏切があるんですが、そこは長坂駅から大きく線路がカーブしているところで見晴らしもよく、大体いつもほとんど車に遭わないという超地元向けの場所・・・あそこならそんなに人もいないだろうし観れるかもしれないと母を誘って出かけました。
なにしろ人ごみの嫌いな母は以前の御柱の時に懲りていますから、もし大勢人がいたらあきらめて戻るという約束。

ちょっと早めの11時ころ現地に到着すると・・・


すでにもういっぱい車が路駐・・・みんな考えることは同じか・・・かなり手前で停めて歩くことになりました

当然ながらカメラを構えている鉄ちゃんがいます

待っている間にみるみる人が増えてきて踏切のまわりはお祭りみたい・・・


こののどかな田園風景にSLはぴったりですなあ・・・

などと、のんびりしていると「カンカンカン・・・」とけたたましく踏切の警報が鳴って遮断機が下り、みな一斉にカメラなどを構えます

ところがやってきたのは普通電車でした・・・まだ時間が早い
その後再度「カンカン・・」が始まると今度は特急あずさ号・・・まだまだです

そのうちパトカーが赤いランプをまわしてやってきました
「車両の通行を妨げております!すみやかに車を移動してください!」とスピーカーで言いながらゆっくり踏切を渡って行きました・・・でも誰も車を移動しない
警察もわかっていて「一応」注意に現れたのかな

更にその後登り方向の普通電車が通過してから・・・いよいよ「カンカン・・・」が始まり・・・
遠くで「ぼお~~」という独特の音が・・・

やっと黒い煙がみえました!!


みるみる近づいてきます・・・結構早い
「ぼお~~~」と「ピーーーー」の音がなんともいいです


それにしてもこの煙のすごいこと・・・匂いもなつかしいです・・・小学校の臨海学校で千葉に行く時こういうのに乗ったのを思い出します。


みんなばんざい・・・乗っている人たちも皆手を振っていました



アッという間に煙を残して通り過ぎて行きました
待っている時間が長かったせいか、余計早く感じました・・・

今時あんなすごい量のCO2を撒き散らすのは問題かもしれませんが、やはりたまには良いものだし子供達には是非見せたいものです・・・

母も昔のことを思い出してなかなか楽しめたようでした。




天才少年のヴァイオリンを聴く

2010年05月28日 20時06分27秒 | 日記
昨年10月の第3回八ヶ岳音楽祭でコンサートマスターを務められた三浦章広さんは、実際東京フィルハーモニーのコンサートマスターなのですが、その息子さんである三浦文彰さんはウイーン留学中で昨年ハノーファ国際ヴァイオリンコンクール史上最年少優勝、だったのだそうです
その知らせは丁度音楽祭の直前に入ってきてメンバー全員がお祝い・・・ということがあったのですが・・・

文彰さんはその後マスコミにもひっぱりだこだったようで
たとえばこんなyoutubeも↓(私はほとんどテレビ観ないので知らなかったんですが

http://gogopara.com/archives/music/_youtube_8/

その文彰さんが帰国している間に特別に高根でお父さまとの親子コンサートが開かれるという情報をキャッチ
八ヶ岳音楽祭でおなじみの「やまびこホール」で聴いてきました

ヴァイオリン二人とピアノだけというコンサートは初めてでしたが、あのように音とテクニックの素晴らしい演奏も初めてでした
親子だからか息のあった迫力ある二重奏と、それぞれのソロ演奏も実にきれい・・・クラシックに詳しくなくても惹き込まれてのめりこんでしまいました

文彰さんがウイーンで入手したという珍しい作曲家の楽譜の演奏は、多分本邦初公開だろうとのことでしたが、ユーモラスで楽しい5つの小曲

6月にはウイーンに戻ってその後はヨーロッパのフェスティバルなどで演奏旅行だそうですが、日本でのコンサートがあるとしても多分高いティケットも手に入らないようなことになるのでしょうねえ
なんともラッキーなタイミングでした
それを考えると八ヶ岳ってすごいところです

そんななか草取りはいくらやっても追いつかず・・・つい咲いている花にみとれているのもいけないのですが・・・


母が丹精込めていたアマリリスが今年は咲きました


これは「くりん草」というのだそうですが、毎年この時期に結構長く咲いています


アイリスはやっとふたつ咲いたのですが、ちょっと色がうすいので他の株に期待をかけて。

このつつじは結構鮮やか色々な種類のつつじを植えてあります。
咲く時期がすこしづつずれているので長い間楽しめます。


昨年かなり枝をおとしたせいか、おおでまりの花がめちゃくちゃ多くてびっしり


この紫の可憐な花は「蔓日日草(つるにちにちそう)」というのだそうですが、見かけによらず蔓が強くてどんどん繁殖・・・雑草のように増えすぎてしまいました

これから花の季節でつい眺めている時間が長く、ますます草取りがはかどらなくなりそう


合間に峠のギャラリーへ

2010年05月17日 21時17分37秒 | ギャラリー
やっと暖かい日差しが・・・庭仕事にはちょっと暑すぎですが・・・初夏のさわやかな季節になりました
そろそろギャラリーさんや作家さんたちの活動が始まっています

お隣高根に工房のあるガラス作家さいとうゆうさんの展示を観におなじみ「峠のギャラリー歩"ら里」へ行ってきました
今回は神田正之さんと2人展「百の色と百の無色ー透明という六感ー」



昨年も木村さんの家具展で紹介しましたが、ここの空間は毎回作品が生き生きと展示されて入り口から入った途端に「不思議の国」


この広く開放的な窓の向こうはお茶も飲めるテラスがあって絶景です
自然の光で作品を観ることができるからでしょうか・・・とても素敵な展示です。


さいとうさんの花瓶は無色が多いので、活ける草花の色が引き立ちます



花がはいらなくても存在感のあるガラスのオブジェです

こちらは涼しげな透明の深皿・・・夏は好物のお素麺など入れたい
一見地味ですがやわらかいゆがみがあって、このようにシンプルな器は中身が入るとまた違う味がありそうです

さいとうさんにしては珍しくブルーの花瓶・・・これも白い花が入るときれいでしょうね



一方神田正之さんの作品はめいっぱいカラフル・・・写真がちょっと逆光のせいで暗く写っていますが、目が覚めるような色合いです


ガラスの色なので太陽の光のように明るい組み合わせ・・・楽しくなりますね



こんな可愛い小皿もこれからの季節には色々使い道がありそうです。

コンクリートの壁にぴったりのレリーフですが、白い壁でも美しく映えそうですね

この展覧会は24日(月)までです。ここは東京からのお客様も多いようです
「歩"ら里(ぶらり)」のサイトは↓

http://burari.info/archives/2010/100513.html


たんぼと開墾・・・肉体労働の巻

2010年05月13日 21時11分07秒 | 日記
今週はお天気もまあまあでずっと屋外の仕事が続きました

まずは昨年に引き続きGallery Amanoのオーナー天野氏のたんぼで米作りの第一歩
天野氏は東京生まれですが、おじい様の代まで白州でたんぼを所有。長い間休耕田になっていたのを3年前から復活させて、サラリーマン出身者グループで見よう見まねの米作りをはじめたのです
私は昨年から参加しましたが、分配分はもみ殻つきのお米で精米したてを食べるのでおいしいのです・・・いや、白州という南アルプスのふもとの土が良いのでしょう


たんぼからは南アルプスの山並みが観えて、ちょうど春先のおぼろな木々がゆったりした気分にさせてくれます。
この日は曇りで暑すぎず、野良仕事には丁度良い天気

まずは2種類の肥料をまきます・・・肥料の袋が15KGSと20KGSで運ぶのが大変
男性に運んでもらいました


これが天野氏所有の中古トラクター
まずは下の段のたんぼに4人で肥料撒きしてから、私がこのトラクターで耕して居る間に他の人は上の段に肥料撒き・・・という段取りです


これが私の耕やすべきたんぼ・・・肥料を撒いたあとです
途中で雨が降り出し・・・大雨にはならないですが、一度エンジンかけると途中でやめるわけにもいかず・・・ちょっと寒くなりました

結局、上の段の半分くらいまで行って夕方になり、後は天野氏にお願いしてあがりました
帰りに温泉に・・・このような屋外の作業の後のお湯は格別
二日目は土手の草刈り・・・私は草刈り機がなかったので、一輪車で土手に放置してある石をどけて運ぶ作業・・・これが重いのでかなりの運動量でした

たんぼが終わってから、今度は我が家の菜園も早く植え付けしないと苗がどんどん大きくなってしまう
先日買った苗の残りを植えるために畝作り。朝のうちは草取りもあります・・・


昨年カラマツを全部切ってもらった後に少しだけ畑を新しく作ろうかと考えました
根っこが残っているのでなかなかスペースがとれませんがなんとか四角い場所を決めました。

まず生い茂っている雑草を掘り出し少しづつ鍬でたがやしていますが、石ころだらけでこんなに大きな石が出てきたりします
これはどうやっても動かなくて困っています・・・考えても仕方ないので放置
ここは来年からでも使うくらい気長に考えて、少しづつ整えることにします


山吹は強くてどんどん増殖していくのですが、花が咲くときれいなのでつい残してしまいます
空気もさわやかで気持ちよい季節ですが、仕事がたくさんあって大忙しです


小川陽展@ギャラリー舫

2010年05月07日 20時30分12秒 | ギャラリー
タバコの火がついても燃えなかった和紙を見て思いついたという・・・
「線香火によるドローイング」の小川陽さんの展示が始まりました

線香で和紙に焦げ跡を作りその点と線によって画面を作っていく手法・・・その後同じように焦げ跡を使う作品は色々あるようですが、仕上がった独特の品のある世界はなかなかお目にかかれません


最近は線香だけでなく、紐を挟み込んだ作品を制作しています・・・目の錯覚で凸凹どちらにも見える不思議な絵画です


濃いところとうすいところは、点の密度で表現・・・根気仕事ですがそれだけではなく静謐な画面が心を落ち着かせてくれます


どこに置いてもそこに空間が生まれる手ごろな大きさのシンプルな屏風は人気

展示は15日までです↓是非お寄りください
http://www.g-beaux.jp/pages/exhibiton_j/100507.html

めざせ自給自足・・・の畑

2010年05月06日 21時22分04秒 | 日記
八ヶ岳の家に来てから2回目の春、今年もチューリップがきれいに咲きました

紫色のチューリップもあります・・・咲き終わった後に球根を掘り出して2か月くらい乾燥させてから、10月に土に埋め直す・・・など、母に教わって丁寧に作業したのが実を結びました


お隣の土地の山桜が満開・・・借景です


これは桃ですが一本の木に白と赤の花が咲く種類です


ドウダンツツジにも花がつきはじめました・・・もっと伸び放題だったのを冬にかなり刈り込みましたので、花が咲くかどうか心配でしたがほっとしました

ゴールデンウイークが終わると皆さん一斉に苗を買いに走ります



今日野菜の苗を買ってきました。

一昨日と昨日で畑を耕して畝を作っておいたので、まずは並べてみます・・・間をあけておかないと葉が茂ると結構きついのです


まずは茄子、きゅうり、ピーマン、枝豆、ブロッコリーなど、家で食べるだけですから2-4本づつ・・・かわいいもんです

昨年、鹿やイノシシにほとんど食べられた苦~い経験があるので、何種類もの対策を練りまして・・・古着をまきつけたり(人間の匂いがするからか)、いらなくなったCDをぶらさげてみたり、匂いのきついハーブと菊をまわりに植えたりしました


あとはお水をたっぷりあげて・・・今年は無事にできますかどうか・・・ドキドキ


林だったところを伐採した後、数か所に松を植えてみましたので・・・毎日水やり


今日は野菜の苗を買いに行ったのに、ついラベンダーを衝動買いしてしまい・・・家の入り口近くにあるといいかもしれないとひとつだけですが強いので増えることを期待しています

お隣さんにいただいた耕運機は、まずエンジンスタートが大変・・・動き出してからはひっぱられるので大変・・・振動で腕がぶるぶる・・・と筋肉痛の元ですが、効率よく耕せるので助かります。
畝作りで鍬を使い、今日は夏日で炎天下のお仕事・・・今夜はよく眠れそうです



Gallery Amano今年度スタート

2010年05月02日 21時20分29秒 | ギャラリー
昨年の5月にオープンした小淵沢のGallery Amanoも1周年・・・厳寒の冬季はお休みでしたが、いよいよ今年の展覧会がはじまりました
今日から堂免修展です
東京の複数のギャラリーで活発に発表している抽象表現の中堅作家


入り口からは小作品が並び、色合いは渋くて100年前の古木を使っているかのように見える・・・まるでアンティークのようですが抽象画です。

キャンバスにアクリルで描いた大作は迫力ある力作。


年月を感じさせる色調が白い壁にくっきりと映えて建物の一部のようにみえます


実は100年前の木ではなく、ほとんどが合板にアクリル絵の具で描いたものですが割れたような線までが造形として美しく組み込まれているのです。


作品を観ているといつの間にか異空間に吸い込まれているような・・・観る人によって想像するものは違うと思いますが・・・私はどうしても宇宙を思い出します
あるいは深層心理・・・心象風景とでもいうのでしょうか・・・絵画としてとても魅力的


堂免さんの愛犬「こころちゃん」・・・虐待されて保護されていたところを引き取ったそうですが、ものすごく人懐こくて猫派の私でも可愛くてたまりません
最近は虐待されるペットが多いとききますが、ペットショップなどで買うよりこういう動物をなんとか助けてあげたいものです・・・堂免さんもそういう方針だそうで、私の家も昔から野良猫保護のみで買った経験はありませんでしたので同感


お天気もよく暖かい日でしたので、ベランダでのパーティは東京から来てくださった方も含めて気持ち良い高原の空気とおいしい食べ物ー奥様の恵子さんの手作りで大満足でした

堂免さんのHPは↓
http://web.me.com/domosa/Osamu_Domen/TOP.html

この展覧会は23日までで月曜、火曜がお休みです
今年も1カ月づつの企画展で秋まで続きます
まだHPはありませんが、お問い合わせは0551-36-2795



菱刈俊作展@ギャラリー水土木(みずとき)

2010年05月01日 14時26分43秒 | ギャラリー
24日からしばらくの間東京を徘徊してきました
従姉妹の結婚式は目白のフォーシーズンズホテル、小学校の担任「傘寿を祝う会」は学芸大学近辺、母校のある広尾に泊ってなつかしく散歩・・・など

そして陶芸作家でありコレクターでもある川村紗智子さん経営の「ギャラリー水土木」での菱刈俊作展を観に江古田へ。
菱刈さんは立体作品を多く発表してきましたが、細密なコラージュ作品でギャラリー舫に展示してくださって以来、次々とユニークな表現を続けています。


昔からある日本家屋を改装した素敵なギャラリーです
川村さんの主催する陶芸教室もあります。


入り口はヨーロッパの郊外のお宅にお邪魔するような気分ですね


中も白い壁に出窓があって明るい展示



今回はすべて本とそれを入れる棚が作品です。


本を開くとこのように立体作品になっています

昔手に入らなかった篠山紀信「樋口可奈子」の写真集に惜しげもなくドローイングとコラージュ・・・生まれ変わりました


マンガの特定部分(これは動きを表す背景の部分)をコラージュして再構成した菱刈さんお得意のリサイクルマンガ


ギャラリーの奥には床の間のある日本間に展示があるのです・・・この軸も作品


マンガの吹き出し部分を切り抜いて円形に並べ直したものですが、一見は円相の絵画のようです・・・これは以前舫でも発表してくれたシリーズ(その時は売れました
色の組み合わせが絶妙なので美しいのです。


前回発表した家シリーズの立体作品もここに展示されています・・・障子をバックにして意外に合うものです



ここのお部屋も普段から展示していらっしゃいますが、現代作品もこのように日本間にあってまるで違和感がありません。つまり、普遍的な良い作品はどこにでも合うものなのだと実感します。
大体、日本の家屋は床の間など四季折々につけかえて楽しむ空間があって、日本人は造形作品を楽しむことが上手だと思います

しかし、菱刈俊作展は今日までだった残念
でもこのギャラリーのお知らせは↓

http://www006.upp.so-net.ne.jp/sachi-ko/kawamuramizutoki2.html

江古田の日大芸術学部も近い住宅街です・・・お近くにいらしたら是非