有田芳生の『酔醒漫録』

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安倍晋三と統一教会(4)

2006-09-28 06:17:48 | 政談

 9月27日(水)雨降る朝。午後からは晴れ、夕刻には美しい夕陽を部屋の窓から眺める。市川昭介さんの訃報を報じるテレビを見ていても、都はるみさんの姿はコメントをふくめていっさい出てこない。遺体に寄り添って2人だけで4時間を過ごしたことに悲しみの深さが現れている。他者には想像もできないほどの慟哭を前にはどんな言葉も虚しい。外出せずに終日単行本『X』の原稿を書く。安倍新政権の布陣は、スキャンダルぶくみの危うさを抱えている。利権人脈だけではない。「目玉」のひとりは女性をすぐ誘うことで永田町ではよく知られている。そんな負債を覆うためにも北朝鮮対応やアジア外交が急速に進むだろう。まだ地下鉄サリン事件が起きていないときのこと。坂本弁護士の奥様である都子さんの周辺から依頼され、密かに調査を進めていたことがある。福岡市内の不動産屋を訪れた。そこで働いていた女性従業員は、取材拒否。なぜかオウム真理教と統一教会の友好組織である国際勝共連合をそれぞれ担当していた。2つの組織が彼女の斡旋でビルを借りていたのだ。不思議なことに彼女は福岡市内に自己所有のマンションを2つ持っていたこともわかった。統一教会が北朝鮮との関係を密にすることに日本政府の情報部門は当時から注目していた。在日韓国人である不動産屋の女性従業員が、何度も平壌に行っていることを政府機関は掴んでいた。北朝鮮と統一教会を結ぶ線は、すでに10年以上も監視の対象になっている。安倍政権ではさらにこの体制が強化される。

060927_17200001  これまで北朝鮮は統一教会が資金を提供してくれることで蜜月の関係を維持してきたが、最近ではきしみが見えはじめている。いま詳細は書かないが北朝鮮で一時だがスパイ容疑で逮捕された古参信者もいる。そこでの尋問は、統一教会が北朝鮮で何をしようとしているかという問題に集中していたという。
普通江ホテルを統一教会が経営していることをわたしは「週刊文春」(1994年7月28日号、有田『「神の国」の崩壊』教育史料出版 会、1997年所収)に書いた。そこでは触れなかったが、統一教会は平壌に教会を建設する予定で、北朝鮮当局もそれに肯定的だった。日本や韓国の信者たち の間には建設予想図が示されていた。ところが北朝鮮はこの教会建設を認めなかった。そのかわりに建築されているのが世界平和センターで ある。いま内装が進んでいるところなので、いずれ完成披露が行われるはずだ。安倍政権はこうした情報を通じて北朝鮮政権の基盤を分析、政策に反映していく という。北朝鮮にとって、統一教会は「南北統一」のために関係を保っているのではなく、あくまでも財源として尊重しているのである。安倍晋三にとっても、 そうした役割を果している統一教会への警戒感は薄れるどころか、強まっているのが現状である。

 


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