ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

issyのひまのつぶし方 第3回「目の前の練習を「やりきれるか」」

2013-05-05 12:47:02 | ぼくらのありのまま記
第3回「目の前の練習を「やりきれるか」」

今回はラグビーの話しをすこし。
いっしーは現在、
マレーシア建国と同時に創立された伝統ある
sekolah tuanku abdul ramahn という中高一貫校
でラグビーのコーチをしています。

「やる気」があるのかないのか
強くなりないのか、なりたくないのか。

イッシーの感じたマレーシア人の気質を教えてもらいました


いっしー マレーシアには、キレイな海もあるんですよ。
      
      
     ちょっと遠いんで、まだ行ったこと無いけど・・・。



たら   おー、めっちゃいいじゃん!!



いっしー ダイビングは、子供の頃からやりたかったことです。
     ってか、ダイバーよりは、
     「海女さん」になりたかった。 笑


たら   そうなんだ。
     初めてイッシーの子どもの頃の夢を聞いたよ。
     海へのあこがれ。
     東京に住んでて、どうやって、知ったの?


いっしー 小学生高学年のころから、お盆の時期に、
     南伊豆へ家族と行くようになり、
     岩場で潜るようになり、
     海女さんへの憧れとなります。笑
     だから、海女さんやら、
     ダイバーやらが、テレビに出てれば見てました。


たら   そうかそうか、体験からなんだ。
     あれ、いま、コーチ優先なのは
     そっちの方がヒマつぶせそうだから?w
     ほんとに好きなら海を優先してるはずじゃない?


いっしー 良い質問だね。
     どうしてコーチ優先か・・・・
     1、近い。 
     2、カネがかからない。
     3、年齢的にラグビーはもうちょっとで限界だから。
     4、コーチに就任しちゃった。 

     去年チーム移籍を模索してたけど、
     今、現チームに就任していなければ、
     それこそ、ヒマ半端ないんで、
     ダイビングに行ってたかも。
     まぁこの4つの理由と、タイミングです。



たら   理由が面白いなー笑
     近いとか、就任しちゃったとか。
     就任って自分から動かないと
     回ってこない役割だよね?
     特に変な日本人になんて(笑)



いっしー 一応、ちゃんと、顧問にメールして、
     自分を売り込みましたよ。笑
     で、まぁ、決まっちゃったから。 
     決まったからには、
     私の存在を、チーム強化で知らしめないとね。
     いや~~、昨年(前のチーム)は、
     毎日毎日練習に行くも、選手が来なくて、失望の日々で、
     それと共に、
     「これ、ラグビー無くなったら、ヒマで死んでまうぞ」
     と、恐怖が芽生えました。
     で、アクティブにリクルート活動しました。




全校生徒の2~3割がラグビー部だそうです。
結構もりあがっていますね


たら   コーチが行っても生徒が来ない。笑えるなー


いっしー そこは、高等専門学校かな? 
     19~21歳ぐらいの学校です。
     最初に参加した市役所チームが財政難で解散。
     主要メンバーの卒業した学校に戻ろうということで。 
     私もそこに参加。
     市役所チームから4~5人が参加し、
     学生と共にチームを作りました。


たら   うん


いっしー ココ数年、OBは、もう引退。 学生は練習に来ず・・・。 
     試合があると、顧問、コーチがあちこちに電話かけまくり、
     選手を集めます。


たら   もともと選手がやりたくて
     つくったものじゃいないから続かなかったのかな?
 

いっしー 続いてはいるんです。笑
     ただ練習が嫌いなの。
     試合はしたい。笑   
     日本なら、(やる気ないなら)「じゃあ辞めれば?」
     ってなるけど、彼らは、言います
     「強くなりたい!トモ(いっしー)、コーチしてくれ!」って。
     まず練習来いよ! と。 笑
     その辺の線引きが難しいなー笑


たら   練習嫌いなことが
     やる気がないってことと
     つながらないんだw
     「俺たちつよくなりたいんだよ!!トモ!!」


いっしー そう。 やる気はあるんです。 笑
     でも、毎日の練習はちょっと・・・・・。 てな具合。
   

たら   きっとその辺の感覚とか感性っていうのは
     なかなか伝わりにくいものなのだろうね


いっしー 民族の違い、文化の違い、になってしまうのでしょうか・・・。



たら   面白いなぁ、練習嫌いでもやる気はあるんだよ!!
     って言い切れるのは。
     いっしーのコーチとしての売りってなんなの?


いっしー 私の売りは、まぁ、
     最新のテクニカル(コーチの技術)に
     近いことでしょうか。
     先輩が日本代表のテクニカルで、
     そこから仕入れられます。
     決して、「代表」という肩書きで
     信頼しているわけではなく、
     ちゃんと、理論、理屈を聞いた上で、
     なおかつそれを、
     マレーシア用にアレンジして提供できます。


たら   ヘー!!それはいいポジションだね


いっしー しかし、今のチームには
     マレーシア代表キャプテンが
     ヘッドコーチに君臨していて、
     顧問の絶大な信頼があるから、
     まだ、私にはチョイ役しかこない。
     食い込んでいかないと。
     野望に燃えてます! メラメラ・・・・。 


たら   暇つぶし、はりきってるね。



いっしー チームの最大の問題は下記です。
     ときおりマレーシアで開催される、
     国際大会は、世界の強国も参加します。


たら   うん。


いっしー その大会前日には、
    「アジアのラグビー普及」の名のもとに、
     強国チームがマレーシアの
     中高生チームを対象に、コーチングを行います。



たら   へー、結構盛り上がってんだね。ラグビー


いっしー 去年は、南アフリカ(世界ランク3位)の
     チームが来て、2~3日合同練習しました。
     彼らにしたら、「憧れの強国」の、
    「世界最先端」のコーチングなわけです。
     しかし、たかだか1~2日の2~3時間なわけです。

たら   あー凝縮されてるのね。


いっしー 組織プレーの導入から仕上げまでを、
     そこに詰め込むわけです。
     普通、強国は、自国での練習で、
     それを1シーズンかけて、
     自分たちのものにしているのです。
     日々、どんな強国も、
     どんなスター選手も、
     地味な練習を、ひたすら繰り返しているのです。
     それが、マレーシアの人には伝わってないのです。

     あー、2、3時間で俺たちもスーパープレーヤーに!!
     っていう。


たら   楽勝じゃんと、2時間あれば、、。


いっしー だから、翌週、その練習をやってみて、
     もちろんうまくいきません。
    「ダメだ。やっぱり強国みたいにはなれない」
     で終わりです。



たら   あきらめちゃうんだ。



いっしー 私は、その地味なことを
     継続する大切さを理解しています。
     そこが、こちらのコーチとの明らかな差異です。
     しかし、それは、伝わらないですよね。 
     1年まかせてもらえて、
     継続させてもらえれば、
     結果は出せるのでしょうが、
     そのチャンスが、まだ、もらえないのです。
     2013シーズンは、学校に筋トレジムを
     新たに作ります。
     他の有力校は、すでにジムを備えています。
     「これで、ウチも強くなる」と意気揚々です。



これで鍛えれば強くなるぜー


たら   あれだ。参考書かったらもう
     頭よくなったと思うのと一緒だ。
     

いっしー そうじゃないんです。
     ジムなんか無くたって、
     強化する気なら強化できます。
     「南アフリカ仕込み」とか、「ジム」とか、
     そんなことじゃないんです。
     日々、目の前の練習を「やりきれるか」、なのです。



たら   そうだよな。日々「やりきれるか」って大切だよな~


いっしー 日本代表テクニカルの
     先輩のチームへ行った時も、
     テクニカルな部分は
     もちろん感心するところなのですが、
     最も感心したところは、
     見ていて鳥肌が立つほどの
     「やりきり」具合でした。
     これがわからなければ、
     チームのこれ以上の上昇は望めません。
     これを、マレーシアで浸透させられるか、
     私の仕事です。 てへ


たら   見ていて鳥肌が立つほどの、「やりきり」具合
     っていうのはどうやって伝わってきたの??



いっしー 練習を見ていて、
     その迫力だとか・・・。
     手を抜かない感じだとか・・・。
     まぁ見ればわかります。



たら   ボクシングの具志堅用高さんがね、
     100メートルダッシュの練習があったら
     みんなは90メートルダッシュして
     あとの10メートルは手を抜くんだよ、
     でも俺は最後の10メートルも全力で走ってたから
     いい結果が出せたのさ
     みたいなことを何かのインタビューに書いてて、
     そんなようなことかな?


いっしー そういうことです。


たら   マレーシアの人は「やりきらない」の?


いっしー 見たこと無いね。 笑


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